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【経環研】 第1回ブラジル学術調査を無事に終えました。

経環研
【研究目的】
経済、環境問題を含む沖縄のあるべき将来像をブラジルをはじめとする中南米におけるウチナーンチュ社会から還元的に考える。

【調査メンバー・関心領域】
友知 政樹  所 員  (経済学部教授/研究代表者) <沖縄経済学、沖縄の自己決定>
前泊 博盛  所 員  (経済学部教授) <沖縄経済学、沖縄経済史>
呉 錫 畢  所 員  (経済学部教授) <環境経済学、厚生経済学>
比屋根 良直 支援助手 (沖縄経済環境研究所研究支援助手(当時)) <環境経済学、琉球芸能>

【調査日程】
■2018.03.19(月)~2018.03.28(水)
[2018.03.19(月)離沖→]
        那覇空港にてお見送りいただきました、沖縄ブラジル協会会長:西原篤一様、
        同協会監事:城間正邦様には心より御礼を申し上げます!

1日目(2018.03.20(火))
 午前 グアルーリョス国際空港到着
     ブラジル沖縄県人会メンバー<島袋栄喜会長、比嘉パウロ副会長、
     翁長清副会長、島袋安雄書記> お出迎えに感謝!
    ブラジル沖縄県人会館表敬訪問
 午後 琉球古典音楽野村流音楽協会ブラジル支部と交流・インタビュー
     <知念直義会長 他>
 夕方 ブラジル沖縄県人会ビラカロン支部会館訪問・インタビュー
     <照屋武義会長 他>

2日目(2018.03.21(水))
 午前 サンパウロ大学訪問
 午後 サンパウロ大学経済学部図書館にて資料調査
     <Margarida Maria de Sousa様・図書館チーフ>

3日目(2018.03.22(木))
 午前 ブラジル沖縄県人会館再訪問・インタビュー
     <森田ノボル様(サンパウロ市議会議員)、与那嶺真次様(元会長)>
 午後 ブラジル日本文化福祉協会訪問・インタビュー
     <呉屋春美会長、中島エドアルド剛事務局長、島袋カミロ副会長>
    ブラジル日本移民資料館訪問・資料調査・インタビュー
 夕方 県費留学OBOG会=URIZUN会との会食(1回目)
     <新城盛博会長、仲地アウロラ恭子県人会理事、座嘉比シモネ様、他>

4日目(2018.03.23(金))
 午前 COFEMA(金物屋卸売業訪問・インタビュー)
     <照屋マリオ社長>
 午後 サンパウロ日伯援護協会訪問・インタビュー
     <与儀上原昭雄会長、足立操事務局長>

5日目(2018.03.24(土))
 午前 ブラジル沖縄文化センター訪問・資料調査・インタビュー
 午後 ブラジル沖縄県人会館再訪問
     沖縄県ブラジル事務所設置に関するヒアリング調査
     <奥原マリオ・宮城あきら講演会>、記録映画鑑賞「暗黒の1日」
     <与那嶺恵子様インタビュー、宮城あきら様インタビュー>
 夕方 県費留学OBOG会=URIZUN会との会食(2回目)
     <大城カリナさとみ様、照屋ルジア美雪様、他>

6日目(2018.03.25(日))
 午前・午後 サントス市見学(サンパウロ市の外港で、移民が最初に上陸した地である)
       サンビテンセ市見学(那覇市姉妹都市)
 夕方 フェアウェル交流会

7日目(2018.03.26(月))
 午前 荷造り
 午後 ブラジル沖縄県人会館表敬訪問
    沖縄県ブラジル事務所設置プロジェクトに関する意見交換
 夕方 移動(空港へ)、ブラジルのFantastic Fourによるお見送りに感謝!

[→2018.03.28(水)帰沖] 沖縄ブラジル協会会長:西原篤一様によるお出迎えに感謝感激。


【ご挨拶】
ブラジル沖縄県人会の皆々様、沖縄ブラジル協会の皆々様には筆舌に尽くし難いほど大変大変お世話になりました!ブラジルの地でユイマール精神の真髄を感じました!心より御礼を申し上げます!


