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【産業研】2025年度勉強会「オーストラリアの先住民文化と先住民ビジネスの現状 〜沖縄琉球文化保全と産業振興への応用〜」を開催いたしました

産業研
沖縄国際大学産業総合研究所では、2025年度勉強会を下記のとおり開催いたしました。

テーマ: 「オーストラリアの先住民文化と先住民ビジネスの現状 〜沖縄琉球文化保全と産業振興への応用〜」

■講 師:  飯島 浩樹 氏 < ジャーナリスト・特別研究員 > 

日 時:  2025年11月10日(月)16:20~17:50

場 所:  沖縄国際大学13号館1階会議室

参加人数: 26名( 対面/Zoom)

■報告概要

近年、世界各地で「先住民ビジネス(Indigenous Business)」への注目が高まるなか、観光資源としての先住民文化の利用だけでなく、「自然との共生」「地域自立」「精神的価値の再生」を核にした新しい経済モデルも試みられている。
オーストラリアでは先住民アボリジナルが、自らの文化と土地を基盤に企業を設立し、観光・農業・教育・アートなどの分野で国全体の経済にも影響を与えるまでになっている。
一方、沖縄にも長い歴史をもつ琉球文化があり、「自然との調和」「祈り」「共同体の絆」という価値観は、これら先住民文化と多くの共通点を持っている。
このオーストラリアの先住民の歴史、文化を紹介し、現在行われている「先住民ビジネス」の例から、沖縄の文化をどのように活かし、新しい地域ビジネスモデルの創出が可能か考察を行った。







【写真1】集合写真

   
 ■司会:上原彰公  ■講師:飯島浩樹  ■副所長:髭白晃宜         







 【写真2】講師:飯島浩樹 先生

                   



 




 【写真3・4・5・6・7】研究会の様子
 
         




















■【参加者からの感想】


●先住民ビジネスについての具体的事例と沖縄への提言が心に残りました。ありがとうございました。【40代・一般】

●オーストラリアと沖縄が密接に関わっているということ。日本に関心が強いということが印象に残りました。【30代・一般】

●素晴らしいご講演をありがとうございました。
アボリジナルの文化について学ばせていただき、学びにつながりました。実際に、こうしたお言葉を聴くことで、沖縄にできることを考えさせられました。本当にありがとうございました。
方言+英語をしっかり学んで活かしていきます。 【30代・一般】

●アボリジナルの人々の文化や考え方から産業の事まで多分野で学ぶことができました。【30代・一般】

●Iオーストラリアは昔は、白豪主義など差別というものが、浸透していた中で、現在では、アボリジナルなどといった先住民族を慕うような現状に変わっていて、人々の頑張りや努力といったものが、歴史的背景に映し出されていて、考え深いものがあった。【10代・学生】

●白豪主義で昔は多くの差別を受けていたが、ルックノースという考え方から、リスペクトしていこうとなり、今ではアジアの一部と考えられ今では大切にされていると知り、興味を持ちました。【10代・学生】

●共生ができていること。【40代・一般】

●研究の報告を拝見し、植民者が被植民者の文化や資源を搾取する構造を深く考察していないと感じます。特に沖縄を単に「ローカル」と括る表現には、日本が沖縄に対して長年にわたり経済的・文化的搾取を続けてきた歴史的事実を軽視する危険性を強く感じます。文化保全と産業復興の両面において、被植民者の権利が搾取されることのない公正な取り組みが不可欠だということです。どちらかが犠牲になることなく、地域の文化的自立と経済的持続可能性が両立されるべきであり、そのためには真に被植民者の声を尊重した政策と研究が求められると思います。【40代・研究者】

●貴重な機会をありがとうございました。沖縄の歴史文化と産業振興について非常に参考になる内容でした。アボリジナルの歴史文化については映画「Rabbit-Proof Fence」で断片的に得た情報しか知らなかったので、もっと深く学びたいと思うようになりました。
古代に国家や国境の概念を持たずダイナミックに世界を移動していた海洋民族や神話がそのまま歴史に続いている世界観など、日本・沖縄とオーストラリアとの繋がりを紐解くことは、行き詰っている現代社会を新たな時代に導くきっかけになるような気がしました。
別の機会に飯島先生へ沖縄の伝統産業(工芸など)の将来性や可能性(オーストラリアへの海外展開など)についてもお伺いしてみたいと思いました。【40代・一般】

●感想です。最初に高市首相とアルバニージー首相との写真で良好な関係があり、そこからレアアースや日本食の話、その後にアボリジナルの方々の「お金よりも文化を優先した事例」や「文化保存と産業振興の設計」などの話がありました。AU先住民のビジネス経済規模は、1万3600社の1.6兆円市場にもなることやAU先住民のアートが高値で取引されていることを知り、とても驚きました。また、最近、先輩がオーストラリアへの留学から留学先のお友達と帰ってきた時に「沖縄のエイサーや文化が好き」という話もしたので、親近感を持ちながら話を聞くことができたので、楽しかったです。沖縄にも適応していける話もいくつか聞くことができたので、活用できる場面があれば、積極的に意識していきたいなと思いました。今日はお忙しい中、貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました。【20代・学生】

●アボリジナルの精神性を経済活動に活かすという点が印象に残りました。伝統の保存だけではジリ貧になり保存もままならないので、持続可能な活用と保存の両立を図る必要があるのは沖縄の自然文化精神性にとっても重要だと改めて実感しました。【40代・一般】


講師の飯島浩樹先生、対面・Zoom会場に来ていただいた皆様、長時間にわたって2025年度勉強会にお付き合いくださり、誠にありがとうございました。心から感謝を申し上げます。


《お問い合わせ》
沖縄国際大学 産業総合研究所 
TEL:(098)892-1111(内)6109 
FAX:(098)893-8937
E-mail:sanchr@okiu.ac.jp