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山口 真也(YAMAGUCHI, Shinya)

所属: 総合文化学部 日本文化学科

職階: 教授
担当科目:
図書館概論 学校図書館情報サービス論 図書館文化セミナー 
文化情報処理入門Ⅰ 児童文化論 アカデミックセミナー ほか
プロフィール
主要学歴図書館情報大学図書館情報学研究科修了
学位修士
研究分野情報学フロンティア 図書館情報学・人文社会情報学
所属学会・協会等日本図書館情報学会・日本図書館研究会・西日本図書館学会
日本図書館協会・学校図書館問題研究会・図書館友の会全国連絡会
沖縄県子どもの本研究会
主要な社会的活動沖縄伝承話資料センター理事
恩納村文化情報センター協議会会長
浦添市立図書館協議会会長
沖縄県立図書館協議会会長
趣味読書
E-mail・ホームページ等https://www2.okiu.ac.jp/yamaguchi/yamaguchishinya.html

教育活動等

年月日主な教育活動摘要
教育方法の実践例
2002年4月~現在(1)担当授業での取り組み
「情報サービス演習Ⅰ」
司書資格課程の必修科目、レファレンスサービスの実務を学ぶ授業であり、ロールプレイ方式での学習を取り入れている。利用者役を山口とSA学生(司書課程の4年生)が担当し、図書館員役を受講生が(グループ代表者が交代で)務める形で、より実践的な学習ができるようにしている。演習の様子はビデオ撮影してグループ内で確認させ、チェックシートに基づいてコメントをつけ、自らの課題を発見できるようにしている。
2015年9月~2020年3月「図書館情報学特別演習Ⅰ・Ⅱ」司書資格課程を履修し終えた学生を対象とするアドバンスド科目。取り組むテーマは毎年異なるが、これまでに少年院でのビブリオバトル、国際ボランティア活動、多文化サービスの企画・実施、公民館図書室のリニューアル、選書ツアー、専門図書館見学、まちづくりアイディアソンへの参加、病院患者図書室への本の寄贈、書店とタイアップしたブックフェアなどを実施。その活動は地元紙や進路情報誌、ラジオ番組や地元新聞でも紹介され、受験生・保護者向けのアピールにも役立てている。
2001年4月~現在「文化情報処理入門」Word、Excelの基本操作、Power Pointを活用したプレゼンテーション、レポート作成、図書館機能を活用した情報検索法などのアカデミック・スキルの修得を目指す授業を担当。春季休業中には受講生の中から希望者を募り、Word文書処理技能認定試験2級の対策講座を開催、毎年20名程度の受講があり、最近では2015年度~2016年度までは全員合格、2017年度は28名中26名が合格、2018年度以降も95%以上が合格している。また、希望者がいる年度は、2年生向けに1級(ハイライセンス)試験の対策講座も実施し、全員が合格している。
2001年4月~現在「児童文化論」「アカデミック・セミナー」司書資格課程受講生が多く受講する学科専門科目のため、ICTを活用した地域文化の蓄積・発信、製本技術を学ぶために、1年間かけて沖縄に伝わる民話(動物昔話)のデジタルアニメーションと絵本の制作を行っている。2015年度からは学科のカリキュラム変更に伴い、「多文化間コミュニケーションコース」の導入科目として位置づけられたため、英語字幕入りアニメーションや英語翻訳版絵本も制作している。これまでに約100話の民話をデジタル化し、作成したアニメーションはYouTubeで公開するほか、公民館や地域イベントで上映し、手作り絵本は県内の小学校、公共図書館、公民館、国際交流センター等に寄贈している。2018年度は、JICA沖縄国際センターとタイアップし、英語翻訳版の絵本を作成、図書室利用者(主に外国人研修生)の投票により、上位絵本を決定し、製本して図書室に届ける活動も行った。2020年度には絵本作りの取り組みが海外の大学(ジョージワシントン大学沖縄コレクション)にも注目され、10作品ほどを電子書籍形式で公開するプロジェクトにも参加した。
2003年4月~現在「ゼミナールⅠ・Ⅱ」「卒業論文Ⅰ・Ⅱ」学科学生を対象とする卒業研究指導を担当。1学年10名~15名を指導。卒業研究をまとめた論文集『文化情報学研究』は20号を数え、毎年、製本して県内外の図書館(県立図書館、国立国会図書館等)に寄贈している。ゼミナール内ではキャリア教育にも積極的に取り組んでおり、2017年度は沖縄県立高校司書1名、2018年度は沖縄県立高校司書1名、久米島町立図書館司書1名、2019年度も沖縄県立高校司書1名が司書採用試験に現役で合格した。
