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沖縄国際大学の取り組みが「平成17年度特色ある大学教育支援プログラム」(特色GP)に 採択されました。

取組名称
「教科教育法を主軸とした体系的教育実習指導−教職課程科目の体系的・段階的配列と模擬授業指導を中心とした取組−」


特色GPとは、大学教育の改善に資する種々の取組のうち、特色ある優れたものを選定し、選定された事例を広く社会に情報提供するとともに、財政支援を行う ことにより、国公私立大学を通じ、教育改善の取組について、各大学及び教員のインセンティブになるとともに、他大学の取組の参考になり、高等教育の活性化 が促進されることを目的とするもので、平成17年度は、申請410件中、47件が採択されました。

詳しい内容については、文部科学省及び財団法人大学基準協会のホームページでご覧いただけます。

平成 17年度の申請・採択状況

平成17年度の申請・採択状況は下表のとおりです。
本学はテーマ例3の「主として教育方法の工夫改善に関するテーマ」へ応募し、採択されました。

公募テーマ例 申請件数 採択件数 採択率
1.「主として総合的取組に関するテーマ」 67 7 10.4%
2.「主として教育課程の工夫改善に関するテーマ」 129 15 11.6%
3. 「主として教育方法の工夫改善に関するテーマ」 88 12 13.6%
4.「主として学生の学習及び課外活動への支援の工 夫改善に関するテーマ」 56 6 10.7%
5.「主として大学と地域・社会との連携の工夫改善 に関するテーマ」 70 7 10.0%
合   計 410 47 11.5%

取組概 要及び採択理由


申請テーマ 3.「主として教育方法の工夫改善に関するテーマ
取組名称 教科教育法を主軸にした体系的教育実習指導
−教職課程科目の体系的・段階的配列と模擬授業指導を中心とした取組−
取組単位 大学全体
キーワード 1.受講者精選システム
2.模擬授業
3.教育実習事前・事中・事後指導
4.教科教育法
5.教職課程
申請担当者 教務部長 (総合文化学部教授) 三 村 和 則

 

取組の概要

すべての教職に関する科目を教育実習の広義の事前指導科目として位置づけ、教科教育法を主軸に「体系的」に配列し、「段階的」に履修させている。す なわち、教職の意義等に関する科目や教育の基礎理論に関する科目を教科教育法の受講前提科目とし、教科教育法はまた教育実習の受講前提科目を成すという仕 組みである。このような受講者精選システムを設ける一方で、教科教育法は少人数クラス編成とし、その中で体験的学習として一人1時間以上の「模擬授業」の 指導を行っている。また、教育実習が教科外活動にも及ぶことを考慮し、体験的学習として少人数クラスの「模擬的教科外指導」の科目も設けている。教育実習 の狭義の事前・事中・事後指導においては、体験的なワークショップを導入するとともに、「中間懇談会」と「実習校との懇談会」を設けている。このように教 科教育法を主軸にして教育実習の事前・事中・事後指導を体系的に実施している。

採択理由

この取組は、沖縄国際大学における建学の理念・目的である「地域に根ざし、世界に開かれた大学」として、地域に教員を輩出する試みであり、沖縄県教 員候補者選考試験合格者の3〜4割(30〜50人)を、毎年恒常的に占める結果を生んでいる優れたプログラムです。
本取組の特徴は全ての教職に関する科目を教育実習の広義の事前指導科目として位置づけ、教員免許状取得に向けた一連の事項を体系化している点です。この体 系の中で色々の試みが行われており、特にユニークな点は体験学習としてすべての学生が模擬授業を行うこと、教育実習の中間指導として教育実習生との中間懇 談会や事後指導として教育実習校との懇談会などが設けられていることです。
本取組の成果としては、入学時の「安易な希望者」は精選され、その過程において「自らの適性や進路を主体的に考え、選び取りながら学生を学ばせることを可 能にし、真に教員になる意欲があり、教員にふさわしい資質と能力を備えた学生が育っている」点を挙げることができます。

取組の 実施プロセス

 

