文字サイズ

地域文化研究科

地域文化研究科

理念・目的

地域文化研究科は、南島文化専攻、英米言語文化専攻、人間福祉専攻の3つの専攻から構成され、複雑化する地域社会や国際社会の諸問題を適切に分析し、解決する能力を持った高度な専門的職業人の養成を目指しています。
また、再教育・生涯学習の場として、専門職従事者には系統的な学習の機会を提供し、生涯を通して自己錬磨し、自己形成を目指す人々のニーズに応えるとともに、その成果を十分に生かすことのできる社会の実現を図りたいと考えています。
特定の地域文化についての研究は、他の地域文化との比較へと広がりを見せます。広い視野で物事を見つめることは、自他を客観的にとらえ、価値観や立場の異なる者への理解を深めることにつながっていきます。
多文化・多言語が共存し、価値観が多様化した社会にあって、自他の地域文化への知識と理解を基盤とした研究は、地域社会の未来の創出に大いに寄与するものと思います。

地域文化研究科がめざすもの

高度な専門的職業人の養成

現代社会が直面する諸問題の解決には、大学の学部教育だけでは十分対応できません。高度な専門知識・技術の修得が不可欠です。
本研究科では、学部で培った知識・技術を一層高め、社会の要請に積極的に対応しながら、教育、文化、行政、民間の各機関で活躍し、国際感覚を持って今後の社会発展に貢献できるような、高度な専門的職業人を養成していくことをねらいとしています。
また、より専門的・指導的な職務に対応できる資格(中高教諭専修免許や、公認心理師・臨床心理士受験資格など)を取得するための系統的な教育、研究、実践の場を提供します。

生涯学習時代における学習機会の提供

いま人々は、自己の充実・啓発や生活の向上のため、適切かつ豊かな学習の機会を求めています。生涯にわたって学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現を図ることは大学の使命でもあります。
専門職従事者には系統的な学習の機会を提供し、また、地域に根ざした文化へ興味を持ち研究を進めたいと希望する者には学びの場を開きながら、一人ひとりが充実した人生を送るための多様なニーズに本研究科は応えていきます。

文化事業推進のための人材育成と地域活性化

本研究科の教員は、学識経験者として文化教育事業に積極的に関わり、また、修了生も各地域の文化教育事業に多数従事するなど、地域の文化事業の推進と、人材育成に深くかかわってきました。
本研究科では、これまでの実績を踏まえ、地域振興に貢献できる専門家を養成し、文化教育事業を通して地域の活性化を推進したいと思います。

地域研究の推進

本研究科は、生活の土台である地域に根ざした研究・教育を重視しています。それぞれの専攻の理念を実現するために、南島地域文化、英米言語文化、社会福祉や臨床心理の研究を一層推進しています。また、今後の地域発展に貢献するためにも、様々な課題に取り組んでいきます。

教育研究の国際化

南島地域研究は東アジア、東南アジアとの交流を推進します。また、英米言語文化の研究は、英米を中心とした欧米諸国との交流にとどまらず、広く英語圏諸国との国際研究へとつながります。加えて日本語教育学分野の研究も盛んになってきており、日本語教育の現場で働いている方が在籍し、現場と日本語教育学分野が院生を介して教育研究の広がりをみせています。人間福祉専攻の研究においても、諸外国の福祉現状の比較研究にも発展しています。
また、本研究科では、年ごとに国際交流を拡大してきました。本学姉妹校がある韓国、台湾、中国、フランス、オーストラリア等の諸外国の大学からも、大学院生の交流希望が寄せられています。
本研究科は、多様な文化や背景を持つ者がともに学び、国際的な視点で課題に取り組み、新たな知的発見を見出せるような教育研究の国際化推進のために、一層努力していきたいと考えています。

研究科長メッセージ

先行き不透明な時代だから人間・社会・文化のあり方を探究する

地域文化研究科は1997(平成9)年に南島文化専攻、1999(平成11)年には英米言語文化専攻、そして2003(平成15)年には人間福祉専攻が開設され、3 専攻課程によって構成され、複雑化する地域社会や国際社会の諸問題を適切に分析し、解決する能力を持った高度な専門的職業人の養成を目指しています。地域文化研究科の修了生は、高度専門職業人や研究者として県内外で活躍してくれています。

本研究科では、多様な科目によって構成されるカリキュラムを編成しており、自らの専門領域のみならず、関連する他の専攻や領域の科目、また所定の手続きを経たうえで他大学大学院の科目も履修することができます。さらに、修士論文作成に向けては、指導教員によるきめ細やかな研究指導をおこないます。地域文化研究科の教員は、各自の研究活動で得られた経験と知見に基づき、皆さんの学びを支援していきます。

現代社会は変化が激しく、複雑さと不透明感をますます強めています。加えてAIをはじめとする技術の急速な進化は、社会と人間との関係を大きく変えるものと考えられています。しかし、社会を構成するのが個々の人間であるという事実は不動のものであり、人間がよりよく生きていくために、人間のあり方、人間が生み出した社会や文化のあり方を理解することは、これまで以上に重要になっていると考えます。

大学院での研究は、自らの問いに対して、さまざまな根拠や資料に基づき理論的に考察し、結論を得て、その結論の合理性・正当性を他者との議論を通じて高めていく作業です。多様な価値観を有する、多様な人間が自らの理性を働かせることで結論を得ていくこうした研究活動を通じて得られる結論に、唯一絶対の正解は存在しません。そこには無限の可能性が広がっています。こうした可能性に満ちた知的世界を、皆さんと一緒に共有できることを楽しみにしています。