文字サイズ

日本文化学科のブログ

ブログ

【沖縄と日本の近現代文学を学ぶ研究室のご紹介ーー黒澤亜里子先生「ゼミナール入門」より】

研究室・ゼミナール紹介
日本文化学科では、3年生になると各先生の研究室に所属し、卒業研究を進めていきます。2年生の後期は、3年生からのゼミナールを選択する時期に当たります。
日本文化学科には、2年生の必修科目として「ゼミナール入門」という科目があります。毎回、各先生が研究室での研究内容をさまざまな趣向を凝らしてプレゼンし、2年生のゼミ選択の参考にしてもらっています。

12月2日の「ゼミナール入門」では、日本・沖縄の近現代文学の授業を担当している黒澤亜里子先生が登場。この日の授業内容をレポートしますので、受験生の皆さんには、この連載を通して日本文化学科で学べるカリキュラムのイメージを広げてもらえるとうれしいです。

◎黒澤先生の研究室の特徴は?
黒澤先生は、近現代文学研究を中心に研究を行っています。様々な視点・切り口から作品を論じることを目的としてて、3年生には文献検索法、論文執筆法の指導からスタートし、各自でテーマを設定、研究資料を参考にしながら作品研究を進めていきます。発表の際には毎回司会とコメンテーターをつけ、議論には4年生も加わって、全員で作品を読み込んでいきます。
作品や論文を数多く読みこなし、発表と討議を繰り返していくことで、卒業するころには、物事を深く読み解く力、分かりやすい文章を書く力、高いプレゼンテーション能力が身につきます。
大学院で文学研究をしていきたい人にもおすすめです。



◎研究室ではどんな活動をしているの?
黒澤先生は、近現代文学研究を中心に研究を行っています。
この日の研究室紹介は基本的に研究室のゼミ生のみなさんが担当し、司会も三年次のゼミ長が行いました。ゼミ生それぞれが取り組んでいるゼミ論・卒業研究の紹介もあり、ジェンダーと絡めた研究をしている生徒の紹介では、「ジェンダーの研究もできるんだね」という声もあがっていました。
ゼミ紹介の進行からも分かるように、黒澤先生の研究室は学生が中心となって主体的な活動が行われれています。文学を学ぶというと、どうしても本(テクスト)との静かな対話が中心となるようなイメージもありますが、ゼミでの研究発表はもちろん、毎年行っている新入生歓迎会(welcomeティーパーティー)や、8月のゼミ合宿など、ゼミ生同士がつながることができるいろいろな行事がるのも研究室の特徴です。「ゼミの運営は学生主体なので、合宿で花火がやりたい!とかも実行できます!」という紹介もありました。その後、ゼミ内の新人歓迎会やゼミ合宿の写真を動画にしたDVDを流したり、黒澤ゼミの年間スケジュールを紹介したりして、ゼミ内の日々の様子を楽しそうな様子が伝わってきました。



◎ゼミ生たちはどんなテーマで卒論を書いているの?
黒澤ゼミでは、近代古典文学・沖縄文学の研究を行っています。また、ジェンダーと絡めた研究を進める生徒も多いゼミです。文学研究は好きな作品、作家、ジャンルなど学びたい分野から研究を進めることができるそうです。
卒業論文集の作成には特に力を入れていて、ゼミ生1人1人に役割があり、3年次も後期からゼミ長や卒業論文編集長などの引き継ぎを行って、ゼミ生全員が一丸となって卒業論文集を行うようになっているそうです。
当日は、3年次の平良さんがゼミ論「三島由紀夫「金閣寺」研究」を、4年次の多和田さんが卒業論文中間報告として「太宰治「走れメロス」論」の構成計画を発表していました。先輩の発表をただ聞くだけではゼミに参加したことにならない、という研究室の雰囲気を伝えるために、指名した2年生に、作家略歴や作品概要を読んでもらったりもしていました。



<卒論テーマ一覧>
田山花袋「少女病」研究
新海誠「君の名は。」研究
森鴎外「妄想」研究
芥川龍之介「桃太郎」研究
谷崎潤一郎「卍」研究
大城立裕「カクテル・パーティー」研究

◎黒澤先生からのメッセージ
一年間ゼミではどのような活動をしていくのか、今回の講義で感じられたと思います。「ゼミナール入門」はどんな分野で卒業研究を考える場所です。自分の人生で、本気で考えたことが卒業研究に残せれば、大学に来てよかったと思えると思います。充実した卒業研究にするためにもゼミ選択をしっかり考えてみてください。



※なお、ゼミ紹介の最後に、黒澤先生は来年で定年退職してしまうとのことで、今の2年次の皆さんは4年次になると黒澤先生の後任となる新しい先生のゼミに移ってもらわなけばならない、という衝撃の説明もあり、学生たちは残念そうに話を聞いていました。今の2年生には、黒澤先生の最後のゼミ生として頑張ってほしいなと思います。