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【南島研】第217回 シマ研究会(オンライン)を開催しました

南島研
南島文化研究所は、第217回 シマ研究会をオンラインで開催しました。
県内、県外からオンラインにて多くの方々にご参加いただきました。

【第217回 シマ研究会】

■テーマ:
「琉球伝統文化継承論序説」

■報告者
狩俣 恵一(南島文化研究所 特別研究員、沖縄国際大学 名誉教授)

■コメンテーター
田場 裕規(南島文化研究所 所員)

■司会
岩田 直子(南島文化研究所 所長)

■報告概要
首里城の大龍柱の向きについて、相対か正面かで議論が行われたが、首里城復元に向けた技術検討委員会の「相対」とする暫定案は、議論が熟しない生煮え状態である。地元新聞も「大龍柱の向き謎のまま」「首里城着工迫り暫定案」「県民との議論求める声も」などと報じている。
2019年の組踊上演300周年記念公演では、1719年の御冠船踊の舞台を復元したが、「老人老女」「入子躍」は、300年前の記録には存在しない演目名である。「執心鐘入」では、鐘の吊るし方や当時の演出に関心が集まるだろうと予想したが、組踊ではなく、仕掛け花火の復元に熱心であった。そもそも300年前の御冠船踊は夜ではなく、昼間に上演されたが、それも問題にはならなかった。
また、しまくとぅばの継承は、調査報告書が示すように困難な状況にあると思われるが、その問題を提起し検討することはいつ行われるのだろうか。
これら有形・無形の沖縄の文化財の復元や継承が困難な状況に陥るのはなぜだろうか。本講座では、琉球の伝統文化継承の現実と継承のあり方について若干の検討を試みることとする。


写真1:狩俣 恵一 氏(南島文化研究所 特別研究員、沖縄国際大学 名誉教授)


写真2:田場 裕規(南島文化研究所 所員)


写真3:岩田 直子(南島文化研究所 所長)


写真4:オンライン開催の様子

《参加者の感想》アンケートより一部抜粋 
・伝統文化についての考えを聞く場所をありがとうございました。このような取り組みが県内で増えるともっと豊かになると感じました。感謝申し上げます。
・なぜ古典芸能において型が重んじられるのか、また型を身につけた先でどのように技能を発展させるのか、本土と沖縄の踊りの違いが理解できました。
・琉球王国期と現在における継承のあり方と、その実態の解明が重要な課題であると改めて認識しました。