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特色ある大学教育支援プログラム

シンポジウム「商業教育の現状と課題」実施報告(終了)


開催の概要

(1)参加人数

商業高校現役教員 11名
商業高校臨時教員 12名
学生 29名
その他(大学教員、校友会) 7名
合計参加者 59名

(2)日時

日時 2007年2月18日(日)
シンポジューム 13時30分〜17時00分
懇親会 17時30分〜19時30分

(3)会場

シンポジューム 沖縄国際大学 5-107教室
懇親会 沖縄国際大学 厚生会館 3階

 

(4)シンポジュームスケジュール

@受付 13時00分〜13時30分
A開会の挨拶 13時35分〜13時45分
B講演 13時50分〜14時50分
Cシンポジウム 15時00分〜16時50分
D閉会の挨拶 16時50分〜17時00分

 

(5)講演
テーマ:「沖縄県における商業教育の変遷」
講演者:清村英夫(沖縄国際大学名誉教授)

(6)シンポジューム

シンポジウムテーマ 「商業教育の現状と課題」
コーディネーター 仲里浩治(沖縄県立浦添商業高校、平成8年卒)
パネリスト 宮城正栄(沖縄県立真和志高等学校、平成6年度卒)
宮里盛堅(沖縄県立浦添商業高校、平成6年度卒)
上原純(沖縄県立南部商業高等学校、平成8年度卒)

 

(7)運営委員

清村英之 (沖縄国際大学・企業システム学科)
宮森正樹 (沖縄国際大学・企業システム学科)
宮里盛堅 (沖縄県立浦添商業高校)
仲里浩治 (沖縄県立浦添商業高校)
宮城正栄 (沖縄県立真和志高校)
島尻杉子 (沖縄県立具志川商業)

 

成果と課題

1.成果

 第1回の商業科教育シンポジュームには59名の参加者があり、熱心な議論も交わされ、シンポジューム後の懇親会の参加も多かった。これからみると本シンポジュームは成功だと言える。
成功だとする理由として、まずはシンポジュームの内容について参加者100%が良かったとしていることである。その中でも「大変良かった」が7割を越えている事から見ても、成果はあったと考えられる。参加した現役学生達や卒業生は、現場の声が聞けたことを高く評価している。これから教員を目指して勉学を進める学生達は、机上の理論や知識は得ているが、どうしても現場でのイメージを持つことができない。今回は4名の現職教員であるパネリストから、商業教育の現状とこれからの課題を直接聞くことができたことは、大変有意義だと思われる。現役高校教員では、自分の商業教育を振り返る良い機会になったようである。自分自身の勉強になったという声も聞かれた。
成功だとする第2の理由は、本シンポジュームについて、参加者の9割が継続を希望しており、内容を変更しての希望も含めると全体の98%が継続を希望していることである。商業科教育の担当教員では、このようなシンポジュームを今後も継続していくことは決定している。
最後に、本シンポジュームを通して、現役教員や臨時教員、教員を目指している卒業生や現役生のネットワークができたことも、大きな成果だと言える。今回のシンポジュームをきっかけに、現役の商業高校教員の横のネットワークや、教育現場と学生などの縦のネットワークがつながった。今後はこれらのネットワークを維持していくことにも精力を傾けたい。

2.課題

 シンポジュームは成功裡に終了したが、いくつかの課題も浮かび上がった。大きく3つの課題があると思われる。
まず第1に、時間が足りない意見があった。特に学生と現役教員の意見交換の時間が欲しいようである。また、教員同士の情報交換の場としての位置づけとしたいというコメントがあった。今回は3時間の時間を取ったが、それでもまだ意見交換を望んでいる。しかしこれ以上、例えば4時間となると参加者の集中力が低下することが考えられるため、今回3名のパネリストがかなり時間を取って意見発表をしてくれたが、今後はこれを2名にするか、あるいは3名で各自の時間を短くするかで対応していくことが必要かもしれない。今後の課題解決策として、記念講演やパネラーの意見発表の時間を厳格にして、意見交換の時間を捻出することが必要とされる。
第2の課題として、開催時期の件がある。これは特に現役学生からの声であるが、現役教員の参加の少なさから、開催時期をもっと現役教員が参加できる月日にして欲しいとの希望がある。事務局側としては、現役教員と協議の上で最も時間が取れやすい月日を設定したつもりであるが、参加者は11名とさほど多いとは言えなかった。今後は開催時期の設定も重要であるが、それ以上に参加を呼びかける広報を効果的に行うことが重要と思われる。

  最後に、学生の満足は高いが、現場の教員には物足りないと言う者が、一名ではあるが、存在した。今回は学生達が現役の商業高校教員から、現場の声を聞くというコンセプトで実施されたシンポジュームなので、現役教員には確かに物足りなさはあったと思われる。今後は、沖縄国際大学出身の現役教員の絆を強める目的からも、教員相互の情報交換を一つのコンセプトにしたシンポジュームの開催も企画したい。

