【日文1年生のための夏休みの読書の友、『にちぶん羅針盤』が今年も完成しました!】
1年生、頑張ってます!
日本文化学科の1年生全員が受講する必修科目「リテラシー入門Ⅰ・Ⅱ」では、1年間をかけて、「アカデミック・スキル」を身に着けるためのトレーニングを少人数クラスで実施しています。
その中心は読む・書く・話す・考えるといった、日本語運用のトレーニングとなっていて、前期は要約文の書き方やデータの読み取り方に基づく批評文の書き方、さらには、レポートの書き方などを習得します。
夏休みを目前に控えたこの時期には、毎年、1年生全員に「ブックガイド」が配布され、ガイドブックの使い方や、夏休みにぜひ図書館で借りて読んでほしい先生方の推薦書の紹介、さらに、書評の書き方についてのレクチャーを行っています。

このブックガイドのタイトルは『にちぶん羅針盤(こんぱす)』。

2026年号にも、言語学・文学・多文化・図書館・国語科教育・日本語教育などなど、専門分野の面白さを満喫できるような入門書、先生たちが大学時代に読んで感銘を受けた本、さらに各分野をさらに詳しく深堀した専門書など、約140タイトルの紹介文が掲載されています。
ブックガイドにはこのほかにも、先生たちによる読書や図書館利用についての、あるいは、大学生時代を振り返ってのエッセイなども収録されています。また、昨年度の図書館書評コンテストの優秀作や、2年生によるレポートコンテストの優秀作、1年生の入学前課題作文の優秀作も掲載されていて、これからの1年生の学びにとって、まさに「羅針盤」になるような盛りだくさんのコンテンツとなっています。
図書館学担当の山口先生は次のような図書館にまつわるエッセイを書いてくれました。
ーーーーーーーーーーーーー
「ラムネモンキーと太田裕美とアルゴリズムのこと、図書館のこともちょっと」
Ⅰ――― 今年の1月から3月まで、「ラムネモンキー」というテレビドラマが放送されていた。50歳を過ぎた「おじさん」3人が、中学2年生の頃の出来事を思い返しながら、映研顧問の女性教師の失踪事件を解決する物語であるが、ドラマの中で、3人のおじさんたちが、行動を共にする女子大学生に対して、「80年代ハラスメント」を繰り出す場面がユーモラスに描かれていて、とても印象に残った。
ドラマの中で描かれていた80年代ハラスメントの一つが「ガンハラ」。1980年代前半に流行したアニメ「機動戦士ガンダム」に出てくる女性キャラクターについて、誰が一番「いい女」なのかという話題で盛り上がるのである。マチルダなのか、セイラなのか、フラウ・ボウなのか、ハモンなのか、いやいや意外にもミハルなのではないか。こうした場面に若い世代が居合わせたら確かに居心地が悪いだろう。
こうしたジェネレーションギャップは昔からあった。私がまだ20代で、大学図書館で働いていた頃に、10歳ほど上の世代の先輩3人とドライブに行くことがあったのだが、カーステレオから流れてくるのは太田裕美。先輩たちは口々にその魅力を語るのだけど、私がもっている太田裕美情報は「木綿のハンカチーフを歌ってた人」くらい。おニャン子クラブ世代の私にとってはまさに「太田裕美ハラスメント」状態なのだけれど、先輩たちの熱量の高い話はそれなりに面白くて、それほど居心地が悪く感じた記憶は残っていない。
Ⅱ――― 自分が知らない世界のことで盛り上がっている人たちを目の前にした時に、「ハラスメント」と捉えてしまうのは、SNSの影響なのではないだろうか。Xやインスタグラムのアルゴリズム(どのコンテンツを優先させるかを決めるためのルール)は、ユーザー一人一人の興味関心に合わせて個別化されているため、例えば、K-POPが好きな人のタイムラ
インにはK-POPに関する話題ばかりがくり返し表示されてしまう。好きな「世界」にどっぷりと浸って、居心地のよい情報につつまれて過ごすことに慣れてしまうと、興味のない「世界」のことは知らず知らずの間に疎ましく感じるようになってしまうのかもしれない。趣味の世界に没頭するのはそんなに悪いことじゃないと思うけれど、世界情勢を伝えるニュースに触れる機会がまったくなかったり、「消費税廃止!」とか「移民反対!」といった、片方の意見だけがSNSのタイムラインを埋め尽くすような状態はとても怖いことだと思う。
Ⅲ――― 図書館はみなさんが興味があることもないことも、あらゆる情報を偏りなく公正な立場から届けてくれる場所である。大学に来たら、1日に1回は図書館に来て、スマホをオフにして、書架をぐるっと回ったり、新聞や雑誌をめくってみたりする時間を作ってほしい。いつもは立ち寄らない分類の棚にもちょっと足を延ばしてほしい。図書館をハラスメントととらえるか、世界を広げてくれる場所ととらえるか。図書館との付き合い方次第で、皆さんの大学生活は大きく変わるはずである。
ーーーーーーーーーーーーー

