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アジア社会文化論Ⅲ

授業内容

この授業のねらいは、特定の民族集団の文化を通してアジア文化を理解することです。講義では英語のテキストを使用しますが、日本語で進められるため安心して学ぶことができます。東南アジア山地に暮らす人々の文化を比較することは、異なる文化を理解するための良い練習になります。テキストは比較的読みやすく、講師がよく知る社会を題材にするため、わかりやすく学習できるでしょう。
このコースでは、中国、ラオス、タイ北部、ミャンマー東部に住むアカ族に焦点を当てます。アカ族の文化を学ぶことで、アジア社会の多様性や共通性を考えることができます。具体的には、歴史や社会構造、家族や親族関係、村落共同体、民俗や宗教などがどのように結びつき、文化を形づくっているのかを検討します。文化の要素は単独で存在するのではなく、互いに関連し合いながら社会全体を支えています。
授業を通じて「なぜその文化はそう成り立っているのか」「自分たちの文化とどう違うのか」という問いを持ちながら考える力を養うことが期待します。異文化を理解することは、自分自身の文化を見直すきっかけにもなり、広い視野を持つことにつながります。

稲村 務先生
稲村 務先生
参考図書
稲村務2016年『祖先と資源の民族誌:中国雲南省を中心とするハニ=アカ族の人類学』めこん
講義の様子