沖縄法政研究所では下記の通り、第40回講演会を開催しました。今回は手話通訳、講演前に講師関連映像の上映を行ったほか、会場内には沖縄県公文書館よりご許可をいただき『復帰措置に関する建議書』(全文)、講演会関連資料や当研究所刊行物が閲覧できるコーナーを設けました。多くの方が手にとってくださいました。ありがとうございました。
■日時・場所
2018(平成30)年8月4日(土)13:30~17:00
沖縄国際大学 3 号館 203教室

■講師
平良亀之助 氏(元琉球政府復帰対策室調査官)
■概要
『復帰措置に関する建議書』をご存知でしょうか。
日本復帰が具体的に進むなか、日本政府の復帰措置の中身は沖縄県民の要求を充分に反映するものではありませんでした。
『復帰措置に関する建議書』は、琉球政府が日本復帰に際して沖縄県の声を日本政府と返還協定批准国会(沖縄国会)に手渡すために、作成された建議書で、復帰についての県民要求や考え方が集約されたものです。
当時の屋良朝苗主席は、同建議書を携えて上京し、政府に要請しようとしたその日の沖縄国会で、沖縄返還協定並びに復帰関連法が強行採決され、政府施策には反映されませんでした。しかし、実際には屋良主席は、衆・参両議長だけでなく、総理大臣ほか全閣僚に対して、直接文書を手渡して要請しています。
同建議書提出から46年経った沖縄の現状から、『建議書』は、いまでも生きている沖縄の要求であるといえるのではないでしょうか。
この度、『復帰措置に関する建議書』作成に直接携わった平良亀之助氏をお迎えし、講演会を開催いたします。
約150名の方々がご参加くださいました。お忙しいなか、ご参加いただきありがとうございました。
建議書やポスター使用の写真等は、沖縄県公文書館ホームページより閲覧できます。
講演会では、元琉球政府復帰対策室調査官の平良亀之助氏が「復帰特別措置に関する建議書」作成の経緯をご自身の実体験を元に話されました。会場から質問も多く寄せられ、閉会時間が超過してしまいましたが、ご参加いただきました皆様のご協力で質問にお応えしていただくことができました。

《参加者アンケートより》
・参加者の多さに驚きました。世間の興味が向くことがタイムリーにトピックとして取り上げられているようだと感じました。また事実の生き証人が登壇することの意義を強く感じました。(40代・女性・会社員)
・現場の担当者の講演に感動しました。『復帰』の意味を再考し、沖縄の現実をさらに見つめたい。(60代以上・男性)
・質疑応答の内容は、まさに“歴史の証言”でした。(60代・男性)
・熱気あふれる平良さんの講演の話しは忘れた沖縄の魂を思い出した。建議書の原点を忘れてはいけない。-学びました-(男性・50代・会社員)
・建議書づくりに直接関わった人の話を聞けて感動しました。また事実の生き証人が登壇する意義を強く感じました。(40代・女性・会社員)
・「建議書づくり」に直接関わった人の話を聞けたことで感動しています。屋良主席羽田到着と同時に国会で強行採決ということは、以前に勉強して知っていましたが、『生の声』を聞けたことが本当に幸せです。(50代・男性)
・建議書の大切さを改めて実感しました。講演会を受けてみてとても良かったです。(20代・学生)
・私にとっては歴史の中の出来事、だけど、今日の話を聞いたら過去から現在に渡って続いている生きた事実だということが理解できました。『日本政府の不正を正すために建議書を使う』とても心に残った言葉です。真正面から、逃げも隠れも、イカサマもなしにして、沖縄権利を日本政府に訴えたいと思いました。(20代・女性・学生)
・平良亀之助様のご講演を聞いて今日の沖縄が歩んで来た事知ってとても良かったです。私の夢は七世代先の子孫に今何をするべきなのか?と考えて行動していく為の参考になりました。ありがとうございます。(60代・女性・自営業)
・生の平良氏の講演会をきいて、とても素晴らしいと感じました。最初の映像を見て涙が出てきました。資料を何故か持ち帰り、兄姉息子達にも伝えたいと思いました。本日は沢山の勉強が身に付き、感謝いたします。無知程おそろしい事はないですネ。(50代・女性)
多くの参加者の皆様よりご質問・ご意見・ご感想をお寄せいただきました。
誠にありがとうございました。