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概要

 平成31(2019)年度は予定通り、石垣市立八重山博物館に収蔵の古布ならびに古衣装の調査を主にした。研究実績(調査の概要)としては、下記の通りとなる。
  3月17日~19日:石垣市立八重山博物館収蔵の古布裂、古衣装を調査をした。具体的には、3月17日:鎌倉芳太蒐集の古布裂(顕微鏡写真1900枚以上撮影)、写真(795枚以上撮影)。3月18日~19日:古衣装の布(顕微鏡写真271枚以上撮影)、古衣装の写真(447枚以上撮影、同時に衿幅などの各部の長さ・幅なども記録)。御絵図の写真(65枚以上撮影)。
  3月20日、21日は、次の調査の協力依頼ならびに伝統的染織技法を用いて新しい商品開発などの調査を行った。具体的には、3月20日:南嶋民俗資料館を予備調査(次年度の形付(紅型)調査願いのため)。3月21日:みね屋工房(観光資源として伝統染織を商品化している実績調査)、ミンサー工芸館(商品の調査のため)、石垣市伝統工芸館(商品の調査のため)、宮良殿内(2020年度の形付(紅型)調査願い)。
 一方、3月17日~19日では、石垣市立八重山博物館学芸員より、衣料に使えそうな八重山で取得できる植物繊維についてのお話もいただけたので、得られた情報を元に染織が可能かどうかの調査を開始した。ここで、顕微鏡撮影は、4つの顕微鏡を用いて、複数撮影して、データの信頼性を高めた。
 全体として、石垣市立八重山博物館に収蔵されていた鎌倉芳太郎が大正期頃に蒐集した古布裂には、他の博物館に見られない貴重な染織物が含まれていた。今後これらを整理し、観光資源として活かしていくための研究が始められると考える。
 いままでの研究実績に注目した八重山文化研究会より講演の依頼を受け、過去に調査した南嶋民俗資料館と喜宝院蒐集館収蔵の古布、および桐板の繊維についての講演も行った。その際、染織家の方々から植物からの繊維の取得方の相談を受け、その解決法を提示することができた。

進捗

 鎌倉芳太郎の蒐集した古布裂の顕微鏡写真が得られたことは、今後の調査ならびに観光資源として活かすための研究の大きな弾みになる。また、いくつか民具に使われている植物繊維を布用の繊維として活かせることも可能であることが分かった。一方、八重山に残されている古衣装の調査から、現在、これらの衣装をそのままの形態で身に着けることはやや難しいと想定できたため、新しいデザインで観光資源と指定化していく方法を考えなければならないことも明らかとなった。前回、衣装の調査の際に問題であった、全体像を写すことに関しては、用意した道具によって解決できた。
 

画像

  • サンプル画像1トンビャン
  • サンプル画像2経糸:木綿双糸。貫糸:トンビャン(龍舌蘭)
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