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米軍ヘリ墜落事件

沖縄国際大学への米軍ヘリコプター墜落から、16年目を迎えて(声明)

文書
沖縄国際大学への米軍ヘリコプター墜落から、 1 6年目を迎えて (声明)

2020年8月13日
沖縄国際大学
理事長・学長 前津 榮健

2 0 04年8月 1 3 日、この場所この時間に、米軍ヘリ コプターが墜落炎上し、学生、教職員、市民、県民を恐怖に陥れてから、今日で16年目を迎えます。 あの日の墜落現場の惨事と米軍の理不尽な事故処理に対する市民、県民の憤懣やるかたない強い憤りが、時間の経過と共に薄れていくことも残念ながら現実でもあります。米軍ヘリコプター墜落事件の惨事の記憶を風化させてはなりません。我々は今日、ヘリコプター墜落事件に対する憤りの記憶を改めて鮮明に呼び覚まし、受け継ぐとともに、事件以来求め続けてきた普天間飛行場の閉鎖を繰り返し要求し、 ここに強い決意を込めて 「普天間基地の閉鎖を求め、 平和の尊さを語りつぐ集い」 を開催し、 声明を発表します。
沖縄の安全・安心・平和が脅かされていることは、全国土面積のわずか0.6%の沖縄に在日米軍専用施設面積の70. 4%が集中し、幾度となく米軍関係の事件が起きていることから明らかであります。昨年のこの集い直後の8月27日、普天間基地所属のCH-53Eヘリコプターが、沖縄県の東海岸約8キロ沖合に窓を落下させていたことが、事故2日後に判明しました。2017年12月の緑が丘保育園への部品落下、普天間第二小学校への窓枠落下、昨年6月の浦西中学校への部品落下、いずれも老朽化した同型機によるものです。外来機の飛来、オスプレイの騒音防止協定外の午後10時以降の飛行は、常態化し、昼夜を問わず騒音をまき散らし、市民生活に多大な影響を与えております。また、今年4月10日には格納庫の消火システムが作動し、発がん性が指摘される有機フッ素化合物の一種PFOS(ピーフォス)を含む泡消火剤14万リットル余り(ドラム缶719本分) が放出され、基地外に流出しその泡は風にあおられ住宅街に降り注ぎました。 基地周辺の河川や湧き水からは、 PFOSなどが検出されていますがその原因が解明されず住民に不安を与えています。
更に、 新型コロナウイルス感染拡大防止の為、 県民が外出や営業を自粛する中、 7月に入り普天間基地を含め米軍基地内でクラスターが発生、県民への感染も確認されましたが、 当初は感染者数すら開示されず、 県民を恐怖に陥れました。 そのため本学でも緊急措置を取るなどの対応に追われました。米軍がらみの事件や事故ばかりでなく、フェンス一枚隔てた県民の命や健康を脅かす目 に見えない感染症の脅威にも軍の論理が優先されている事態に憤りを禁じ得ません。
沖縄国際大学は、琉球・沖縄の歴史の中で、人々が求め続けてきた「真の自由と、自治の確立」を建学の精神として、地域に根ざし、世界に開かれた大学を目指して参りました。安全・安心・平和への思いは、大学人に限らず、思想・信条を超えて万人が求めるところであります。大学や地域社会の平穏・安寧を脅かす普天間飛行場の存続ましてや固定化を、認めることはできません。普天間基地の撤去は、 日米両政府で合意されているところであり、 県民誰もが強く期待しているところであります。
沖縄国際大学は、本学へのヘリコプター墜落事件から16年目の今日、危険この上ない普天間飛行場を即時閉鎖し、撤去することを、ここに改めて日米両政府に強く要求すると共に、 平和を希求する沖縄の思いを世界に発信し共有されることを目指します。