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【産業研】令和6年度 第8回研究会「イギリス農村部グリーンツーリズムによる経営多角化の事例から学べることは何か?」を開催いたしました

産業研
沖縄国際大学産業総合研究所では、2024(令和6)年度 第8回研究会を下記のとおり開催いたしました。

テーマ:「イギリス農村部グリーンツーリズムによる経営多角化の事例から学べることは何か?」

■講 師:    糸数 淳子 氏 < NPO法人沖縄語学センター 地域振興人材育成事業部 センター長 > 

日 時:  2024年11月13日(水)16:20~17:50

場 所:  沖縄国際大学13号館309号室

参加人数: 32名( 対面/Zoom)

■報告概要

持続可能なツーリズムへの転換の要請が高まる中、地域主導型のニッチ(隙間)ツーリズムが話題となった。ニッチ・ツーリズムは、都市部や開発の進んだ観光地から離れた地域(農村や島嶼地域)などで多くみられる課題(過疎、職場不足、伝統文化行事の後継者不足、地域との関わりの減少、コミュティー力の減少、人口減少、等)を克服する手段として、地域主導で取り組まれている事例が多い。そんな中、イギリスの農村が官民一体で取り組んだグリーンツーリズムの事例をいくつか紹介いただいた。
イギリスでは、グリーンツーリズム収入の観光収入全体に占める割合が比較的大きく、農家の経営多角化への貢献の実績も国内で高く評価されていた事から、2014年にイギリスの農村で、グリーンツーリズムへの取り組みに関する調査を行い、沖縄県内の観光従事者向けセミナー等で発表を行った。
トークでは、イギリスの農村がグリーンツーリズムへの取り組みの中で確立した「スマートな仕組み」が、その後どのように発展したかupdateを試みた。又、イギリスの女性経営者で、農家の経営多角化により「偶然」達成できた、「生活の質の向上の実感」に関する興味深いストーリーとその後について紹介いただいた。






【写真1】集合写真

   
■司会:上原彰公 ■所員:曹真 ■副所長:髭白晃宜 ■講師:糸数淳子 ■名誉教授(特別研究員):砂川徹夫 ■所長:原田優也         







 【写真2】講師:糸数 淳子 先生

                   



 




 【写真3・4・5・6・7・8・9・10・11】研究会の様子
 
         




































■【参加者からの感想】


●今回参加して、小さい頃から馴染みのあるヒツジノショーンのアニメがイギリスの牧場が舞台になっていることが驚きました。
イギリスの牧場に一度は行ってみたいと思いました。
料理も美味しそうで、楽しそうだと思いました。
実際に自然に触れ合うことで自然の良さを知ることができて移住してくる人も増えてくるのかなと思いました。
大学生の体験型があると面白そうだと思いました。【20代・学生】

●農業体験をメインにしたアクティビティがある事を知れ面白かった。農業体験に興味を持ち楽しく学べる機会があることで、次世代に伝統を引き継ぐきっかけになると感じた。日本だと農業体験はインパクトが弱いように感じ集客できるのか難しく感じたが、イギリスのように農業以外のコンテンツを取り入れながら発信できれば、国内国外からも興味を持ってもらえると思う。イギリスは、農業が珍しいから人気があるのか、イギリスの農業体験が定番の観光として人気なのか、なぜ安定して利益を出せているのか気になる。国がこれ程まで費用を支援してくれるのがすごい良い制度だと感じた。【10代・学生】

●グリーンツーリズムについてあまり知る機会がなかったのですが、今回の研究会で知ることができてとても良い知識になりました。グリーンツーリズムは、自然環境に特化していて、羊のショーンで出てくるような牧場が実際に見ることができたりするので面白いなと感じました。また、スライドではグリーンツーリズムの問題点だったりそれぞれの項目ごとに簡潔にまとまっていたためグリーンツーリズムについて理解を深めることが出来ました。【20代・学生】

