文字サイズ

大学概要

米軍ヘリ墜落事件

沖縄国際大学への米軍ヘリコプター墜落後、12 年目を迎えて(声明)

文書
                         2016年8月13日
 
沖縄国際大学への米軍ヘリコプター墜落から、12年目を迎えて(声明)

                     沖縄国際大学
                      理事長・学長 前津 榮健

 2004年8月13日、この場所この時間に、米軍ヘリコプターが墜落炎上
して、学生、教職員、市民、県民を恐怖に陥れてから、今日で12年目を迎え
ます。あの日の墜落現場の惨事と米軍の理不尽な事故処理に対する市民、県民
の憤懣やるかたない強い憤りが、時間の経過と共に薄れていくことも残念なが
ら現実でもあります。米軍ヘリコプター墜落事件の惨事の記憶を風化させては
なりません。我々は今日、ヘリコプター墜落事件に対する憤りの記憶を改めて
鮮明に呼び覚まし、受け継ぐとともに、事件以来求め続けてきた普天間飛行場
の閉鎖を繰り返し要求し、ここに強い決意を込めて「普天間基地の閉鎖を求め、
平和の尊さを語りつぐ集い」を開催し、声明を発表します。
沖縄の安全・安心・平和が脅かされていることは、在日米軍占有施設の74%
が全国土面積のわずか0.6%の沖縄に過度に集中し、幾度となく米軍関係の事
件が起きていることから明らかであり、今年4月には、米軍属の元海兵隊員に
よる残忍極まりない凶行により、未来ある若い女性の命が無残にも奪われ、県
民は深い悲しみにおそわれました。このように、米軍基地があるが故の危険性
は周知の事実であります。普天間基地の撤去は、日米両政府で合意されている
ところであり、県民誰もが強く期待しているところであります。
日本政府は、総理大臣を始めとして沖縄の米軍基地負担の軽減を幾度となく
約束していますが、宜野湾市の中央部に位置する普天間飛行場の状況は改善さ
れるどころか、欠陥性が指摘されるオスプレイが騒音と低周波を発しながら普
天間飛行場を基地にして県内上空を飛行しその危険性は増大するばかりです。
また、県民の強い反対を受けてもなお、辺野古の新基地建設を続けようとする
日本政府に対する沖縄県民の不信は、増幅するばかりであります。
沖縄国際大学は、琉球・沖縄の歴史の中で、人々が求め続けてきた「真の自
由と、自治の確立」を建学の精神として、地域に根ざし、世界に開かれた大学
を目指して参りました。安全・安心・平和への思いは、大学人に限らず、思想・
信条を超えて万人が求めるところであります。大学や地域社会の平穏・安寧を
脅かす普天間飛行場の存続ましてや固定化を、認めることはできません。
第二次世界大戦の敗戦から今日まで、沖縄の人々は平和を希求し続けて参り
ました。宜野湾市の中心部に位置し、世界一危険といわれる普天間飛行場は沖
縄の安全・安心・平和そして平穏・安寧を脅かしております。
沖縄国際大学は、本学へのヘリコプター墜落事件から12年目の今日、危険
この上ない普天間飛行場を即時閉鎖し、撤去することを、ここに改めて日米両
政府に強く要求します。