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法律学専攻

法律学専攻の特徴

多様な教育法による法の実像への接近

 法学研究科においては、前期と後期のセメスター制を採用し、前期末に集中講義期間を設けています。実定法の教育においてはディベート、ケーススタディ、ソクラテスメソッドを採用しています。

法政策と法解釈の相互補完的研究の推進

 法学研究科においては、法の研究を、教育・研究の便宜上、法政策に関係の深い分野(公法・基礎法領域)と法解釈に関係の深い分野(民・刑事法領域)に大きく二分しています。

地域社会の法的諸問題の研究の支援

 沖縄においては、基地問題に直接・間接起因する法的諸問題のほか、独特の文化、歴史、社会構造のなかで育まれてきた地域の慣習が残存しています。地域社会のマクロからミクロに至るまでの様々な法的諸問題の研究推進のために、法学研究科は、学内研究所と協力しながら、相互の調査、研究、資料の収集・利用の拡大を目指しています。

実務と研究との有機的結合

 法学研究科では、実際の経験(現場教育On the Job Training)こそ最高の教育であるとの理念の下にインターンシップを開講しています。インターンシップにおいて、院生は、受け入れ先職場の責任者の指揮・監督に従い、調査・インタビュー等により収集した事実を基礎にして、実際の事例をどのように法的に解決すべきかについて法的判断を下す経験を積むことができます。

基礎となる学科・研究所

法学研究科は、法学部の法律学科、地域行政学科を基礎として設置されています。
法学部附置の沖縄法政研究所は、本研究科を支える重要な関連施設です。
基礎となる学科・研究所

教育課程の構成

公法・基礎法領域

公法・基礎法領域は、憲法、行政法、国際法等の実定法および法制史、法哲学の基礎法から構成されています。本領域では、国家と国民の関係を規律する公法のあり方、またこれら実定法の基礎となる法の思想的、歴史的、社会的前提について研究します。

民・刑事法領域

 民・刑事法領域は、民法、商法、刑法等の実体法および民事訴訟法、刑事訴訟法の手続法から構成されています。本領域では、現行法を具体的な事例に適用して司法的解決を図るために、法令の解釈についてわが国内外の判例・学説と比較しつつ、体系的に研究します。

専攻内容(授業科目)

領域授業科目
公法・基礎法領域■公法特殊研究Ⅰ・Ⅱ
■憲法特論Ⅰ・Ⅱ
■行政法特論Ⅰ・Ⅱ
■基礎法特殊研究Ⅰ・Ⅱ
■法哲学特論Ⅰ・Ⅱ
■税法特殊研究Ⅰ・Ⅱ
■税法特論Ⅰ・Ⅱ
■国際法特論Ⅰ・Ⅱ
■国際法特殊研究Ⅰ・Ⅱ
民・刑事法領域■刑事法特殊研究Ⅰ・Ⅱ
■刑法特論Ⅰ・Ⅱ
■民事法特殊研究Ⅰ・Ⅱ
■商法特論Ⅰ・Ⅱ
■民事訴訟法特論Ⅰ・Ⅱ
■刑事政策特論Ⅰ・Ⅱ
■民法特論Ⅰ・Ⅱ
■家族法特論Ⅰ・Ⅱ
■国際私法特殊研究Ⅰ・Ⅱ
■国際私法特論Ⅰ・Ⅱ
■労働法特殊研究Ⅰ・Ⅱ
■労働法特論Ⅰ・Ⅱ
各領域共通■法律学特論Ⅰ(総合法律学Ⅰ) 
■法律学特論Ⅱ(総合法律学Ⅱ)
■法律学特論Ⅲ(インターンシップ)
■法律学特論Ⅳ(税法Ⅰ) 
■法律学特論Ⅴ(税法Ⅱ) 


修了後の進路

・教育現場の管理職
・行政の企画・立案調整・評価
・民間企業の法務
・他大学博士課程進学
・上級免許取得
・有識者の再教育
・交流・文化事業企画
・生涯学習

院生からのメッセージ

法律学専攻 公法・基礎法領域

私は現在、税理士法人に勤務しながら税理士資格取得を目指しております。
仕事では、お客様の会計・税務周りの疑問、質問に対し真摯に向き合い、最適な方法をご提案することをモットーに日々奮闘しております。その業務の中で、考えをまとめる際に条文を読むことや専門書を活用し、他の税法との関連性を調べることが多く、場合によっては最高裁判決での判断をもとに回答をする機会があります。そのように日々法律(通達も含む。)に触れる中で、もっと上手に法律を解釈し、業務に活用できたらと思い、本大学院への進学を決意しました。
本大学院の良さは、クラスが少人数制という点にあります。授業では対話を通して自分の考えを共有する機会が多く、どうすれば専門性の高い話題を伝わりやすくなるかを常に意識して発表したり、また教授の熱心な解説やフォロー及びクラスメイトの違った着眼点からの考えを聞くことで、新しい発見につながり、常に成長を感じれることが一番の魅力です。
大学院終了後は、本大学院で学んだ法律の解釈の仕方や問題へのアプローチの方法を実務でも活かし、法律を最大限に活用し最善の提案のできる税理士として、社会に貢献していこうと考えております。

山城 和之
山城 和之

法律学専攻 公法・基礎法領域

私は現在、税理士資格の取得を目指しており、税理士試験の科目免除を受けるため、大学院への進学を決めました。
本専攻の授業は、夜間に行われるため、税理士事務所に勤務している私も、仕事と学業を両立することができています。授業内容については、少人数で行わるため、自分の考えを述べる機会が多いです。相手に伝わるように、工夫して発言ができるということは、大学院の授業だけでなく、仕事でも大きな武器になると感じています。また、本専攻に進学している方は、大半が税理士志望であり、税理士事務所に長年勤務している方も多いです。そのため、学業面だけでなく、仕事面についても相談し、アドバイスを頂くことができます。同じ目標に向かう仲間と出会うことができるのも、大学院の大きな魅力だと考えていま
すし、私自身、本大学院に進学して本当に良かったと感じています。
大学院修了後は、本学で学んだことを活かし、税法だけの知識だけでなく、他の法律にも知識がある税理士を目指していきたいです。

名嘉眞 和己
名嘉眞 和己

2021年度修了生 修士論文テーマ一覧

●差押禁止債権が預金債権に転化した場合の滞納処分による差押えについての一考察
●競馬の払戻金に係る所得の区分に関する一考察 - 一時所得の非継続要件のうち営利目的該当性の解釈を中心に -
●相続税法における財産評価と救済方法に関する諸問題について
●法人税132条適用に係る一考察 ~国際的租税回避事案を題材に~