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【南島研】第39回南島文化市民講座・2017年度協定校間国際学術交流講演会を実施しました

南島研
第39回南島文化市民講座
2017年度協定校間国際学術交流講演会 



東アジアの記憶と記録 
―人々の思いを読む―

【開催趣旨】
何を記憶し、何を記録するのか。そして、何を記憶せずに、何を記録しないのか。私たちが意識的に、または無意識のうちに行っているそのような取捨選択の中に、何らかの「意志」が働いているのだとすると、それらを丁寧に読み解くことで、それぞれの時代、地域における人々の「思い」を読みとることが出来るだろう。過去の何を、どのように切りとり、どのような形で留めるのか・・・留めないのか・・・ 
今回の南島文化市民講座では、それぞれ協定締結20周年、15周年となる韓国全南大学湖南学研究院、中国福建師範大学中琉関係研究所からも発表者を招き、文学や歴史学、思想の各視点から東アジア地域における記憶と記録をキーワードに人々の思いを読みとっていく。

日 時:2017年12月9日(土) 午後1時~6時  
会 場:13号館301教室 
【プログラム】
《司会進行》:尚 真貴子(南島文化研究所所員/沖縄国際大学総合文化学部准教授)
開会あいさつ:上原 靜(南島文化研究所所長)
学長あいさつ:前津榮健(沖縄国際大学学長) 
開催趣旨説明:崎浜 靖(南島文化研究所副所長)
第1部【文学】
《司会・コメンテーター》 大城貞俊(南島文化研究所特別研究員/沖縄国際大学非常勤講師)
発表者:村上陽子(南島文化研究所所員/沖縄国際大学総合文化学部講師)
「沖縄戦の記憶・記録と文学」
発表者:趙泰晟(全南大學校湖南學硏究院副教授)
「排除の記録、作られた記憶」
発表者:黒澤亜里子(南島文化研究所所員/沖縄国際大学総合文化学部教授)
「田村俊子と『女声』の周辺 ―日中戦争下の文学の比較・交流研究―」
発表者:崔惠景(全南大學校湖南學研究院人文韓国(HK)研究教授)
「広場の権力と記憶共同体」
第2部【歴史】 
《司会・コメンテーター》 田名真之(南島文化研究所特別研究員/沖縄県立博物館・美術館館長)
発表者:謝必震(福建師範大学中琉関係研究所所長、教授)
「古代詩画に見る中琉航海」
発表者:陳碩ゲン(福建師範大学中琉関係研究所准教授)
「清代北京における琉球進貢使と朝鮮進貢使の邂逅場所について」
第3部 【総合討論】 
《総合討論司会》稲福日出夫(南島文化研究所所員/沖縄国際大学法学部教授)

【通 訳】
(中国語・通訳)徐斌(福建師範大学中琉関係研究所)
(韓国語・通訳)真島知秀(沖縄国際大学非常勤講師)、 皿谷友美(元 韓国 明智専門大教授)

【主 催】
沖縄国際大学南島文化研究所

【共 催】
韓国全南大學湖南學研究院
中国福建師範大学中琉関係研究所
沖縄タイムス社

 【参加者からの声】アンケートからの抜粋
・特定の意図をもって作られた記録に対して、排除や製作の過程に着目し分析していくというのはとても大切だと思いました。情報の仲介人、受け手を分析するというのも新鮮な視点でした。(一般)

・国家権力の都合によって、記憶も記録もゆがめられることがあり、民衆が悲惨な体験をさせられたのが、沖縄の歴史からよくわかる。今日それを考えさせられた。中国進貢の場にあって、朝鮮と琉球の死者たちに交流があったことは驚きであり、うれしくなりました。(一般)

・崔恵景さんが光州民衆抗争との関連で沖縄国際大学のヘリ墜落事件について触れていたこと、モニュメントを造ればいいのだけではなく、その過程やこれからの事も沖国大は受けおっていかなければならないと思いました。(一般)

・記憶について考えさせられた。記憶の重要さ。記憶を変容させる。記憶を操作する、記憶と記録が明確でない。(一般)


多くの方々の協力を賜り、多くの皆様に参加いただきました。
誠にありがとうございました。