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文化人類学理論

授業内容

本授業の目的は、文化人類学の諸理論について基礎的な理解を得ることにあります。先立って開講された「文化人類学概論」では、生活に関連する諸トピックを例に、人類社会や文化の多様性と共通点について論じました。本授業ではそれを踏まえ、これまでに提示されてきた様々な理論、すなわち「メガネ」をレビューすることで、世界の諸社会や文化の理解が自文化理解の深化につながることを学んでいただきます。人文・社会科学における理論とは、事象をより説得的に説明するための「メガネ」であり、社会・文化人類学が用いてきた多様な理論を知ることで、より多くの「世界の秘密」を発見することが可能になります。人類学理論によって発見された秘密は、限りある人生を生きていく上で極めて有用なものとなるでしょう。到達目標としては、社会・文化人類学の諸理論に関する基礎的な知識を身につけ、人々が日常生活では意識することの少ない自文化を含め、世界各地の社会や文化の構造やメカニズムを理解できるようになることです。これらを通じて、文化人類学的視点から世界を批判的かつ多面的に捉える力を養っていただきます。

石垣 直先生
石垣 直先生
参考図書
綾部恒雄編2006年『文化人類学20の理論』弘文堂
石川栄吉ほか編1995年『文化人類学事典』弘文堂
桑山敬己・綾部真雄(編)2018年『詳論文化人類学』ミネルヴァ書房
講義の様子