 

シンポジューム開催の意義

 今回のシンポジュームには大きく分けて3つの目的・意義がある。
まず第1に現役教員と学生達との交流がある。伝統ある商業科教育を引き継いで、現役学生達は頑張っている。彼ら・彼女らにも 現在、現役で活躍している先生方との交流を通して、何かを感じ取って欲しいと考える。
第2に卒業生の組織化である。多くの沖縄国際大学卒業生が商業科の教員になっている。せっかく多くの貴重な人材を輩出しているで、このシンポジュームを機会に組織化して沖縄の商業科教育の核になっていけばと考えている。
そして第3に清村英夫先生の商業科教育に対する貢献への謝意である。先生が商業科教育を沖国大でスタートして36年になる。そして、清村英夫先生が商業科教育法をお教えになる最後の年でもある。これまで、多くの商業科教員を育ててくださった清村先生のご功績を今ここで確認して、先生に後輩たちへ送る講演をしていただきたいと思い、そして感謝の意を込める目的で本シンポジュームを企画した。
今回のシンポジュームは沖国大が「平成17年度特色ある大学教育支援プログラム」(別名、特色GP)に採択されたことから、実現された。正式名称は「教科教育法を主軸にした体系的教育実習指導−教職課程科目の体系的・段階的配列と模擬授業指導を中心とした取組−」と言う。
この特色GPは、大学教育の改善に貢献する様々な取組みのうち、特色ある優れたものを選定し、文部科学省が財政支援を行うとするものである。選定された事例を広く社会に情報提供するとともに、教育改善の取組みが各大学及び教員のインセンティブになるとともに他大学の取組の参考になり、高等教育の活性化が促進されること目指している。
平成17年度は、申請410件中、47件が採択され、沖縄国際大学はその中の一つとなった。
沖縄国際大学では、すべての教職に関する科目を教育実習の広い意味での事前指導科目として位置づけ、教科教育法を主軸に「体系的」に配列し、「段階的」に履修させてる。このような受講者精選システムを設ける一方で、教科教育法は少人数クラス編成とし、その中で体験的学習として一人1時間以上の「模擬授業」の指導を行っている。教育実習の事前・中間・事後指導においては、体験的なワークショップを導入するとともに、「中間懇談会」と「実習校との懇談会」も設けている。このように教科教育法を主軸にして教育実習の前・中・後と3段階の指導を体系的に実施していることが特徴である。
商業科では商業科教育法と商業科教育法演習がある。商業科教育法演習では4つのポイントが授業の主流になる。
@一人2回の模擬授業である。3年次の後期授業中に1度(簿記・ビジネス基礎)そして、春休みに集中的に2日間で科目を変えて2度目を行う。この時には4年生や卒業した先輩達がコメンテーターで随時参加している。先輩達は「模擬授業で泣いて、本番では笑おう」を合い言葉に、厳しくコメントをしてくれる。本当に泣き出す学生もいるが、そういう学生こそ、高校では立派な研究授業を行っている。
A商業高校の視察がある。現役学生の恩師を通してお願いしる。高校の教育のあり方を説明してもらったり、現場の先生の授業を見学させてもらっている。今年度は那覇商業高校にお世話になった。
B現役教員を社会人講師として招いて、クラスで講演をしてもらっている。現場の生の声が聞けると言うことで学生達に人気である。
C模擬授業における留意点レポートを作成している。これは、模擬授業で注意されたことをすべて書き出し、自分なりのそれに対する対応案を創り上げていくものである。クラス全員でそれらの課題を共有する目的がある。
商業科はこれまでに昭和47年から現在までの36年間、教育実習生を送り出した。総計で477名になる。平均では年に13名です。一番多かった年が平成12年の35名である。一番少なかった年は昭和61年の1名であった。ちなみに、一昨年が16名、昨年が20名、そして今年が8名である。今年の3年生からは商学科が名前を変えて企業システム学科となり定員も減少したことで商業科教育法受講者も減少している。
平成18年現在の現役商業科教員は、大学で各高校への問い合わせの結果、53名(昭和49年卒から平成12年卒まで)である。平成10年度から平成18年度までの9年間で27名の採用試験合格者が出ている。この実績を元に36年間で推測してみると、沖国大から108名ほどの合格者がいる計算になる。やめた教員いるので、現在108名の現役がいるかどうかは明らかではないが、53名よりは多いのではないかと推測される。