【調査参加者コメント】
●ブラジルにおけるウチナーンチュは実にしなやかかつ力強い存在でした。その理由は、ブラジル移民後110年の歴史の中で、個人レベルにおいても社会レベルにおいてもブラジルにおけるウチナーンチュが精神的かつ経済的な脱植民地化を達成しているところにあることが、現地調査を通して随所で見受けられました。ウチナーのウチナーンチュがそこから学ぶべきことは実に多い!また、本学が今後ブラジルにおける大学と協定を結ぶことにより、本学学生そして教職員が現地で多くを学べる大きな可能性を感じました。 (友知政樹所員)

●母県・沖縄よりもウチナーンチュ意識が深いのが、ブラジル沖縄県人会の特徴である。県人会組織の充実、施設の充実、二世、三世、四世への「ウチナーンチュ意識」の伝承の充実、そして経済界での沖縄系経済人の活躍には、目を見張るものがあり、ブラジルは今後最も注目すべき地域であることを確認できたのは、大きな成果である。特に、経済人からの母県沖縄との経済交流や経済連携に対する積極的な姿勢、発言に調査プロジェクトしても一定の貢献をしていくべき時期にあることを痛感した。今年が移民110年の大きな節目にあり、要望のあった沖縄県ブラジル事務所の設置について、調査プロジェクトの一環として今夏をめどに一定の方向性を導きだしたい。(前泊博盛所員)

●南米調査で、私の関心ことはブラジルのバイオエタノールの利用状況である。ブラジルのエタノールは主にサトウキビから生産されたものであるが、サトウキビ生産が世界最大である。2014年736百万トン、2015年には749百万トンで前年度に比べて増加している(IBGE, Anuário estatístico do Brasil 2016より)。 ブラジル政府は、砂糖とバイオエタノールの需給動向等を勘案し、ガソリンへのバイオエタノール混合割合を設定している。現在、100%のガソリンはなく、法律で最低でも自動車の燃料には27%のエタノールを混ぜなければならないと定まれている(現地の聞き取り調査により)。 ガソリンスタンドをみると、バイオエタノール100%ガソリンと、バイオエタノール27%混合ガソリンが書かれている。2018年3月現在ガソリンスタンドの状況をみると、エタノールが1リートル当たり2,69レアル(約86円)、ガソリンが3,79レアル(約122円)でエタノールの価格がガソリンに比べて約70%安いことが確認できる。サトウキビによるエタノール生産・利用はブラジル資源の効率的な活用とも言える。ブラジルのこのような政策は、沖縄の基幹産業でもあるサトウキビの活用を模索するのに大いに役立てると考えている。(呉錫畢所員)

●今回の調査で私は、経済学、環境政策の調査と、琉球芸能の調査を同時に行いました。環境政策について、ブラジルではサトウキビ等から精製したバイオエタノールを加えたガソリン燃料が普及しており、エネルギー関係の会社にお勤めだった島袋栄喜会長はじめ沖縄県人会の方々に詳しくお話を聞くことができて大変勉強になりました。また、ブラジル社会において、多数のうちなーんちゅが産業界などで活躍されており素晴らしいと思いました。 琉球芸能について、沖縄県人会では琉球芸能公演やエイサーなどが大変盛んに行われており、その枠は沖縄県人会にとどまらず、日系社会全体にも広がりを見せ、とても誇り高いものでした。伝統芸能の保存継承と発展については、沖縄とブラジルは最長の位置にありますが、それらを感じさせないほどの大変な努力と練習量、力強さを感じました。琉球の伝統芸能を担う一人として、世界中に琉球音楽、文化が広がりを見せていることに、大変嬉しく思い、感謝の気持ちでいっぱいになりました。本調査でお世話になりました皆々様、本当にありがとうございました。(比屋根良直支援助手(当時)(現在は特別研究員))


【調査風景】

ブラジル沖縄県人会館にて(2018.03.20)


琉球古典芸能野村流音楽協会演奏会
(進行:知念直義さん)(2018.03.20)


サンパウロ大学経済学部図書館前にて(2018.03.21)


ブラジル日本文化福祉協会にて(2018.03.22)


大企業COFEMA会議室にて(2018.03.23)


ブラジル沖縄文化センターにて(2018.03.24


ブラジル沖縄文化センターにて(2018.03.24)


サンパウロのガソリンスタンド。
エタノール:2.69レアル(約86円)
ガソリン:3,79レアル(22円)(2018.3.24)


サントス市のカフェにて(2018.03.25)


グアルーリョス国際空港到着にて。  
ブラジルのFantastic Four の面々。
本当に大変お世話になりました。(2018.03.26)




《お問い合わせ》
 沖縄経済環境研究所
 研究支援助手 大城
 TEL:098-893-7967(内線6120)
 FAX:098-893-8937
 E-MAIL:leechr@okiu.ac.jp