文字サイズ

教育企画運営情報

海外比較研究調査(国際的な研究・教育実践交流)

[計画概要]
「教科教育法を主軸とした教職課程カリキュラム」、教職課程専任教員・教科教育法担当者による「教職指導」ならびに「模擬授業」指導を中心に、本学の教職課程の取組みを紹介し、教員養成に従事する研究者との討論を行う。
国内では得られない視点からの新鮮な感想や助言が期待される。
大学・日程・本学教員・受入れ教員は次の通りである。
○オーストラリア マッコーリー大学(シドニー市内 本学協定大学)
2月17日(日)~22日(金)
三村和則(総合文化学部人間福祉学科教授)
野口正樹(総合文化学部英米言語文化学科准教授)
Professor Sue Lubbers (Head, Language Programs National Centre for English Language Teaching and Research Macquarie University)
○韓国 韓南大学(大田市内 本学協定大学)
2月25日(月)~28日(木)
三村和則(総合文化学部人間福祉学科教授)
野口正樹(総合文化学部英米言語文化学科准教授)
津波 聡(総合文化学部英米言語文化学科准教授)
Professor Kim, Nam Soon(Dept. of English Education Hannam University)
[実施概要]
○オーストラリア マッコーリー大学
19日(火)午前
1.NCELTR(National Centre for English Language Teaching and Research)
の概要について説明を受けた。
2.初級コースと上級コースのSpeakingの授業を見学した。
19日(火)午後
3.本学の「英語科模擬授業」のDVDをストップモーション方式で観ながら、英語科の授業構成や指導方法ならびに学生の英語科教職課程学生としての到達度などについて、質疑応答とディスカッションを行った。
4.NCELTRの自習室にてその説明を受けた。
20日(水)午前
5.NCELTRのStudent/Teacher Advisorから、学生の生活指導や学生・教師のカウンセリングの仕組みについて説明を受けた。
6.NCELTRの学生の成績評価システムについて説明を受けた。
7.NCELTRの新採用者の授業を参観・評価する方法について説明を受けた。
20日(水)午後
8.再び本学の「英語科模擬授業」のDVDの後半部分をストップモーション方式で観ながら、英語科の授業構成や指導方法ならびに学生の英語科教職課程学生としての到達度などについて、質疑応答とディスカッションを行った。
9.本学の「教育実習の事前・中間・事後指導の1年間」のDVDを観ながら、1年間の指導の流れや学生の到達度ならびに大学教員の指導姿勢などについて、質疑応答とディスカッションを行った。
10.NCELTRのe-ラーニングのシステムについて簡単な説明を受けた。
オーストラリア マッコーリー大学
オーストラリア マッコーリー大学
オーストラリア マッコーリー大学
オーストラリア マッコーリー大学
オーストラリア マッコーリー大学
オーストラリア マッコーリー大学
○韓国 韓南大学
26日(火)午後
1.本学の「教育実習の事前・中間・事後指導の1年間」のDVDを観て、指導の流れや学生の到達度、大学教員の指導姿勢、教員養成カリキュラムなどについて、質疑応答とディスカッションを行った。
27日(水)午前
2.本学の「英語科模擬授業」のDVDを観て、英語科の授業構成や指導方法、学生の到達度ならびに指導案の様式、さらには近年の韓国と日本の英語教育の動向や教科教育法の教員養成課程における位置づけなどについて、質疑応答とディスカッションを行った。
韓国 韓南大学
韓国 韓南大学
韓国 韓南大学
韓国 韓南大学
韓国 韓南大学
韓国 韓南大学
[成果概要]
本学の教職課程のカリキュラムと教育実習指導に関して、教科教育法担当スタッフが充実していること、教科教育法担当者がStudent Advisorの役割もしていること、1年間を通しての指導が極めて丁寧に行われていること、および教育実習を教育実習校任せにせず中間指導(教育実習生と大学教員との懇談会)が行われていることなどが特長として特に評価された。また、学生の自主的な運営による国語科の渡嘉敷島合宿に強い関心が寄せられた。
一般に海外での日本人学生は他者に依存的であるが、DVDの中で紹介された本学教職課程学生は自立しているように見えるという評価があった。また、教育実習オリエンテーションを指導する大学教員の熱意や講話の内容、ならびに実習生がもつ教育実習の中での悩みは日本の場合と共通していることがわかった。
しかし、たとえ中学校や高校教師を志望するとしても教師志望者は本来人間好きであり子ども好きでなくてはならないのであるから、「子どもと響き合う実習生になるために」という指導を行わざるを得ない日本の学生の実状には、疑問符が投げかけられた。また、画一化された実習生の服装についても違和感を強く感じるという意見があった。
本学学生の英語科模擬授業に関して、学生の到達度についてはその姿勢や指導態度および能力には高い評価が得られた。しかし、導入ではScaffold(授業の全体構想の説明)が必要であること、Do you understand? の多用は生徒に脅迫的に理解されること、カスタネットの単調なリズムでの語・句指導は問題ではないかなどの指摘があった。
以上はマッコーリー大学と韓南大学の両大学でほぼ共通に得られた成果であるが、その他、マッコーリー大学では、少人数編成のクラスをさらにグループ分けして指導することが普通に行われていることや、YesかNoを求める質問は殆どされなくなっているといった英語教育の先端的実態などの知見が授業参観を通して得られた。更に、英語教育での成績評価と教員の授業評価の方法やeラーニングの活用状況や語学自習室の先端的実態についても学ぶことができた。

(文責 三村和則)

A result summary
We have gotten many feedbacks for improving our teacher-training course.
The partners of McCauley University and Hannam University evaluated our teacher-training course curriculum and student teaching guidance as a great one.
They pointed out 4 points.
(1)There are sufficient amount of professors for the teaching methodology.
(2)The professors for the teaching methodology take part in as a Student Advisor of the students of teacher-training course.
(3)A very polite guidance for the students toward the teaching practice through the year.
(4)We have meetings with student teachers in a mid- day of teaching practice as
guidance.
Also, they were interested in the education camp in Tokashiki Island.
It was also noted that in the DVD they watched the students of the teacher-training course are more independent than Japanese students abroad.
We understand we have similarities with foreign university professor's enthusiasm and substances of the lectures when they guide student teaching orientation and also we understand student teachers share the same problems with our country.
However, that kind of situation in Japan we must set a workshop; to have good relationships with children is seen as a problem. One of the partners said "who wants to be a teacher should love children at the beginning, even though he or she becomes a high school teacher".
They also felt strongly discomfort in student's dress code.
They evaluated the English demonstration class on DVD, but there were some suggestions.
First in the introduction, we have to explain to the students the class outline.
Second, using “Do you understand?” repeatedly concretes pressure for the students.
Third, using castanet's monotonous rhythm when they teach words and phrase guidance.
In McCauley university as a high English education we also learned that they device a class of small number of people into smaller class, and they don't use Yes or No question too much in a class. When we were at open house, we could also learn about how to do grade evaluation and teacher's class evaluation or the practical use situation of e-learning or new information about a language study system.
I thank the staffs of McCauley University and Hannam University from the bottom of my heart for their cooperation and kindness.

(Kazunori,MIMURA)

お問い合わせ先

教務部教務課では、特色GP事業の発展・推進に向けて、皆様からのご意見・ご感想をお待ちしています。

お問い合わせ・ご感想送付先:教務部教務課特色GP担当 E-mail: aafchr@okiu.ac.jp