実施体系

a:本学の教職課程の教職に関する科目は教育職員免許法の定めている範囲を特に超えるものではないが、教科教育法を主軸に基礎的科目から応用的科 目、実習的科目に配置し、受講のための前提条件を設けた本学独自 の履修体系(PDF)PDFを設けている。矢印の元の科目の単位修得が無い場合は、矢印の先の科目を受講できないよう、学則(『学 部教職課程の履修に関する規程』)において定めている

b:以上の段階的・体系的な科目配置によって、教職課程受講者が精選され(当初約600名から最終的には200名前後)、教科教育法の少人数クラス編成が 可能になっている。本学の教育方法及び履修指導上の大きな特徴は、教科教育学を教育学と学科の専門科学との結節点、ならびに教育諸科学の理論と教育現場で の授業実践との結節点として位置づけていることである。そのため、各教科に原則的に2名の教科教育学を専門とする専任教員を配置している。そして、教科教 育法と教科教育法演習は少人数クラスで同一の専任教員が通年で一貫指導できるように編成している。 このようなクラス編成・科目編成・教員配置の下、教職課程と学科専門課程の有機的関連が作り出されている。また、教科教育法演習担当者を教育実習送り出し の実質的責任者とすることが可能となっており、教職課程全般の履修指導を行き届かせる結果に結びついている。

c:こうした組織体制の下、体験的な学習としての「模擬授業」が可能になっている。教科教育法演習では総ての学生が1時間(50分)の模擬授業を必ず1回 は行うようになっている。模擬授業は一人の学生が授業者となり他の学生を生徒役にして授業を行うものである。
模擬授業は、模擬的であれ学生にとっては教壇に立ち授業することは初めての体験であることから、その準備(教材研究、指導案づくり、教具の準備)のため に、一月前後を要する。模擬授業後は必ず振り返り(自己評価シートや修正指導案の提出など)の機会を設ける。この過程を通して、教壇実習の構えや資質・能 力が形成されるだけでなく、教職に関する他の科目(教育学)と教科に関する科目(学科の専門課程)の学修へフィードバックが行われたり両者の関連づけが行 われたりすることで、両者の学修の深化に結びついている。さらにグループを作ってこれら一連の学びを行うことから、教員に必要な他者との協調性も豊かに形 成されている。
本学の模擬授業指導の取組は全国的に注目されており、2001(平成13)年に本学で開催された全国私立大学教職課程研究連絡協議会(全私教協)の研究集 会でその模様が公開実演された。

d:特別活動演習(1単位)を特別に設け、実習の年の2月の2日間、現役・元中高教師を講師に、一クラス30 人〜40人規模のクラスを編成し、学級活動を中心にした特別活動(学級開き、学級総会、学級行事など)の模擬的な指導を行っている。

e:教育実習直前の事前・事中・事後指導も、事前指導における体験的学習としてのワークショップ(実習生として子どもと接することのできる「身体」 づくりを目的に、現役の中学校教師を講師に、集団遊びやレクゲームなど実技を含めた内容を指導している。)、中間指導としての教育実習生との懇談会(教育 実習の中間日の土曜日に県内北部・中部・南部・各離島の地区毎に実習生と本学教員が懇談。実習状況についての情報交換とともに、実習生が個々に直面してい る問題を出し合い、意見交換とアドバイスを行う。)、事後指導としての教育実習校との懇談会(次年度の教育実習指導の改善と充実を目的に、県内北部・中 部・南部・各離島の地区毎に、県内教育実習校から1名ずつ(校長または教頭または実習指導 教諭)招き大学への要望等を聴く。同時に、教育実習生個々の状 況も具体的に聴くことで、実習生の個別的な事後指導に結びついている。)など、他大学には例の少ないオリジナルな取組を行っている。 f:教職に関する科目全体を広義の意味で教育実習の事前指導科目として位置づけ、本学の教育実習事前・事中・事後指導の取組の全体像を示すと次のようにな る。

A.事前指導

1.教科教育法前提科目[教職研究I(1単位、15時間)、教育の思想と原則(2単位、30時間)、教育心理学(2単位、30時間)]
2.教科教育法[2 単位、30時間。中学校免許取得希望者はさらに2単位、30時間]
3.3年次10月:教育実習校選定方法説明会[単位外] 全体説明会(2時間)、教科別説明会(1時間以上)。 次年度教育実習希望者に、教育実習校の選定方法の説明と「教育実習を希望する者の心構え」の指導を行う。
4.教科教育法演習[2単位、30時間、中学校免許取得希望者はさらに2単位、30時間] 教科の模擬授業(中学校免許取得希望者はさらに2回目の模擬授業)
5.3年次2月下旬2日間の集中講義:特別活動演習[1単位、15時間] 特別活動(教科外活動)の模擬的指導
6.教育実習事前オリエンテーション[ 「教育実習指導」1単位、30時間の内の18時間]  
@4年次5月初旬日曜日1日間:第1回オリエンテーション 講演:教師を志す者の課題、学校現場と教育法規−教師の一日と教育法規−  ワークショップ:子どもの動かし方入門−子どもと響きあう実習生になるために−    
A4年次5月初旬金曜日半日:第2回オリエンテーション 全体会:教育実習の心得、教科別:全体会の補足    

