【ことばのプロを目指そう!--必修科目「アカデミック・ライティング」のご紹介】
おもしろ授業
民間企業が大学生に求める社会人基礎力としてもっとも重視されるものは「コミュニケーション能力」と言われています。
では人はどのような道具を使ってコミュニケーションを日々行っているのでしょうか?
答えは当然「言葉」ですよね。私たちは「言葉」という道具をつかって人とのコミュニケ―ションを行います。
そうすると、企業が求めるコミュニケーション能力の基礎となるものは「ことばの力」ということになります。
日本文化学科では、学生たちが将来どのような進路を選ぶとしても、人生を力強く切り拓いていくためにかならず役立つスキルとして、言語運用能力を高める授業を1年生から段階的に展開しています。
2年生必修科目「アカデミック・ライティング」もその一つ。
この授業では、2年生120名を3つのクラスに分けて、大学生らしい説得力のある文章を書くことを目標として、
●学術論文の執筆に必要な文章表現力
●学術研究を進めるための方法論
●研究に必要な基本的なデータサイエンスの知識・ソフトウェアの操作能力
といった3領域の力の習得を目指しています。
この授業は日本文化学科のカリキュラム改正により、10年ほど前から授業が始まり、昨年度からは言語学が専門の下地賀代子先生が中心となってこれまでの授業の成果をふまえて編集したオリジナルテキストを使用し、ますますパワーアップしています。
この日の授業(山口先生クラス)では、GWで少し授業が空いてしまったので、1回目~3回目までの学習内容を振り返るために、大学生らしいレポート・論文の文章として、以下の文のどこに問題点があるのかを発見し、正しく修正するというワークをまず行いました。
<例文>
「新聞を読んでいない20代の大学生と社会人がほんとうに多いという調査結果を私は心配している。」
ポイントは、①アカデミックワードを使う(和語より漢語・主観的な表現の排除)、②見やすい表記法を意識する(適切な読点の付与、入れ子構造を視覚化)、③あいまいな文を回避する(係り受けに注意)、④わかりやすい語順にする、ということ。これらのポイントをふまえて修正すると、
「新聞を購読していない20代の大学生と(年代を問わず)社会人が非常に多い」という調査結果は、憂慮されることである。」
「新聞を購読していない社会人と20代の大学生が非常に多い」という調査結果は、憂慮されることである。」
という文章が完成します。
この日は、新しい単元として、「長い文を分ける」「文のねじれの解消」の2点も学習しました。
具体的には、以下のような文章の文法的な問題点を発見し、見やすい表記法などを工夫して、分かりやすい分に修正するトレーニングを行いました。どんなところにねじれが生じているか、なぜねじれが生じるのか、正しく修正するにはどうすればよいか、皆さんは分かりますか?
① 私の将来の夢は、中学校の国語教師として働くことが目標である。
② 今回の成果は、かつてこの地を治めていた豪族の墓と見られる古墳を発見した。
③ 自転車による交通事故の対策として、ライトの点灯とヘルメットをかぶるように指導を行った。
例えば、③は、異なるタイプの要素を並列させてしまうケースと考えられます。つまり、「~の~」のような名詞句と「~が~をする」のような動詞句を「や」「と」などで並列させてしまうことによって生じる文のねじれ、と言えます。
このように、文章表現には、私たちが気が付いているようで、気が付いていない、隠されたルールがたくさんあります。また、「ことばの不思議」はまだまだ解明されていない点も多いと言われています。
日本文化学科の学生たちはこうしたルールを共通テキストを使って理論的に学びつつ、新しい課題を発見し、授業での研究発表やレポート作成、卒業論文の執筆、そして就職活動や採用試験などでの面接などに役立てていきます。
(山口先生が手にしている本が、日文オリジナルテキスト『アカデミックライティング』です)
受験生のみなさん、日本文化学科で一緒に社会人基礎力となる「ことばの力」を高めましょう!
では人はどのような道具を使ってコミュニケーションを日々行っているのでしょうか?
答えは当然「言葉」ですよね。私たちは「言葉」という道具をつかって人とのコミュニケ―ションを行います。
そうすると、企業が求めるコミュニケーション能力の基礎となるものは「ことばの力」ということになります。
日本文化学科では、学生たちが将来どのような進路を選ぶとしても、人生を力強く切り拓いていくためにかならず役立つスキルとして、言語運用能力を高める授業を1年生から段階的に展開しています。
2年生必修科目「アカデミック・ライティング」もその一つ。
この授業では、2年生120名を3つのクラスに分けて、大学生らしい説得力のある文章を書くことを目標として、
●学術論文の執筆に必要な文章表現力
●学術研究を進めるための方法論
●研究に必要な基本的なデータサイエンスの知識・ソフトウェアの操作能力
といった3領域の力の習得を目指しています。
この授業は日本文化学科のカリキュラム改正により、10年ほど前から授業が始まり、昨年度からは言語学が専門の下地賀代子先生が中心となってこれまでの授業の成果をふまえて編集したオリジナルテキストを使用し、ますますパワーアップしています。
この日の授業(山口先生クラス)では、GWで少し授業が空いてしまったので、1回目~3回目までの学習内容を振り返るために、大学生らしいレポート・論文の文章として、以下の文のどこに問題点があるのかを発見し、正しく修正するというワークをまず行いました。
<例文>
「新聞を読んでいない20代の大学生と社会人がほんとうに多いという調査結果を私は心配している。」
ポイントは、①アカデミックワードを使う(和語より漢語・主観的な表現の排除)、②見やすい表記法を意識する(適切な読点の付与、入れ子構造を視覚化)、③あいまいな文を回避する(係り受けに注意)、④わかりやすい語順にする、ということ。これらのポイントをふまえて修正すると、
「新聞を購読していない20代の大学生と(年代を問わず)社会人が非常に多い」という調査結果は、憂慮されることである。」
「新聞を購読していない社会人と20代の大学生が非常に多い」という調査結果は、憂慮されることである。」
という文章が完成します。
この日は、新しい単元として、「長い文を分ける」「文のねじれの解消」の2点も学習しました。
具体的には、以下のような文章の文法的な問題点を発見し、見やすい表記法などを工夫して、分かりやすい分に修正するトレーニングを行いました。どんなところにねじれが生じているか、なぜねじれが生じるのか、正しく修正するにはどうすればよいか、皆さんは分かりますか?
① 私の将来の夢は、中学校の国語教師として働くことが目標である。
② 今回の成果は、かつてこの地を治めていた豪族の墓と見られる古墳を発見した。
③ 自転車による交通事故の対策として、ライトの点灯とヘルメットをかぶるように指導を行った。
例えば、③は、異なるタイプの要素を並列させてしまうケースと考えられます。つまり、「~の~」のような名詞句と「~が~をする」のような動詞句を「や」「と」などで並列させてしまうことによって生じる文のねじれ、と言えます。
このように、文章表現には、私たちが気が付いているようで、気が付いていない、隠されたルールがたくさんあります。また、「ことばの不思議」はまだまだ解明されていない点も多いと言われています。
日本文化学科の学生たちはこうしたルールを共通テキストを使って理論的に学びつつ、新しい課題を発見し、授業での研究発表やレポート作成、卒業論文の執筆、そして就職活動や採用試験などでの面接などに役立てていきます。
(山口先生が手にしている本が、日文オリジナルテキスト『アカデミックライティング』です)
受験生のみなさん、日本文化学科で一緒に社会人基礎力となる「ことばの力」を高めましょう!