大学院地域文化研究科では、南島文化、英米言語文化、人間福祉(社会福祉学領域・臨床心理学領域)のそれぞれの専攻において、専門的・体系的な教育・研究活動を展開しています。教育研究の主な対象は、地域の文化・生活・社会問題等ですが、沖縄や日本だけではなく、周辺の諸地域にも研究領域は広がっています。南島文化に関する研究はアジアとの交流を推進し、英米言語文化研究は欧米諸国との国際研究へ、また、人間福祉領域は福祉先進国との比較研究にも意欲的に取り組んでいます。
大学院の大きな目標は修士論文の作成にあります。研究に求められるのは独自性と先取性(プライオリティ)ですが、突き詰めれば、「答えがない問題」を考えること、その問題に対処する新しい思考や方法を見つけ出すことだと思います。そのためには、自分のテーマだけではなく、幅広いジャンルや知識に目を配ることが大切です。
たとえば、環境や基地の問題を考えるには、理科系の知識だけでなく、社会、政治、経済、歴史、文化などの文系の知識が必要です。高齢化の問題には、心理、社会福祉をはじめ、様々な分野の知識が必要になるでしょう。世界中の文学を読めば、異なる歴史や文化的背景をもつ他者の感じ方、多様なものの見方を理解する手がかりになります。
また、大学院は研究者同士の人的交流の場でもあります。専門領域はもちろん、他の領域の教員、研究仲間との交流は自己の視野を広げ、貴重な「気づき」や新しい視点を生んだり、横断的な研究に繋がっていくことでしょう。
本研究科では、院生と教職員が一体となって、教育・研究・実践活動に取り組み、高度な専門性を持った人材を育成し、地域社会に貢献していきたいと考えています。はじめから立派な研究ができる人はいません。私たち教員は、テーマ選定から、情報にたどりつく方法、論文の組み立て、書く方法までを助言し、ていねいにサポートしていきます。ともに学び、研鑽していきましょう。
地域文化研究科 研究科長
黒澤 亜里子 Ariko Kurosawa