B.中間指導

 [ 「教育実習指導」1単位、30時間のうちの4時間]  教育実習生中間懇談会

C.事後指導   

1.教科別反省会[「教育実習指導」1単位、30時間のうちの6時間] 実習反省録を基に、教職者としてさらに研鑽に励まなければならない点は何かを追究。次年度の実習予定者も参加させ、事前指導の前段階として位置づけてい る。   
2.教育実習校との懇談会
3.教育実習録の返却と教育実習成績の講評[「教育実習指導」1単位、30時間の内の2時間]

取組の 特性


この取組の特色は次の5点である。

@ 教職に関する科目全体に、体系性があること
しかし、単なる受講年次によるのではなく、前提科目を設けている点に特色がある。
教育実習に行くことの出来る学生を何らかの条件を付けて制限している大学は確かに多数にのぼる。修得科目の平均評点を条件にしている大学、面接を行う大 学、複数の前提科目を設けている大学などである。しかし、本学のように前提科目を階段状に設けている大学は皆無に近い。

A 教科教育法は、少人数クラス・同一教員による通年・一貫指導体制をとっていることと、そのために、多数の教科教育法専任教員を擁していること
いまだに、教科教育法を大講義で行う大学が多い中で、また、教科教育法を教科教育学の専門家が担当する大学が少ない中で、また、教育実習指導の送り出し責 任が少数の教職課程専任教員に任せられている大学が多い中で、本学のクラス編成(少人数)・科目編成(教科教育法と同演習を通年指導)・教員配置(教科教 育学専門家の配置)の在り方は、他に例を見ることがない。

B 体験的な内容を多く取り入れていること
教科の模擬授業、特別活動の模擬的指導、集団遊び・集団レク指導のワークショップなどを採用し、実践的な指導を行っていること。特に模擬授業の取組には特 色がある。

C 教育実習の中間指導として教育実習生との中間懇談会や事後指導として教育実習校との懇談会が設けられていること
こうした例も全国的に少ない。

D 以上の特色ある個別の取組が、互いに関連し教育実習の事前・事中・事後指導として体系的に配列されていること


取組の 組織性

 

取組の意義・価値を構成員が共有するための工夫、取組に対する教職員や学生の関与

教職に関する科目の体系的・段階的履修は、規程化され、その解説図が『履修ガイド』に明示され、学生は熟知している。教育実習に関わる事前・事中・事後指 導の年間計画については、教職課程運営委員会で審議決定され、委員会報告として各教授会において全教員に周知されている。これらを通して、この取組の意義 や価値を大学の構成員は共有している。

この取組に対する学内の支援体制

この取組は全学的な委員会である教職課程運営委員会の管轄下、実施されている。教職課程運営委員会は、教務部長、総合文化学部長、教務部次長、教務課長、 教職課程主任、教職に関する科目担当者、各学科選出委員で構成されている。教職課程主任は、任期は1年で総合文化学部教授会で選出される。その職責と待遇 は学科長相当である。教職課程運営委員会は教育実習に関する事項の他、教職課程の教育課程や教員人事も議題とする。ただし、教員人事についての決定権は総 合文化学部教授会にある。 先述したように九州地区大学教職課程研究連絡協議会(九教協)と全国私立大学教職課程連絡協議会(全私教協)は、FDにおいての情報源として重要な役割を 持っている。これらの定期総会や研究大会への派遣旅費が十分に措置されている。

取組の 有効性


この取組の有効性は次の通りである。

@600 人近い教職免許希望者を最終的には 200人に精選することができる。
ある科目を受講できるための前提科目の存在は、まず、教育課程の積み上げを可能にし教育上の効果を上げている。また、自らの適性や進路を主体的に考え、選 び取りながら学生を学ばせることを可能にし、真に教員になる意欲があり、教員にふさわしい資質と能力を備えた学生が育っている。国立大学教員養成学部の 「ゼロ免課程」に対しても示唆的だと思われる。

