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地域産業研究科

地域産業研究科

理念・目的

地域産業研究科地域産業専攻は、経済学及び商学の分野で斬新な環境を創造しうる企業者精神を磨くという理念を具体化するため、1998(平成10)年に開設されました。具体的には、地域社会で活躍しうる企業者、研究者や教育者などを養成するために、人材育成機能と研究機能を併せ持つ一つの拠点を形成し、①自らの専門性と複合知識を実社会において体現し地域産業振興の原動力となり得る高度の専門的職業人の養成と併せて②経済学・経営学・マーケティング・会計学・情報等の分野の有機的連携に基づく研究活動の一層の促進を設置の目的としています。従って、本研究科では、学際的なカリキュラムを通して、企業・行政等の実務現場でスペシャリストとしての役割を担える人材などを養成することを主たる教育研究の目標としています。

地域産業研究科がめざすもの

高度な専門的職業人の養成

本研究科では、今日の高度に情報化されたグローバル経済下で、商業、経済、経営、会計および情報といった各専門分野からの学際的な分析能力の育成を目指しており、その結果として皆様が将来、企業経営者や研究員、教員、公務員、税理士、中小企業診断士あるいは公認会計士など地域社会のスペシャリストとして、中核的な役割を担える専門的職業人の育成を目指します。

国際化への対応

今日の高度に情報化されたグローバル経済は混沌としてきており、もはや、地域社会のみで経済は語れなくなり、そこでは新たな経済理論が求められていると同時に、学際的な視野をもった企業者も必要とされています。とりわけ、沖縄県は島嶼地域なのであり、天然資源の乏しいなか、有能な企業者の育成が重要視され、日頃から自己の環境を最善なものへと作り替えていける判断能力を有する企業者の存在が地域経済発展のカギを握っています。そのような状況の中で本県は、その地理的条件や気候的・風土的特性から、主にアジア諸国との経済交流の基点として最適な場所と考えられ、そこでは高度な教育・研究を行う大学院もその中核的役割を果たすことが期待されています。

地域の地域産業研究科へのニーズ

現代資本主義経済における産業革命後の経済発展の中心地はイギリスからアメリカ、さらに今日では東アジアに移転してきております。その一つの要因として考えられるのは、絶えず発展途上の立場からキャッチアップする企業者精神の存在があり、そこでは常に有能なイノベーターとしての企業者の役割が不可欠であったことです。つまり、地域経済の発展には企業者としての人材育成が極めて重要であり、とりわけ、県内企業は多くが中小零細企業なので、脆弱な存立基盤を支えるためにも有能な企業者の存在が不可欠です。また、情報化や国際化など、企業を取り巻く環境の大きな変化に対処するためにも、経済学・経営学・マーケティング・会計学・情報等の専門知識を有し、広い視野を持って組織やプロジェクトの管理運営が行え、また、企画能力等に優れた企業者に対するニーズは今後ますます高まるものと考えられています。

研究科長メッセージ

グローバル化時代に活躍できる人材育成

「グローカル(Glocal)」という言葉があります。「グローバル(Global:地球的な規模の)」と「ローカル(Local:地域的な)」を合わせた造語です。その意味するところは、「地域性を考慮しながら、地球規模の視点で考え、行動すること(デジタル大辞泉)」です。
ここで「地域」という言葉を冠した本研究科の意義を考えてみましょう。戦後、わが国は東洋の奇跡と称される高度経済成長を遂げましたが、その施政権外に置かれていた沖縄にその成果が十分に配分されることはありませんでした。結果として、1972年の復帰時には所得、生活基盤、産業基盤など多くの分野において沖縄と本土との間に大きな格差が生じてしましました。その上、他府県と比較して沖縄は狭隘な県土面積、中央(市場)から地理的に遠いといった島嶼性から生じる諸問題に直面する条件不利地域でした。しかし、沖縄振興開発計画により格差是正が進み、他方でグローバリゼーションが進展していく中で、沖縄は経済成長の著しい東アジアにわが国で最も近い地域として、その優位性や潜在力が注目され始めました。
こうした時代背景の中で、地域産業研究科は1998年に開設されました。本研究科は情報化されたグローバル経済の下で、地域産業・経済発展の原動力となる専門的職業人の育成を目指しています。教育研究分野は、経営領域、産業情報領域、経済領域、沖縄・環境経済領域にわたり、教育課程は比較経営、マーケティング、地域発展、応用計量経済、環境経済、沖縄経済、産業組織、地域社会経済システムそして財政といった9つの専門科目域から構成されています。
また、幅広い専門知識を修得できるように主専攻と副専攻が設置されています。さらには、企業などに籍を置いたまま入学を希望する社会人に対して、入学後も学びやすいように教育プログラムを組んでいます。本研究科は創設から四半世紀が経過し、これまで大学教員、公務員、研究員、税理士、中小企業診断士など多くの修了生を輩出しました。
皆さんが地域産業研究科での研究活動を通じて課題発見能力と問題解決能力を鍛え、グローバルな視野を持ち、ローカル産業・経済における諸課題に対処できる「グローカルな人材」として活躍されることを心から祈念しています。

地域産業研究科 研究科長
仲地 健 Ken Nakachi

地域産業研究科 各専攻