●イギリス農村部のグリーンツーリズムは、農業以外の収益源を生み出し地域活性化に貢献していることを知りました。観光と農業が地域の魅力を活性化させており、日本の農村部の参考にもなると感じました。【20代・学生】

●今日初めて「ファームステイ」というものがあると知りました。ファームステイは農業を体験し、自然豊かなハウスに泊まることができるので、非常に興味深いサービスだと思いました。最近は都市化しており、滅多に自然を感じることができなくなってしまったので、このサービスは日本でも発展していくのではないかと感じました。【10代・学生】

●今までの旅行ではテーマパークなどの人工的な観光地に行くことが多かったが、イギリスの民泊で環境に関する学びだったり自然アクティビティーといった目的の旅行に感じて興味が沸いた。人生で一度は経験してみたいと感じた。【20代・学生】

●ひつじのショーンはよく見ていたが、イギリスのアニメなのは知らなかったので知ることができて良かったです。今まで旅行に行くとなると、テーマパークなどの人工的な観光地を中心に行くことが多かったが、イギリスの民泊のアクティビティーや農業体験、環境に関する学びなど新しい観光目的も知ることができた。【20代・学生】

●ファームステイという単語は今日初めて知った。
日本国内の農家も最近経営が苦しいというニュースを聞いていたので、イギリスのファームステイを元に不安定な農業収入解消に繋がると思った。【20代・学生】

●農村の経営の具体的状況について、説明して欲しい。【60代・一般】

●興味深い内容でした。【70代~・一般】

●農産業の新たな可能性として、グリーンツーリズムを取り入れた経営多角化から、自分は、このグリーンツーリズムというものが発達すれば収入が安定しない農家たちの副収益として、農産業を活性化させることができると思う。
しかし、のこグリーンツーリズムは放牧などの広い土地などを持った外国では流行りそうであったが、日本のような土地が狭いとどうしても限界があるように感じた。【10代・学生】

●一つの事業にこだわらず、事業を多角化することで多くの収益が得られ、基本の事業にも還元できる点は農業以外にも当てはまると思うので、様々なことに取り組むことは非常に大事だと感じました。【10代・学生】

●UKグリーンツーリズムの成果について、女性の生活の質が向上することは素晴らしと思いました。特に、子育てとの両立ができるのは魅力的です。
このプロジェクトの問題点については、国の出費総額が164億ポンドと記されているので、出費を抑えなければならないと感じました。【20代・学生】

●グリーンツーリズムは耳にしたことがあったが、イギリスから始まった取り組みであることや、農村部における女性の地位向上、新たな雇用の創出につながっていることを学ぶことができた。
政府からのバックアップが強く広いPRや支援が手厚いことに加え、農業や環境への関心が強まっていることも成功要因の1つなのかなと思った。【20代・学生】

●グリーンツーリズムにおいて、宿泊者は新鮮な地元の食材を使用した朝食メニューを提供することにより、グリーンツーリズムを行う農家さんの食材の良さを知ってもらうことや、親しみを持ってもらうこともできるので、農家の方の食材の認知度や消費量(売上)につながると思いました。
多角化で経営リスク回避とありましたが、災害や天災が起きた際には、提供できる食材や宿泊者にお見せできる景色も限られてくるのではと感じ、高に楽しめる魅力のあるサービスが必要だと感じました。【10代・学生】

●イギリスでは限定地域だが農村民泊発展していて、進んでいるなと思いました。
行政によるタイムリーな支援などもあって、やりやすい環境なんだと関心した。
沖縄県でもやっているところはあるといいし、向いている環境だと思うので、かなり普及して発展していってほしいです。【20代・学生】




講師の糸数 淳子  先生、Zoom会場に来ていただいた皆様、長時間にわたって第8回研究会にお付き合いくださり、誠にありがとうございました。心から感謝を申し上げます。


《お問い合わせ》
沖縄国際大学 産業総合研究所 
TEL:(098)892-1111(内)6109 
FAX:(098)893-8937
E-mail:sanchr@okiu.ac.jp