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琉中交流史

授業内容

本授業では、琉球と中国が何世紀にもわたり築いてきた国際関係の歴史を、時系列に沿って丁寧に学んでいきます。政治的な関係だけに注目するのではなく、文化的な交流や社会的背景にも目を向け、当時の国際関係のあり方を幅広い視点から理解することを目的としています。特に、14世紀から19世紀にかけての琉球と中国の交流の流れを把握し、琉球が東アジアの国家の一つとして周辺諸国と相互に影響を与えながら関係を築いていたことを学びます。授業では、琉中交流史研究の歩み、琉球の国家形成と明朝の朝貢システム、中継貿易の実態、明清交替期の政治状況、近世の冊封体制、清代北京と琉球使節の関係、開港や太平天国運動がもたらした変化、日清修好条規と冊封の関係、そして琉中関係の断絶など、多岐にわたるテーマを扱います。これらを通して、琉球が東アジアの中でどのような位置づけにあったのかを理解していきます。

本村 育恵先生
本村 育恵先生
参考図書
浜下武志 2000年『沖縄入門―アジアをつなぐ海域構想』筑摩書房(ちくま新書;249)
高良倉吉 1993年『琉球王国』岩波書店(岩波新書;261)
豊見山和行編 2003年『琉球・沖縄の世界』吉川弘文館(日本の時代史;18)
真栄平房昭 2020年『琉球海域史論』(上)(下)、榕樹書林
比嘉政夫 2021年『沖縄からアジアが見える』吉川弘文館
窪徳忠 1981年『中国文化と南島』第一書房
講義の様子