【韓国への多文化体験実習のレポートが届きました! 第二弾は「食文化」編!】
多文化間コミュニケーションコースの取り組み
日本文文化学科では、専門科目で学ぶ多文化理解力やコミュニケーション能力をさらに高めるために、3・4年生向け科目として「多文化体験実習」という科目が設置されており、集中講義形式で、国内外の様々な場所を訪れて、多文化へのまなざしをより豊かなものにするためのプログラムを準備しています。
今年度は、11月下旬の大学祭休みを利用して、多文化間コミュニケーションコース担当の奥山貴之先生、安志那先生の引率、指導の下で、事前学習として韓国の歴史・文化・社会課題について学んだ上で、安先生の母国でもある韓国に3泊4日で実習に行ってきました。
参加した学生たちから食文化に関するレポートが届きましたので、一部ご紹介します。
韓国と日本、沖縄の食文化にはどのような違いや共通点があるのでしょうか?
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●日本と韓国の食文化における共通点
韓国と日本の食文化の第一の共通点は「ご飯が主食」であるということです。韓国のご飯は雑穀を入れて炊き、足りない米を補っていて、麦飯やエンドウ豆飯、栗飯、小豆飯、インゲ豆など多様な雑穀米飯を食べ、それが今では健康食となっているそうです。このことからも、韓国において、お米は重要な存在であることが言え、日本でのお米に対する認識と共通しています。米文化は、地理的状況や気候が似ている日本と韓国においてお米が育ちやすい環境があったからなのではないかと推測できます。。
実習の中で私が特に興味深く感じたのは、三日目のお昼で出てきた赤飯のように見えるご飯でした。日本では、赤飯は、基本的にはお祝い事の時に食べるイメージがありますが、韓国で赤飯が普段の食事の中で出されており、日本との違いに驚きました。赤飯は、日本では赤という色に重要な役割があるが、韓国では、赤という色ではなく雑穀米で健康的な食事という視点からできているものなのではないかと考えられます。

共通点の2つ目は「箸を使用する」ということです。日本と韓国において箸が使用されるのは、主食であるご飯のような細かいものをうまくとるためであることや、日本ではうどんやそば、韓国ではカルグクスや冷麺、ジャージャー麺などの麺料理の発展が影響していると考えられます。
ただし、日本は箸を食事のほとんどの用途で使用していますが、韓国では箸だけではなくスプーンも併用して使用するという違いも見られました。日本では器を持って食べることがマナーであるが、韓国では、器を持って食べることはマナー違反とされているという点で、用途に合わせて箸とスプーンをうまく使い分けているのだと考えられます。また、韓国では、ビビンパのように混ぜ合わせる料理が定番化していることや、スープと一緒に食事をすることが多いこともスプーンと箸を併用する理由の一つではないかと思われます。
一見すると共通しているように見えても、細かい部分を見ていくと、各国の文化の違いが表れているという点が非常に興味深く感じました。

●日本と韓国の食文化における相違点
相違点として第一に注目したいことが「一人前の量の多さ」です。
韓国のお店で出てくる料理は、日本での一人前の食事量に比べ、多い傾向がみられました。韓国の料理は、日本のものと比べると1.5倍ほどの量があるのではないでしょうか。
先行研究によると、韓国では、山盛りのご飯、膳いっぱいの料理は、あふれんばかりの情を分かち合おうという気持ちの表れだと指摘されています。韓国には「分け与える文化」が根付いていると言えるでしょう。また、韓国人は1人で食べることを嫌い、「食事は皆で集まってするものだ」という意識が強く、お祝いや祖先祭祀の際には家族や親族のみならず、近所や地域住民をも含む形で共同飲食が行われているという指摘もあります。このことから、お祝いなどの行事の場のみならず、日常的に「皆で食事をする」ということが習慣付いているのだと考えられ、それが一つの料理の量の多さに繋がっていると推測できます。

料理とは別にキムチやナムルなどの多種多様なおかずがついてくる、しかも、日本の小鉢のように量が少ないものではなく、すべて一品ほどの大きさで出されている、という点も日本や沖縄とは違う食文化のように感じました。そして、これらのおかずに関しては、現地の方たちが、ご飯にキムチやナムルなどを混ぜ合わせ、ビビンパ風にして工夫をしていたことにも驚かされた。韓国の方々は日常的にこのような工夫をしており、食に対する意識の高さも感じられました。おいしさを追求していることの現れなのではないかと思います。

