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社会文化学科のブログ

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「琉球アジア文化論」ってどんな授業?

学生による取材投稿
石垣直 先生に聞いてみました

「『琉球アジア文化論』講義全体の流れ」
 琉球アジア文化論は、沖縄の歴史・社会・文化についての基礎・中程度の学びを達成した学生に、「アジア」という視点から比較社会・比較文化論的あるいは文化人類学的に沖縄文化を理解してもらうことを目指して設定された科目です。
 この講義では、初回ガイダンスの後、2週目に琉球史に関する映像を観ます。3・4週目には沖縄文化を理解する基礎としての琉球・沖縄史について講義します。石垣先生の専門は文化人類学ですが、民俗や文化を考えるうえで歴史的な視点は不可欠なので、「琉球アジア文化論」のなかでもあえて歴史に関する回を用意されているそうです。
 5週目は門中・親族組織に関する映像を視聴して、6・7週目には門中に代表される親族や葬墓制、祖先祭祀について講義します。8週目には年中行事、9週目には人生儀礼について講義します。10週目には琉球・沖縄文化の最大の特徴のひとつでもある女性の霊的優位・オナリ神信仰について講義します。11週目には、主として中国東南部にルーツをもち琉球王国時代に中国との外交を担った「久米村人」に関する映像を視聴し、12週目には中国的な文化の受容において久米村がいかなる役割を果たしたかについて講義します。13週目は沖縄の物質文化について、14週目には食文化について、いずれも周辺アジア地域との関りを視野に入れて講義します。15週目には全体の内容を振り返り、講義が終了します。

「『琉球アジア文化論』の講義で心掛けていること」
 「琉球アジア文化論」は社会文化学科の必修科目ではなく、主として民俗学ゼミや人類学ゼミに進む学生に向けて用意された選択科目です。沖縄歴史・文化・社会に関する基礎・中程度の理解を踏まえた上で、より広い視野から沖縄文化を理解する視点を養ってほしいとの意図で用意されています。ですが、民俗学や人類学以外のゼミの学生、他学部・他学科の学生の受講も大歓迎だそうです。
石垣先生は、この講義において、沖縄について学ぶことは大事だけれども、沖縄しか意識していないと気が付かないことが沢山あるということに受講生が気づけるような講義を心掛けているそうです。石垣先生はインタビューの中で、沖縄の年中行事や風俗習慣などが、土着のものだけでなく、ヤマト(日本の他府県)や中国を中心とした周辺アジア地域などの影響を受けながら歴史的に形成されてきたものであるかを強調されていました。また、沖縄の社会・文化を現代の事象のみから表層的に捉えるのではなく、それを歴史的かつ比較社会・比較文化論的に捉えることこそ、文化人類学の真骨頂であるとも仰っていました。

「社会文化学科の強み」
 石垣先生は、社会文化学科は本学で最も小規模の学科ではあるが、沖縄の歴史・文化を網羅的に学ぶことのできる、全国でも数少ない特徴的な学科だと強調されていました。また、沖縄の歴史・文化・社会についての広範な知識は、現代沖縄の政治・経済や社会問題を考える上でも、必要不可欠だと仰っていました。



「感想」
 今回のインタビューでは、石垣先生が担当されている「琉球アジア文化論」の講義内容や講義で心掛けていることについてお話していただきました。その他にも、人類学ゼミでの学びについてもお話を伺うことができ、私たちが大学で何を学ぶべきなのか、それをどのように社会で生かすことができるのかを考える、貴重な機会になりました。

【インタビュアー:羽地穂乃、花神谷楓】