平成30(2018)年度の目標であった小浜島における古い染織物の具体的な実地調査は、いくつかの非常に古い踊り衣装などの存在が明らかとなったため、保管・保全の観点から改めて次年度以降に行うこととし、関係機関や個人との調整を行いました。次年度以降において、様々な古い踊り衣装などの復元も含めて調査することにしました。具体的には4~5つ程の踊り衣装のデザインの復元が挙げられます。予備的な画像を用いての調査において、ほぼ同様のデザインの型紙を発見するに至っていますが、今後、古い衣装のデザインを復元に臨むための実地調査を行う予定です。
過年度の調査研究をまとめた成果物としては、“沖縄の龍舌蘭の繊維「トンビャン」”(又吉光邦、沖縄国際大学紀要論文、2019.3)、“八重山の染織文化”(又吉光邦、染織情報α、染織と生活社、2018.9)、“トンビャン(桐板)布の実像”(又吉光邦、染織情報α、染織と生活社、2019.3)、ならびに“南嶋民俗資料館の古布裂”(又吉光邦、南山舎、2018.4)にまとめ、公表することができました。また、口頭発表として「与那国島の衣装の変遷について」(又吉光邦、奄美沖縄民間文芸学会、2019.8)をしました。