アンケート結果

 シンポジューム当日、参加者にアンケート用紙を配布し、回答してもらった。

(1)アンケート回答者プロフィール

@年代

図表1 参加者の年代
  実数 パーセント
20代
34
83%
30代
6
15%
40代
1
2%
合計
41


アンケート回答者の年代では、学生が多かったこともあり、20代が最も多い。また現役教員や非常勤の教員も若い先生方のアンケート回答者が多かった。

A職業

図表2 参加者の職業
  実数 パーセント
高校教員
12
29%
学生
23
56%
その他
6
15%
合計
41

 現役教員と非常勤教員の参加で全体の3割の回答となっている。学生は5割強となっている。

(2)シンポジュームの認知経路

図表3 認知経路
  実数 パーセント
大学からの連絡
15
37%
教員からの連絡
24
59%
その他
2
5%
合計
41

 今回の認知経路は教員個人からのメールや電話による連絡が最も多かった。また、大学から現役教員にシンポジューム開催のお知らせを行ったが、それによる認知も少なくはない。その他は少ないが友人からの連絡であった。大学のホームページにも、お知らせを掲載したが、これによる認知は無かった。

(3)シンポジュームへの反応

図表4 評価
  実数 パーセント
大変良かった
29
71%
良かった
12
29%
改善を要する
0
0%
合計
41


  シンポジュームの内容についての質問であるが、約7割が「大変良かった」と評価している。「良かった」と考えている者も3割となり、合計すると良い方向での評価は100%となる。改善を要すると言う者は特にいなかった。

(4)シンポジュームに対する感想

(@学生の感想)
1.実際の教育現場の人の話が聞けるのは良いことだと思います。
2.現場の先生の課題が分かって良かった。実習校とは違う学校の現状や県の課題等も知ることもできて良かった。
3.先生方の話の中に色々、将来役立ちそうな話があったので本当に良かったです。
4.私達学生にとって、現場の先生の話が聞けるのは貴重な時間でした。さらに私達学生に向けての話が多かったのでとても勉強になりました。自分のスキルアップや生徒指導のために、今の時間があるうちに勉強していきたいと思います。
5. 実際の現場の先生方の話が聞けたのがとても良かった。
6.商業高校の現状や課題などたくさんの話を聞けて良かった。特に、今の生徒に必要とされている身なりやマナーなど人材教育などの話を聞けたので本当に良かった。
7.商業科目の今後の課題、今、生徒・教師に求められていること、商業高校全体に求められている事、を聞き、商業科目の目的である率先して行うことの出来る人材育成に対して、社会(企業)からは、マナーを重視しているという、授業内容の目的との相違点もあり、ビックリしました。また、即戦力を活かす人材を育成しているのに、就職する人数も全国に比較して少ないという現状でした。
8 .現役教員の考えや話が聞けて良かったです。
9.今回のシンポジュームに参加して、現役の教師の話を聞くことができて本当に良かったです。学校の現状や、沖縄県の学校の現状、課題を知ることができ、今後、どのような勉強をした方が良いのかを考えることができました。教師の課題は、たくさんあると思うが、そ の課題 についてどのように対応するか考えていきたい。
10.現場で求められている事を知ることができて良かった。その問題をどのように対応、対処しているのか、今後の課題を知ることができたので、今、自分自身にできることを勉強していきたいと思った。
11.現場の声が聞けて良かったと思います。現場で働くことがとても楽しみです。
12.高校の現状や問題点をしることができた。
13.現場の話が聞けて今後の為になった。
14.高校における人材育成の課題を知った。今の生徒は当たり前のことができない。
15.私が予想していた学校現場が、実際は全く違う現場でした。今、私がすべきこと、学ぶことを考えさせられた。
16.実際の教育現場にいる教師の方々の話や、教職経験から感じることなどを聞けたことが、一番大きな収穫だった。教職に関わっていく事に関して改めて考えさせられた。
17.大学では、教育方法など、自分の実践力を身につける勉強を学べますが、今回のシンポジュームに参加し、生の教育現場の実態を具体的に学ぶことができた。
18. 現場の話や、いろいろな視点からの現状と課題がよく分かり、とても良かったと思います。ありがとうございました。
19.実際に働いている先生達の話を聞けてとても良かった。自分が教師に向いているかいないかは、まず生徒との関わりを持つことが大切である事を知って、楽しみになりました。
20.商業科目の先生の話を聞く機会があり、とても勉強になりました。

(A卒業生の感想)
1.内容はとっても良かったが、現役の先生方の参加が少なかったことが残念だった。
2.現役の教員の方々の話を直接聞けて、改めて教員を目指すにはどうするべきを考えさせられました。また、どのような生徒がいて、どう対応していけば良いかを聞けてとても良かったと思います。
3.3人の現場教師の観点がそれぞれ違うので、いろいろと考えさせられました。ただ、時間が押してしまったのはもったいないと思います。
4.現状の教育は、学力低下だけが問題ではなくて、生活マナーや接遇の問題も重視しなければならない問題なのだと分かりました。私は会社に勤めていて、挨拶やモラル等がどれほど重要なものかを改めて感じています。それをできない社員は自然と排除されていっている現状なので、しっかりとした教育(学力+マナー)をしていくべきです。
5.現場の先生方の意見を聞ける良い機会が持てて良かったと思います。
6.現場の視点からの現状と課題が非常に興味深かった。