今回の実習の中では、「食文化」はもちろん、それ以外の場面でも、現地の人とのコミュニケーションをとったり、現地の様々な文化に触れたりすることで、自身の視野を広げるとともに、多文化への興味・関心を深めることができました。これからも、文化背景や国の特性を見る力を養っていきたいです。


今年度は、11月下旬の大学祭休みを利用して、多文化間コミュニケーションコース担当の奥山貴之先生、安志那先生の引率、指導の下で、事前学習として韓国の歴史・文化・社会課題について学んだ上で、安先生の母国でもある韓国に3泊4日で実習に行ってきました。
参加した学生たちから食文化に関するレポートが届きましたので、一部ご紹介します。
韓国と日本、沖縄の食文化にはどのような違いや共通点があるのでしょうか?
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●日本と韓国の食文化における共通点
韓国と日本の食文化の第一の共通点は「ご飯が主食」であるということです。韓国のご飯は雑穀を入れて炊き、足りない米を補っていて、麦飯やエンドウ豆飯、栗飯、小豆飯、インゲ豆など多様な雑穀米飯を食べ、それが今では健康食となっているそうです。このことからも、韓国において、お米は重要な存在であることが言え、日本でのお米に対する認識と共通しています。米文化は、地理的状況や気候が似ている日本と韓国においてお米が育ちやすい環境があったからなのではないかと推測できます。。
実習の中で私が特に興味深く感じたのは、三日目のお昼で出てきた赤飯のように見えるご飯でした。日本では、赤飯は、基本的にはお祝い事の時に食べるイメージがありますが、韓国で赤飯が普段の食事の中で出されており、日本との違いに驚きました。赤飯は、日本では赤という色に重要な役割があるが、韓国では、赤という色ではなく雑穀米で健康的な食事という視点からできているものなのではないかと考えられます。
共通点の2つ目は「箸を使用する」ということです。日本と韓国において箸が使用されるのは、主食であるご飯のような細かいものをうまくとるためであることや、日本ではうどんやそば、韓国ではカルグクスや冷麺、ジャージャー麺などの麺料理の発展が影響していると考えられます。
ただし、日本は箸を食事のほとんどの用途で使用していますが、韓国では箸だけではなくスプーンも併用して使用するという違いも見られました。日本では器を持って食べることがマナーであるが、韓国では、器を持って食べることはマナー違反とされているという点で、用途に合わせて箸とスプーンをうまく使い分けているのだと考えられます。また、韓国では、ビビンパのように混ぜ合わせる料理が定番化していることや、スープと一緒に食事をすることが多いこともスプーンと箸を併用する理由の一つではないかと思われます。
一見すると共通しているように見えても、細かい部分を見ていくと、各国の文化の違いが表れているという点が非常に興味深く感じました。
●日本と韓国の食文化における相違点
相違点として第一に注目したいことが「一人前の量の多さ」です。
韓国のお店で出てくる料理は、日本での一人前の食事量に比べ、多い傾向がみられました。韓国の料理は、日本のものと比べると1.5倍ほどの量があるのではないでしょうか。
先行研究によると、韓国では、山盛りのご飯、膳いっぱいの料理は、あふれんばかりの情を分かち合おうという気持ちの表れだと指摘されています。韓国には「分け与える文化」が根付いていると言えるでしょう。また、韓国人は1人で食べることを嫌い、「食事は皆で集まってするものだ」という意識が強く、お祝いや祖先祭祀の際には家族や親族のみならず、近所や地域住民をも含む形で共同飲食が行われているという指摘もあります。このことから、お祝いなどの行事の場のみならず、日常的に「皆で食事をする」ということが習慣付いているのだと考えられ、それが一つの料理の量の多さに繋がっていると推測できます。
料理とは別にキムチやナムルなどの多種多様なおかずがついてくる、しかも、日本の小鉢のように量が少ないものではなく、すべて一品ほどの大きさで出されている、という点も日本や沖縄とは違う食文化のように感じました。そして、これらのおかずに関しては、現地の方たちが、ご飯にキムチやナムルなどを混ぜ合わせ、ビビンパ風にして工夫をしていたことにも驚かされた。韓国の方々は日常的にこのような工夫をしており、食に対する意識の高さも感じられました。おいしさを追求していることの現れなのではないかと思います。
今回の実習の中では、「食文化」はもちろん、それ以外の場面でも、現地の人とのコミュニケーションをとったり、現地の様々な文化に触れたりすることで、自身の視野を広げるとともに、多文化への興味・関心を深めることができました。これからも、文化背景や国の特性を見る力を養っていきたいです。