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この授業は、「平和とは何か?」という問いを、沖縄の現状を出発点にしながら考えていきます。沖縄は、戦争の記憶や米軍基地の問題など、今もさまざまな課題を抱えています。そうした現実に目を向けながら、「平和学」という学問の入り口を学んでいきます。講義ではまず、「戦争と国家」というテーマを通して、世界の歴史の中で戦争がどのように起こり、どんな影響を与えてきたのかを見ていきます。そして、目に見える戦争や暴力だけでなく、貧困や差別など、日常の中にひそむ「構造的暴力」にも注目します。これは、社会の仕組みや制度の中にある不平等や不正義のことを指します。「平和」と聞くと、戦争がない状態を思い浮かべるかもしれませんが、それだけではありません。人びとが安心して暮らせること、差別や暴力におびえずに生きられることも、平和の大切な一部です。この講義では、そうした広い意味での平和を学び、身近な問題と世界の動きをつなげて考える力を育てていきます。人びとの権利や尊厳がどのように守られ、またどのように脅かされているのかを見つめながら、地域と世界の両方の視点から物事を考える力を身につけましょう。平和について深く考えることは、よりよい社会をつくる第一歩になるはずです。