日本文化学科にはなんと(大学生なのに…)夏休みの宿題があって、1年生の課題は「書評の執筆」と、本学図書館書評コンテストへの応募です。
今年もたくさんのチャレンジを期待しています!
その中心は読む・書く・話す・考えるといった、日本語運用のトレーニングとなっていて、前期は要約文の書き方やデータの読み取り方に基づく批評文の書き方、さらには、レポートの書き方などを習得します。
夏休みを目前に控えたこの時期には、毎年、1年生全員に「ブックガイド」が配布され、ガイドブックの使い方や、夏休みにぜひ図書館で借りて読んでほしい先生方の推薦書の紹介、さらに、書評の書き方についてのレクチャーを行っています。

このブックガイドのタイトルは『にちぶん羅針盤(こんぱす)』。

2026年号にも、言語学・文学・多文化・図書館・国語科教育・日本語教育などなど、専門分野の面白さを満喫できるような入門書、先生たちが大学時代に読んで感銘を受けた本、さらに各分野をさらに詳しく深堀した専門書など、約140タイトルの紹介文が掲載されています。
ブックガイドにはこのほかにも、先生たちによる読書や図書館利用についての、あるいは、大学生時代を振り返ってのエッセイなども収録されています。また、昨年度の図書館書評コンテストの優秀作や、2年生によるレポートコンテストの優秀作、1年生の入学前課題作文の優秀作も掲載されていて、これからの1年生の学びにとって、まさに「羅針盤」になるような盛りだくさんのコンテンツとなっています。
図書館学担当の山口先生は次のような図書館にまつわるエッセイを書いてくれました。
ーーーーーーーーーーーーー
「ラムネモンキーと太田裕美とアルゴリズムのこと、図書館のこともちょっと」
Ⅰ――― 今年の1月から3月まで、「ラムネモンキー」というテレビドラマが放送されていた。50歳を過ぎた「おじさん」3人が、中学2年生の頃の出来事を思い返しながら、映研顧問の女性教師の失踪事件を解決する物語であるが、ドラマの中で、3人のおじさんたちが、行動を共にする女子大学生に対して、「80年代ハラスメント」を繰り出す場面がユーモラスに描かれていて、とても印象に残った。
ドラマの中で描かれていた80年代ハラスメントの一つが「ガンハラ」。1980年代前半に流行したアニメ「機動戦士ガンダム」に出てくる女性キャラクターについて、誰が一番「いい女」なのかという話題で盛り上がるのである。マチルダなのか、セイラなのか、フラウ・ボウなのか、ハモンなのか、いやいや意外にもミハルなのではないか。こうした場面に若い世代が居合わせたら確かに居心地が悪いだろう。
こうしたジェネレーションギャップは昔からあった。私がまだ20代で、大学図書館で働いていた頃に、10歳ほど上の世代の先輩3人とドライブに行くことがあったのだが、カーステレオから流れてくるのは太田裕美。先輩たちは口々にその魅力を語るのだけど、私がもっている太田裕美情報は「木綿のハンカチーフを歌ってた人」くらい。おニャン子クラブ世代の私にとってはまさに「太田裕美ハラスメント」状態なのだけれど、先輩たちの熱量の高い話はそれなりに面白くて、それほど居心地が悪く感じた記憶は残っていない。
Ⅱ――― 自分が知らない世界のことで盛り上がっている人たちを目の前にした時に、「ハラスメント」と捉えてしまうのは、SNSの影響なのではないだろうか。Xやインスタグラムのアルゴリズム(どのコンテンツを優先させるかを決めるためのルール)は、ユーザー一人一人の興味関心に合わせて個別化されているため、例えば、K-POPが好きな人のタイムラ
インにはK-POPに関する話題ばかりがくり返し表示されてしまう。好きな「世界」にどっぷりと浸って、居心地のよい情報につつまれて過ごすことに慣れてしまうと、興味のない「世界」のことは知らず知らずの間に疎ましく感じるようになってしまうのかもしれない。趣味の世界に没頭するのはそんなに悪いことじゃないと思うけれど、世界情勢を伝えるニュースに触れる機会がまったくなかったり、「消費税廃止!」とか「移民反対!」といった、片方の意見だけがSNSのタイムラインを埋め尽くすような状態はとても怖いことだと思う。
Ⅲ――― 図書館はみなさんが興味があることもないことも、あらゆる情報を偏りなく公正な立場から届けてくれる場所である。大学に来たら、1日に1回は図書館に来て、スマホをオフにして、書架をぐるっと回ったり、新聞や雑誌をめくってみたりする時間を作ってほしい。いつもは立ち寄らない分類の棚にもちょっと足を延ばしてほしい。図書館をハラスメントととらえるか、世界を広げてくれる場所ととらえるか。図書館との付き合い方次第で、皆さんの大学生活は大きく変わるはずである。
ーーーーーーーーーーーーー

日本文化学科にはなんと(大学生なのに…)夏休みの宿題があって、1年生の課題は「書評の執筆」と、本学図書館書評コンテストへの応募です。
今年もたくさんのチャレンジを期待しています!

