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日本文化学科のブログ

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【病院患者図書室を活性化するプロジェクト、ブックリストの配布と企画展示がスタートしました!】

図書館司書課程通信
日本文化学科の司書課程と図書館情報学研究室で学ぶ4年生の皆さんが6月から取り組んできた、沖縄赤十字病院の患者向け図書室の活性化プロジェクト。
これまでに、病院図書室担当の司書・久高さんへ企画案のプレゼンテーションを行い、患者さんやそのご家族の読書ニーズをアンケート調査を通して分析し、患者図書室に不足する本を沖縄県立図書館の一括貸出制度を利用して調達し、さらに学内外に寄贈の呼びかけをして不足する本を集めたり、内容が古くなったパンフレットをリニューアルしたり、といった様々な活動に取り組んできました。



2019年8月13日には、これまでのプロジェクトの総仕上げとして、沖縄赤十字病院を訪問し、集めた本を掲載したブックリストとリニューアルした利用案内パンフレット100部をお届けし、ブックリストに掲載した本を展示するコーナーをつくる作業を行いました。

展示コーナーは、空きスペースの都合で、壁面の書架の両端を使うことになっていたため、この制約をあえて生かして、ガラス張りの通路に近い棚には、「明るい気持ちになれる本」「リフレッシュできる本」(写真集や図鑑、料理本など)を並べ、図書室の奥の方にある棚には「感動する本」「悩みに答えてくれる本」「リラックスできる本」を並べて、プライバシーが保護されるような工夫をしてみました。



今回の取り組みも、地元紙の記者さんにも取材していただき、目的や工夫したこと、新しく発見したことなど、いろいろな質問を受け、学生それぞれが自分の言葉でしっかりとこたえてくれました。



「最初は自分が好きな本を寄贈して、患者さんにも読んでもらえたらいいなぁという気持ちでしたが、実際にアンケートを取ってみると、当たり前のことですが、自分が好きな本を患者さんが読みたいわけではなく、反対に自分が普段読まないような本への要望がすごく多くて、自分が好きな本を選ぶのではなく、自分以外の誰かが必要とする本を選ぶ、誰かのために本を選ぶ、ということが図書館司書にとって大事な仕事だということを改めて感じました」
「私も小さい頃に入院した経験がありますが、こういう図書室が病院内にあるということは知りませんでした。そんな患者さんは今も多いのではないかと思います。今回の取り組みを通して、患者さんに、人生のどんな場面でも本が人を支えてくれること、読む権利はどんなところでも保障されること、読みたい本があるときは県立図書館の本も読むことが出来ることなどをぜひ知ってほしいです」



図書館司書を目指して頑張ってきた学生たちにとって、今回のプロジェクトが4年間の司書課程の最後の取り組みとなりました。授業で学んできた知識をこうした形で地域の皆様の役に立てることができ、たくさんの方々から感謝の気持ちを伝えていただき、学生1人1人が図書館の機能や司書という仕事の魅力を実感することができたように思います。



最後になりましたが、ご指導いただきました図書室担当の久高さん、衛生面の問題などクリアしないといけない条件が多い中で快く実習の場を与えていただきました沖縄赤十字病院のスタッフの皆様、一括貸出本の利用にご協力いただきました沖縄県立図書館広域支援室の職員の皆様、本当にありがとうございました。_(._.)_