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アジア史

授業内容

本授業のねらいは、アヘン戦争以降の近代への大きな転換期を迎えた十九世紀以降の東アジアの歴史や文化を学び、世界的な大きな流れを把握するとともに、その中で地域社会にどのような変化が生じたのかを受講者と共に考えることにあります。アヘン戦争や欧米列強の進出、日本帝国の誕生、感染症の流行などのトピックを通して東アジア社会の変化を捉え、最終的には現代社会の問題へとつなげて考えることを目標としています。メッセージとして、高校までの「歴史=暗記」とは異なり、本講義では歴史事象を通して「考える」ことを重視します。そのため、年号や事象の暗記を課すことはなく、一つ一つの出来事の意味やつながりを担当教員と受講者全員で考えていきます。到達目標としては、十九世紀末から始まる東アジアの近代化を学ぶことで、一国史を超えた広い視野で歴史を捉える力を養うことです。欧米列強や日本の植民地侵出、近代化と戦後への影響を理解するとともに、琉球(沖縄)や台湾・朝鮮の事例を中心に地域社会への影響を学びます。マクロとミクロ双方の視点を関連させて歴史を考える力は、今後の研究において重要な能力となります。本授業を通じて、十九世紀末から形成された近代国家の歴史を踏まえ、現在を考える視点を養っていただきます。

前田 勇樹先生
前田 勇樹先生
参考図書
前田勇樹・古波藏契・秋山道宏2021年『つながる沖縄近現代史』ボーダーインク
岩崎育夫『アジアの国家史』(岩波現代全書、2014年)
吉澤誠一郎監修2022年『論点・東洋史学』ミネルヴァ書房
宮城弘樹ほか編2023年『大学で学ぶ沖縄の歴史』吉川弘文館
講義の様子