2011年4月~現在(2)司書課程・司書教諭課程のカリキュラム見直し(履修階梯の導入)司書課程・司書教諭課程責任者として、1年生から段階的に資格科目が履修できるよう、概論→各論→演習といった科目間の関係性を整理し、履修階梯制度を導入した。他にも、課程主任として、①資格課程オリエンテーション、②日常的な履修相談・進路相談、③インターンシップ先の開拓、④非常勤教員との連絡・調整、⑤司書採用試験(公務員試験)の二次試験対策(個別指導)、⑥採用試験合格者(卒業生)を招いたキャリアガイダンスのコーディネート等も行っている。2019年度からは、学校図書館先進地域である沖縄県の事情をふまえて、学校司書のモデルカリキュラムをスタート、学校司書養成にも注力している。
2014年4月~現在(3)上級情報処理士の取得課程の導入・運営一般財団法人全国大学実務教育協会による認定資格である上級情報処理士のカリキュラムを立案し、2014年度より認定課程を開始。責任者として、必修領域の3科目(「文化情報処理入門」「児童文化論」「アカデミック・セミナー」を担当し、グループワークを取り入れたICTとコミュニケーション能力、社会人基礎力の育成に努めている。
2012年7月~2013年9月(4)協定校短期留学生の事前指導・引率海外協定校である韓国・韓南大学への言語文化セミナー(約3週間)の引率を担当。派遣前には、全5回のプログラムで、韓国の文化・生活習慣、歴史問題、領土問題などの事前学習会の講師を担当した。
2014年1月~2019年3月(5)図書館レポートライティングサポート(文献検索支援)の運営協力図書館による学習支援の一環として全学部学科に開放されたレポートライティングサポートのプログラムの企画、運営に協力している。具体的には、レポート作成のためのインプットとして位置付けられる「文献検索サポート」において、①アシスタント学生の推薦、②支援マニュアルの作成・更新、③アシスタント学生の事前指導、④受講の呼びかけ、④サポートへの同席(レポートテーマの相談受付)等を行っている。本サポートを通して、一般学生の情報検索能力の把握・分析も行っており、そのデータは司書課程の授業やゼミの指導にも役立てている。
作成した教科書・教材
2012年7月~現在・『知をひらく新入生ブックガイド』(オリジナルテキスト)初年次教育の一環として前期必修科目「リテラシー入門Ⅰ」の最終講義にて1年生全員にブックガイドを配布。後期から本格的にスタートする学科専門科目の導入として、またキャリア意識や大学生らしい多様な価値観の形成に役立つ推薦図書を紹介している。巻末にはレポート作成を想定した図書館機能の活用法(文献検索法)をレクチャーするためのガイドもつけ、後期の必修科目である「文化情報処理入門」で補助教材として活用している。
2015年7月~2018年3月・情報サービス(レファレンスサービス)を学ぶための模範ビデオ(オリジナルテキスト)ロールプレイ方式での演習を終えた後の、模範対応(質問受付・調査・回答)を学ぶための教材として、山口が職員役をつとめるビデオ教材を作成している。教材は動画編集ソフトを用いて編集し、模範対応だけでなく、各場面でどのような能力が問われているか、音声やアニメーション等も活用した解説もつけている。
2018年3月30日発行・『情報サービス論 情報と人々をつなぐ図書館員の専門性』(ミネルヴァ書房)司書課程向けのテキストとして発行(共編著)。沖縄の大学生の経済事情も考慮し、「情報サービス論」と「情報サービス演習」の両方の科目でテキストとして使用できるよう、演習問題も多数掲載している。また、山口担当箇所では、受講生のレファレンス調査の能力を高めるために、「レファレンス問題をつくってみよう」というワークシートを掲載している点にも他社テキストにはない特徴がある。2020年3月に増補改訂を行った。
2018年4月~現在・卒業論文データベース(オリジナルテキスト)ディプロマ・ポリシーの実質化を目指して、学生の卒業論文執筆に標準的なモデルを可視化するべく、これまで各研究室に分散されていた学科内で発行される卒業論文をPDF化、簡単な索引を付けた学内限定のデータベースを制作、学内公開している。指導教員によってばらつきがある卒業研究指導の平準化にも役立てていく予定。
2017年4月~現在・発達障害・聴覚障害者向け補助教材(オリジナルテキスト)障害者差別解消法の施行に伴い、特別な配慮が必要な学生・保護者からの申し出に応じて、内容理解がスムーズに進むように、個人の特性も考慮して、授業シナリオと板書内容をまとめた資料を作成し、事前・事後に配布している。

