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米軍ヘリ墜落事件

沖縄国際大学への米軍ヘリコプター墜落後、11 年目を迎えて(声明)

文書
                             2015年8月13日
    沖縄国際大学への米軍ヘリコプター墜落後、11年目を迎えて(声明)

                            沖縄国際大学
                             理事長・学長 大城 保

 我々が不安に思い、恐れていた米軍ヘリ墜落事件がまたもや起こりました。昨日 12
日午後 2 時前に米軍ヘリMH60 型機がうるま市伊計島沖に墜落しています。米軍用機
が沖縄上空を飛行し続ける以上、墜落事件は県内どこかで起こりえます。軍用機は、安
全最優先の民間飛行機に比べ安全性が低く欠陥度が高くなります。特に欠陥度が高いと
言われるMV-22 オスプレイ機が騒音と低周波を発しながら普天間飛行場を基地にして
県内上空を飛行すれば大惨事になる墜落事件の恐れがいつもあります。米軍基地がある
ゆえに起こる事件に、沖縄県民の不安と恐れ、そして憤りは募るばかりであります。
2004年8月13日、この場所この時間に、米軍ヘリコプターが墜落炎上して、学
生、教職員、市民、県民を恐怖に陥れてから、今日で11年目を迎えます。あの日の墜
落現場の惨事と米軍の理不尽な事故処理に対する市民、県民の憤懣やるかたない強い憤
りが、時間の経過と共に薄れていくことも残念ながら現実でもあります。米軍ヘリコプ
ター墜落事件の惨事の記憶を風化させてはなりません。我々は今日、ヘリコプター墜落
事件に対する憤りの記憶を、改めて鮮明に呼び覚まし、受け継ぐとともに、事件以来求
め続けてきた普天間飛行場の即時閉鎖を要求し、ここに強い決意を込めて「普天間基地
から沖縄を考える集い」を開催し、声明を発表します。
沖縄の安全・安心・平和が脅かされていることは、在日米軍占有施設の 74%が全国面
積のわずか 0.3%の沖縄本島に集中し、幾度となく米軍関係の事件が起きていることか
ら明らかであり、周知の事実であります。しかし残念ながら沖縄県民と日本国民の認識
には大きなズレがあります。世界で最も危険といわれる普天間基地の撤去・返還は、日
米両政府で既に合意されており、県民誰もが強く期待しているところであります。
日本政府は、総理大臣を始めとして沖縄の米軍基地負担の軽減を幾度となく約束して
いますが、返還合意後も普天間飛行場の状況は改善されるどころか、その危険性が増大
するばかりです。また、県民の強い反対を受けてもなお、辺野古の新基地建設を続けよ
うとする日本政府に対する沖縄県民の不信は、増幅するばかりであります。
第二次世界大戦の敗戦から 70 年の間、沖縄の人々は平和を希求し続けて参りました。
宜野湾市の中心部にあり、世界一危険といわれる普天間飛行場は沖縄の安全・安心・平
和そして平穏・安寧を脅かしております。
沖縄国際大学は、琉球・沖縄の歴史の中で、人々が求め続けてきた「真の自由と、自
治の確立」を建学の精神として、地域に根ざし、世界に開かれた大学を目指して参りま
した。安全・安心・平和への思いは、大学人限らず、思想・信条を超えて万人が求める
ところであります。大学や地域社会の平穏・安寧を脅かす普天間飛行場の存続ましてや
固定化を、認めることはできません。
沖縄国際大学は、本学への米軍ヘリ墜落事件から11年目の今日、危険この上ない普
天間飛行場を即時閉鎖し、撤去・返還することを、ここに改めて日米両政府に強く要求
します。