導入の目的
個々の教員が自らの授業実践を省察し、学生の実態に応じた授業改善に取り組むための契機とすることを意図していると同時に、改善した成果を可視化することにより、学生や社会に対して説明責任を果たすためです。
また、個別の授業の質保証にのみとどめるのではなく、「指定科目」を設定することで、本学の教育の中で特に重視しているものの内容の充実に役立てるためです。
対象
本学の専任教員及び非常勤教員(*新規採用の者は除く)
*授業改善計画書の様式は、
コチラ
作成の義務
指定科目以外の者は、作成を推奨し、提出は各位の任意とします。
※ただし、「指定科目」は、提出を義務付け、指定科目担当の専任教員は、必ず提出する。非常勤教員については、その提出を強く要望します。
これまでの指定科目
2010年度:共通英語I・II
2011年度:1年次対象ゼミ科目
作成の観点
*あくまで参考であり、基本的に、記載内容は、各位の裁量に委ねます
1)授業評価アンケートの調査結果を踏まえて
2)前年に作成したシラバスと実際の授業の相違を勘案して
3)試験やレポート結果の傾向を踏まえて
4)授業内で実施している「リアクションペーパー」の内容等、授業改善のデータとなるものはすべて資料として使用してください。
5)その他、各自の改善内容を踏まえて
授業改善計画書は“反省”のツールではなく、“内省”のツールです
反省は「過去の自分の言動やありかた間違いがなかったかどうかをよく考えること 」ですが、内省は「自分自身の心のはたらきや状態をかえりみること」、「自己の内面を見つめ、そこにあるものを探求すること」 です。“省”の文字が入ることで、似ているように見えますが、両者の意味は大きく異なります。
そのため、「ああいう授業で良かったのか」、「なぜいつも授業評価アンケートでああいう指摘を受けるのか」、「どうすれば良くなるのか」という否定的に捉えがちな反省ではなく、新たな作成の観点として、「学生にとって自分の授業はどうだっただろうか」、「なぜ、授業評価アンケートで学生はいつも同じ指摘をするのだろう」、「学生の指摘は、私の授業改善にどういう意味をもたらすのだろう」と自身の授業をニュートラルに考えてみてはいかがでしょうか。
また、その内省的思考を促すことで、授業改善に対する“気づき”が生まれ、その気づきを他者に伝える場として、他の人はどういう気づきを得たのかという気づきを交換する場 として、そうしたことの分かち合いの場としてのFD研修会を開催できればと考えています。
特色
1)「授業改善計画書」は授業評価アンケートへの「回答」ではなく、授業改善に関する実践事例の蓄積と、研修会等を通じた実践事例の共有化が最大の目的としています。
2)「授業改善計画書」はすべての科目においてその作成を義務化しない。当面は、教員個人の主体的な取組を促すことを重視し、作成は「推奨」です。
3)「授業改善計画書」を組織的FD活動として活用するために「指定科目」を設定し、対象となった科目(あるいは科目群)の担当者に対しては「授業改善計画書」の作成・提出を義務づけ、FD研修会等を通じて教育の質向上に務めます。
4)「授業改善計画書」を組織的FD活動に活用するために、FD委員会の下に「FD企画・調査小委員会」を設置し、「指定科目」の選定、関係教職員との調整、FD研修会の企画・立案等を担当します。