研究活動等(著書・論文等)

<著書>
『学校司書のための学校図書館サービス論』共著 2021年2月 樹村房
『情報サービス論―情報と人びとをつなぐ図書館員の専門性』(講座・図書館情報学) 共著 2018年3月 ミネルヴァ書房
『図書館ノート 沖縄から「図書館の自由」を考える』 単著 2016年8月 教育史料出版会
『図書館の自由を求めて 「図書館の自由に関する宣言」採択50周年座談会・60周年記念講演会記録集』 共著(編集) 2016年4月 日本図書館協会
『ガイドブック教育法』新訂版 共著 2015年12月 三省堂
『学校経営と学校図書館』(メディア専門職養成シリーズ)第2版 共著 2008年8月 学文社
『八重山の地域性』(南島研叢書I) 共著 2006年3月3 沖縄国際大学南島文化研究所
『学校経営と学校図書館』(メディア専門職養成シリーズ) 共著 2002年5月 学文社
『沖縄における教育の課題』 共著 2002年2月 沖縄国際大学公開講座委員会
『図書館情報学の創造的再構築』 共著 2001年7月 勉誠出版
『新・生活のなかの図書館』 共著 2000年2月 学文社

<主な論文>
「戦争の当事者性は「図書館の自由」とどのように対立するのか? : 「いま作り出すべきコンセンサス」とは何か?」単著 2024年1月 日本図書館研究会 『図書館』(5), pp.301-306
「総論・社会問題と図書館 : 「図書館の自由」と基本的人権との接点」単著 2023年6月 『専門図書館』 専門図書館協議会 313号  pp.2-8
「コロナ禍でのホームレスの公共図書館利用に関する私的レポート : 支援ボランティアとしての交流をもとに」単著 2021年12月 『図書館評論』図書館問題研究会 62 pp.17-28
「小中学校図書館における性的マイノリティ支援 性別情報の管理・利活用をめぐって」『日本語日本文学研究』第23巻2号, pp.1-18
「社会と図書館 まちづくり・社会的包摂」単著 2018年5月 『図書館界』日本図書館研究会, Vol.70, No.1, pp.11-20
「大学図書館における著作権法の運用-学習支援・広報活動・展示活動に注目して」単著 2017年1月 『専門図書館』専門図書館協議会, 第281号, pp.27-33
「読書通帳サービスにおける貸出記録の利活用をめぐる課題―個人情報保護・図書館の自由との関わりに注目して」単著 2016年11月 『情報の科学と技術』情報科学技術協会, 66巻11号, pp.566-571
「大学生の文献検索行動に関する考察―初年次学生を対象とするアンケート調査から」単著 2013年3月 『九州地区大学図書館協議会誌』九州地区大学図書館協議会, 第55号, pp.3-7
「貧困と図書館―山谷・釜ヶ崎の福祉施設内の読書サービスから見えてくること」単著 2012年9月 『現代の図書館』日本図書館協会, vol.50,no.3, pp.163-174
「個人情報の保護と図書館の自由-学校図書館を中心に。公共図書館、大学図書館に及ぶ-」単著 2010年7月 『図書館界』日本図書館研究会, Vol.62, No.2, pp.95-101
「個人情報保護制度における「貸出記録」の位置付け」単著 2009年9月 『図書館学』西日本図書館学会, 第95号, pp.18-29
「読書指導と学校図書館の望ましい関係―貸出記録は読書指導の資料となりうるか?」単著 2009年1月 『月刊国語教育』東京法令出版, 2009年1月号, pp.50-53
「学校図書館と「図書館の自由」-貸出記録の目的外使用問題を中心に」単著 2004年9月 『現代の図書館』日本図書館協会, Vol.42, No.3, pp.164-171
「学校図書館における児童・生徒のプライバシー保護-読書記録の取り扱いをめぐって」 単著 2003年3月 『図書館情報学研究』図書館情報学研究会, 第2号, pp.1-21
「山谷労働者と図書館」単著 1997年11月 『ずぼん』ポット出版, 4号, pp.124-132
2024年4月10日現在