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本学名誉教授の石原昌家先生が第59回琉球新報賞(社会・教育功労)を受賞!

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9月15日(金)本学名誉教授の石原昌家先生が第59回琉球新報賞(社会・教育功労)を受賞され、贈呈式が那覇市内のホテルで執り行われました。

石原先生は、長年にわたり沖縄戦の体験者から聞き取り調査を行ったり、また県史や市町村史の編さんに携わられるなどその功績が評価され、今回の受賞となりました。
石原先生から受賞の喜びと在学生に向けたメッセージを頂きました。

受賞の喜び -これまで協力いただたみなさまへ―
 琉球新報賞は、大学の関係者では、学長・総長経験者しか受賞していない、非常に格式高い賞です。
 このたび、その栄えある琉球新報賞が、社会教育功労として、私に授与されることになりました。それは、地獄の戦場を生き延びてきたかたがた、戦争体験を記録・研究したり、その体験の継承に尽力されているかたがた、みなさまの代理人・代弁者として、私がありがたく、受け賜わることに致しました。ですから、9月2日に受賞の記事をよんだという88歳の女性が、涙ながらに喜んでくださいましたし、さらに、9月7に、受賞者の紹介記事を読んだという85歳の男性が、「シタイヒャー・ヤッター」と、たいそう喜んで下さいました。お二人とも、九死に一生を得た体験を、将来世代に伝えるために、自費で自分史を出版されたかたがたですので、私はみなさんのご苦労に報いる賞ですよと、お二人に伝えました。
 さまざまな戦争体験をふまえて、琉球新報で、記者さんたちと五か年三か月もの間、共同作業で文化欄に連載してまいりました。それは、いま、戦争を企んでいる人たちにあらがう、平和の手段として、Basic沖縄戦「沈黙に向き合う」というタイトルで、書店に並びました。私の息子に言わすと、受賞の言葉にまで、自分の本の宣伝をして、おまけに、完読するようにとまで述べていると、呆れています。しかし、私は、それは皆さんとの共同著作物であり、私個人の本だという意識を持っておりません。しかし、つい5日前、沖縄国際大学の佐藤学先生が、琉球新報の読書欄でその本を取り上げて下さいました。その内容を読むと、琉球新報賞に値するものだと、社会的評価を与えられたものとうけとめ、本日、喜んで賞状をお受けできる心境にさせて下さいました。
 本日は、みなさま、誠にありがとうございます。


-沖国大で学ぶ若い世代のみなさまへ-
 私は、1970年4月から2017年3月まで、学生と共に学びつつ教育・研究に明け暮れてきました。その間、いまや国連で部下60名のトップに立つ新垣尚子さんには、「フィールドワークでゼミ生が頑張れば頑張るほど、先生が社会的評価をうけるんだよね」、と言われました。「その通りだよ、あなた方も頑張った分、先生よりも社会的評価を得られるようになるよ」、と応じました。
 沖縄国際大学の学生(他大学の学生も同じでしょうが)さんには、無限の可能性があります。全学科学生が受講する共通科目が最後の講義(大学院は除く)となりましたが、たった2単位の講義科目にもかかわらず、テキストを「まえがき」から「あとがき」までも各章ごと、毎週レポートを課したところ、一章の一回のレポートに、A4用紙20枚(400字原稿60枚分)をパソコンに打ち込んで提出した学生もいました。ぼくの大学時代を思うと、とてつもない分量でした。そして2012年2月、最終回のレポートを読み進めていたら、初めて涙が止まらないほど感動的感想文が多数含まれていました。学部学科の区別なく、二十歳前後の若者たちの感性の豊かさのつまったレポートを頂きました。以後、「今の学生は頼もしい」というのが口癖です。
 これから先、大量のレポートを読み返すことを楽しみにしています。

第59回琉球新報賞社会・教育功労を受賞された本学名誉教授の石原昌家先生
第59回琉球新報賞で受賞者挨拶を行う本学名誉教授の石原昌家先生
第59回琉球新報賞の賞状と記念品

石原先生、琉球新報賞受賞、誠におめでとうございます。