(B現役教員の感想)
1.商業教育の歴史は興味深かった。シンポジュームのテーマをみると現職の教員として参考にしたいと思ったが、中には学生向けのアドバイスが主となっているパネリストもいたのでどうかと思った。現職として知っている内容ばかりで、思ったより収穫無しです。
2.学生にとっては参考になり、良い取り組みだと思います。
3.商業教育の変遷や商業教育の課題、高校教育の課題等、様々な講話をしていただき、今後の商業教育のあり方をしっかりと考えていかなければならないと思いました。
4.いろいろな方向から商業教育の話を聞くことができ、とても良かったです。すごくいい話をたくさん聞くことができました。
5.商業高校の現状や課題でとても為になる話を聞けて良かったです。これから先、何をしていこうかと考えさせられました。また、生徒のことを思い、教師として磨きをかけて頑張っていこうと思いました。本日は本当にありがとうございました。
6.パネリストの4先生方の話にはメリハリがあった。商業科は現実社会と隣接しているので、緊張感があるのでしょうか。清村英夫先生の話も興味深かった。沖縄教育史の別な面が見えました。清村先生の教育に対する情熱にも触れることができました。宮森先生のシンポの意義・趣旨説明は全体への目配りがとても良くできていて驚きました。
7.他の先生方の発表ない方が聞けて良かった。
8.沖縄の教員情勢を改めて気づかされた。本当に生徒(人間)を育てる大変さ・重さ・責任感を再認識させられた。
9.商業教育における現状や実態を改めて知ることができて良かったシンポジュームでした。また、課題やこれからの教員としてどうあるべきかを学べることができたと思います。
10.自分自身も勉強になりました。
11.勉強になった。

(5)シンポジュームの今後の取り組み

図表6 継続希望
  実数 パーセント
継続希望
37
91%
変更して継続希望
3
7%
継続を望まない
1
2%
合計
41

 今回のシンポジュームに対する継続意向を聞いたが、継続を希望する者が全体の9割に達する。内容を変更しての希望は3名で1割にも満たない。継続を希望しない者も1名いた。

(6)企画に対する要望等

(@学生からの要望)
1.学校設定科目を実際に行ってみて、得られた効果や反省点とかの経過を聞いてみた
いと思います。
2. 各高校から1名代表を呼び、パネリストとしてやってほしい。そうすれば、県内の商業高校のことを知ることができるので。
3.社会の流れによって、毎回新しい情報が欲しいと思います。今回は、最初なので現状と課題 をテーマにやっていくのがいいと思います。そして次は違う面からのものがいいと思いました。
4. また、シンポジュームがあったら、連絡を回して欲しい。
5.先生方も忙しい時期のようなので、先生方の日程にできるだけ合わせて行えばもっと多くの沖国大卒の現場教員と出会うことができてもっと良い機会になると思った。
6.自分の知っている教師が来ていたら良かった。
7. その年によって、生徒も変化してくる。これからも現場にいる先生方の話を聞きたい。先生方の大学時代の事を知りたい。
8. 商業高校以外の普通高校で商業を担当している教師からも商業教育と普通教育との違いや状況等を聞いてみたい。
9. 今まで、出会った生徒との体験談などのお話を聞いてみたい。

(A卒業生からの要望)
1.新人教師の戸惑いや喜びをシンポジュームで発表して欲しい。
2.意見交換の時間を多くして欲しかった。

(B高校教員からの要望)
1.教科指導の具体的な取り組み。学校設定科目の指導案。進路指導など。
2.実際の授業風景をビデオを見ながら、授業改善のために、意見交換会などがあれば参加したいです。授業に関する実践例を情報交換したいです。
3.学生の報告とそれに対する現職教員のアドバイスを加える。OB・在学生の交流だけでなく、大学を媒介したOB相互の交流機会の提供という役割も果たす場でもあればと思います。
4.今後も続けていきながら、要望が出たら、次年度より取り入れた方が良いと思う。
5.現場で実際に働いている先生方の話をもっと聞きたい。
6.学生が話できる場があったら、さらに面白いと思いました。

 

以上 

報告書作成者:清村英之・宮森正樹(企業システム学科)

お問い合わせ先

教務部教務課では、特色GP事業の発展・推進に向けて、皆様からのご意見・ご感想をお待ちしています。

お問い合わせ・ご感想送付先:教務部教務課特色GP担当 E-mail: aafchr@okiu.ac.jp

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