A 自発的な正課外教育が盛んに行われている。
少人数・通年・同一教員による教科教育法科目の一貫指導により、ゼミ合宿、ゼミ学習会、ゼミ対抗スポーツ大会など正課外教育が教員・学生の自発的活動とし て盛んに実施されている。それらは教科外教育の指導力量の形成と教員の資質(リーダーシップ、集団掌握力、協調性)形成さらには人間的な豊かさの形成にも 結びついている。

B 教育実習校での実習生の評価が高い。
他大学出身の学生と比べて本学実習生の評価が高い。実習生としての態度のみならず授業指導と生徒指導の能力においてである。模擬授業を体験していることか ら、他大学の実習生の指導案作りの手伝いを任せられたりする者もいる。その結果、高等学校では生徒の進学先として本学を高校教諭が勧め、本学がそれら優秀 な生徒を獲得でき、彼らがまた教職課程学生となり、再び優秀な実習生として教壇に立つという、好循環が生まれている。

C 学生の満足度も高い
教育実習終了後の「教科別反省会」での教育実習報告やそこでのアンケートにより、本取組の満足度を知ることができる。教育実習校で他大学出身の実習生より 高い評価を得たことで、本学での4年間での自らの成長を確信することができている。受講者精選システムや模擬授業はハードな内容であったがそれだけに教育 実習において非常に有効であったと評する声が殆どである。教科教育法ゼミでの濃密な人間関係の中での学習等を通して、単に教職志望者としてでなく人間とし ての成長を感じる者も多くいる。

D 沖縄県教員候補者選考試験合格者の3割以上を占めている。
沖縄県教員候補者選考試験において本学出身者が取得可能な免許教科のすべてで合格者の3〜4割を恒常的に占めており、県内の中学校・高校教員の一大供給大 学となっている。

E 生徒指導・生活指導のできる教員が育っている。
これまで900名近い卒業生が実際に教員として採用されている。学校長の評価は、素直であり、生徒指導・生活指導ができるということである。「生徒指導主 任」、「生徒相談係」、「中途退学対策係」といった自立につまずいた子どもたちのケアに当たっている教員が多いようである。

F学内で教職員の評価が高い。
上述したような、沖縄県教育界に負う本学教職課程の責任の重大さと入学生確保上の教職課程の意義とが教員・職員・学生に理解されてきており、この取組は全 学的にいっそう支持されるようになってきている。

将来展 望


 学内に中学校と高校の教室を模した、模擬授業教室を設営する。教室はCAI(コンピュータ支援授業)の可能な教室として整備する。
この模擬授業教室を拠点に以下の取組を推進し、教育界のパラダイムの変換をにらみ、創造的な教員の養成(特にネットワーキング能力、生徒参加型授業や問題 解決的授業指導の指導力及びカウンセリングマインド等を有した教員の養成)を視野に入れ、学校現場に新しい教授法や指導法をもたらすことのできる教員の養 成を展望したい。

@ 新しい授業方法の開発と習得
パワーポイントを使用した授業、e-Learningの開発とその技能の習得、プロジェクト法を取り入れた授業方法の開発と習得、TT授業方法の開発とそ の技能の取得などを行う。

A 授業研究方法の学習
VTRによる授業の記録と再生により授業を観察・記録・分析する過程を通して、自分や同僚の授業を日々共同で改善できる授業研究方法を 身に付けさせていく。

B 模擬的特別活動の指導
教室を特別活動(教科外活動)の学習の場としても活用する。

C 新しい教室環境の開発
以上の取組と並行して、そのヒドゥンカリキュラムとしての重要性に着目し、教室の装飾・掲示の研究や、新しい時代の新しい教育にふさわしい、学習机・イス や教卓、黒板あるいは教室の様式そのものの開発に着手する機会を提供する。

デー タ・資料等


お問い 合わせ先

教務部教務課では、特色GP事業の発展・推進に向けて、皆様からのご意見・ご感想をお待ちしています。

お問い合わせ・ご感想送付先:教務部教務課特色GP担当 E-mail: aafchr@okiu.ac.jp

 

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