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米軍ヘリ墜落事件

沖縄国際大学への米軍ヘリコプター墜落から、18年目を迎えて(声明)

文書
沖縄国際大学への米軍ヘリコプター墜落から、18年目を迎えて(声明)


沖縄国際大学      
理事長・学長 前津 榮健


2004年8月13日、この場所この時間に、米軍ヘリコプターが墜落炎上し、学生、教職員、市民、県民を恐怖に陥れてから、今日で18年目を迎えます。あの日の墜落現場の惨事と米軍の理不尽な事故処理に対する市民、県民の憤懣やるかたない強い憤りが、時間の経過と共に薄れていくことも残念ながら現実でもあります。米軍ヘリコプター墜落事件の惨事の記憶を風化させてはなりません。我々は今日、ヘリコプター墜落事件に対する憤りの記憶を改めて鮮明に呼び覚まし、受け継ぐとともに、事件以来求め続けてきた普天間基地の閉鎖を繰り返し要求し、ここに強い決意を込めて「普天間基地の閉鎖を求め、平和の尊さを語りつぐ集い」を開催し、声明を発表します。
沖縄の安全・安心・平和が脅かされていることは、全国土面積のわずか0.6%の沖縄に在日米軍専用施設面積の70.3%が集中し、幾度となく米軍関係の事件・事故が起きていることからも明らかであります。普天間基地所属米軍機の今年1月以降の主な事故をみると、1月13日AH1Z攻撃ヘリが機器異常のため渡名喜村の村有ヘリポートに緊急着陸、3月29日には垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ2機が石垣空港に緊急着陸、うち1機が機体整備のため1週間駐機したばかりでなく、駐機中にエンジンの保護カバーが脱落、7月7日には同じくオスプレイ1機が鹿児島県の奄美空港に緊急着陸、また、4月10日CH-53ヘリコプター4機が、燃料不足のため宮古空港に緊急着陸、6月18日には同じくCH-53ヘリコプターが国頭村宜名真の牧草地に不時着した。老朽化や整備不良、燃料不足などずさんな管理状態の機体が頭上を飛び回り、墜落など重大事故に繋がりかねない緊急着陸が民間空港で多発しています。また、騒音の激しいF35最新鋭ステルス戦闘機を始め外来機の飛来、深夜の離着陸が増加し、深夜・早朝の飛行を制限する日米騒音防止協定はまったく無視され空洞化しているのが現状です。更に、基地周辺での発がん性が指摘される有機フッ素化合物の一種PFOS(ピーフォス)汚染など、住民は騒音被害、環境汚染など依然として基地負担を強いられています。
普天間基地返還合意から今年4月12日で26年が経過しました。「5~7年で返還」との返還期限はとうに過ぎましたが、先に述べたように現状は何ら変わらずむしろ悪化していると言っても過言ではありません。普天間基地の撤去は、日米両政府で合意され、県民誰もが強く期待しているところであり、決して忘れ去られてはなりません。
沖縄国際大学は、琉球・沖縄の歴史の中で、人々が求め続けてきた「真の自由と、自治の確立」を建学の精神として、地域に根ざし、世界に開かれた大学を目指し開学、今年2月に創立50周年を迎えました。ヘリ墜落事件は本学の歴史に大きな傷跡を残しており誠に残念でなりません。安全・安心・平和への思いは、大学人に限らず、思想・信条を超えて万人が求めるところであります。大学や地域社会の平穏・安寧を脅かす普天間基地の存続ましてや固定化を、認めることはできません。
沖縄国際大学は、本学へのヘリコプター墜落事件から18年目の今日、危険この上ない普天間基地を即時閉鎖し、撤去することを、ここに改めて日米両政府に強く要求すると共に、平和を希求する沖縄の思いを世界に発信し共有されることを目指します。