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【経環研】 第4回メキシコ学術調査を無事に終えました。

経環研
【研究題目】
  中南米におけるウチナーンチュ社会から考える経済、環境問題を含む沖縄のあるべき将来に関する総合調査

【研究目的】
  経済、環境問題を含む沖縄のあるべき将来像を中南米におけるウチナーンチュ社会から還元的に考える。

【参加メンバー・関心領域】
  友知 政樹  所長  (経済学部教授) <沖縄経済学、沖縄の自己決定権>
  島 袋 桂  所員  (産業情報学部講師) <ヘルスプロモーション、幼児教育、健康心理学、動作法>

【調査地】
  メキシコ(メキシコシティ)

【調査日程】
  ■島袋桂所員 :2023.02.12(日)~ 2023.02.18(日)
  ■友知政樹所長:2023.02.14(火)~ 2023.02.21(火)

・ 2月12日(日) 移動 那覇→メキシコ (島袋桂所員)
・ 2月13日(月) メキシコ国立自治大学(UNAM)視察調査 (島袋桂所員)
・ 2月14日(火) 移動 那覇→メキシコ (友知政樹所長)
・ 2月14日(火) メキシコにおける公衆衛生関連政策に関する情報収集 (島袋桂所員)
・ 2月15日(水) 在メキシコ沖縄県人会訪問・調査
・ 2月16日(木) 日墨協会訪問・調査
・ 2月17日(金) 在メキシコ沖縄県人関係者インタビュー
・ 2月17日(金) 移動 メキシコ→那覇 (島袋桂所員)
・ 2月18日(土) 在メキシコ沖縄県人関係者インタビュー、在メキシコ空手関係者インタビュー   
・ 2月19日(日) 在メキシコ空手関係者インタビュー
・ 2月20日(月)および21日(火) 移動 メキシコ→那覇(乗継便トラブルにより22日(水)帰着)(友知政樹所長)


【ご挨拶】
この度の調査では、メキシコ沖縄県人会の皆様、在メキシコ空手関係者、その他多くの関係者の皆さまに大変お世話になりました!世界のウチナーンチュの温かいチムグクルに触れることができました!心より感謝いたします!いっぺーにふぇーでーびる! Muchas Gracias!

【調査参加者コメント】
●上記の研究課題のもと、これまでの調査地であるブラジル、アルゼンチン、ペルー、ボリビアに続きメキシコのウチナーンチュ社会の現地調査を行いました。メキシコ沖縄県人会を中心に、メキシコにおける空手関係者にはインタビュー、専門知識のご提供、現地通訳ならびにアテンドなどで筆舌に尽くしがたいほど大変お世話になりました。
 メキシコにおけるウチナーンチュのアイデンティティには確固たる強さを感じました。現地ウチナーンチュの経済活動に関してはWUB(Worldwide Uchinanchu Business Network)との強いつながりを確認することができ、今後のWUBに関する調査・研究の必要性を強く感じました。さらに、沖縄の若者を現地に留学させるプログラムの必要性についても強く感じました。また、琉球伝統空手がメキシコにおいて広くかつ深く浸透していることも確認でき、琉球伝統空手を文化交流ならびに経済活動の視点から調査・研究の必要性を強く感じました。
 現地で大変お世話になりました大兼久さま(メキシコ沖縄県人会会長)、山入端さま(メキシコ沖縄県人会)、古波蔵さま(メキシコ沖縄県人会)、山川さま(メキシコ沖縄県人会)、ギジェルモ・デラローサさま(空手家)、ほか多くの皆様に心より御礼を申し上げたい次第です。(友知政樹 所長)


●研究課題に基づき、メキシコにて視察調査およびインタビューを行いました。現地視察では、メキシコの公衆衛生にかかる活動を中心に視察を行いました。メキシコは、社会経済的な格差が大きく、その影響もあり肥満率が世界的にみても高いなど保健分野で大きな課題を抱えています。そのような中で、国をあげてヘルスプロモーションに積極的に取り組んでいるようです。身体活動の増加のために、自転車専用道路を整備し、メキシコシティのいたるところに携帯アプリを活用したサブスクのレンタル自転車を配置していました。私が留学していた15年前には自転車は全く走っていなかったのですが、現在は多くの人が通勤などで積極的に活用している姿が見られました。その他、砂糖や脂質の多い食品に対する注意喚起表示やそのような食品にキャラクターロゴの使用禁止の措置、お酒などの嗜好品の増税など、個人の努力のみに頼るのではなく、自然に健康行動をとるような仕組みの構築に力を入れていました。
 メキシコ沖縄県人会の方々には現地通訳やアテンドだけでなく、インタビュー調査も快く引き受けてくださり、沖縄料理の継承についての話や、旧盆など沖縄独自の行事の際の食事などについても貴重なお話を聞くことができました。他にも印象的だったのは、現地のウチナーンチュ同士の支え合いのネットワークがあり、その中でユイマールの文脈が沖縄よりも残っており、メキシコのウチナーンチュが高いソーシャルキャピタルを有している可能性については今後細かく検証する価値があると思います。
 最後に、メキシコ国立自治大学(UNAM)での視察は、コロナ前の大学の活気をすでに取り戻していることや、いたるところで学生と教員がディスカッションをしている姿が見られ、自治を重視している大学らしい自由な雰囲気が感じられました。(島袋桂所員)



【調査風景スナップ写真】
◆メキシコ◆

お世話になったメキシコ沖縄県人会の面々と一緒のスナップ写真(メキシコ国立人類学博物館にて)。


お世話になったメキシコ沖縄県人会の面々がメキシコにおけるユイマールについて熱く語る。
 

メキシコにおけるウチナーンチュがオーナーのレストラン(さんご)にて。

 
ラテンアメリカ最大規模の大学であるメキシコ国立自治大学(UNAM)の図書館(2007年に世界遺産に指定された「メキシコ国立自治大学の大学都市の中央キャンパス」の一部)。


メキシコ国立自治大学(UNAM)における学生たちの様子。


メキシコ沖縄県人会にご案内いただいたメキシコの世界遺産テオティワカンの巨大ピラミッド(太陽のピラミッド)。


メキシコにおける空手稽古の風景。非常に熱心で、極めてハイレベル。


メキシコで有名なパン「BIMBO」のパッケージ。


メキシコの自転車専用道路。

《お問い合わせ》
  沖縄経済環境研究所
  研究支援助手 玉城
  TEL:098-892-1111(内線6207)
  FAX:098-893-8937
  E-MAIL:leechr@okiu.ac.jp