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日本文化学科のブログ

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【夏の集中講義第2弾! テーマは現代共通語×古典語×琉球語】

おもしろ授業
大学生の夏休みは8月上旬から9月下旬まで、とかなり長いのですが、その間、学生たちは大学に全く来ないわけではなく、日本文化学科が開講する集中講義を受講する学生も多数います。

集中講義とは、前期・後期の期間と同じような全15回の授業を、1週間に1回ではなく、午前午後と連続して授業を行い、4日間ほどの集中形式で行う講義のことを指します。
夏や休み期間を利用し、ふだんの授業では受講できない、県外の著名な先生をお招きして、日本文化学科のカリキュラムで学ぶ言語学・文学などをさらに専門的に深める授業を行っていただいています。

8月25日(月)〜8月28日(木)の4日間にかけて開講しているのは「琉球文化特別講義」。
ご担当いただいているのは、福岡教育大学教授で、文学博士の荻野千砂子先生です。

この授業では、現代共通語と古典語と琉球語のそれぞれの言葉の意味と用法を丁寧に細かく分析することで、お互いの共通点を関連付け、一つの論を組み立てる力を身につけることを大きなテーマとして、授受動詞や敬語というトピックに特化して、専門的な知識を深めることを目指しています。

●「やる」「くれる」「もらう」は人称と関連があります
●方言の「花に水をクレル」は古典語と同じ用法です
●現代語と古典語の「差し上げる」の違い:二方面敬語が作れるのが古典語です
●琉球語の「差し上げる」から古典語の「奉る」を分析すると見えてくるこ
●自尊敬語が許される条件
●南琉球語のタボールンとの出会い:石垣のオーリトーリ(いらっしゃいませ)

などなど、毎回の授業のトピックを見ているだけでも、言語学の面白さに興味が惹かれるのではないでしょうか?

この日の授業では、「クレル」という言葉について、人称制約がない地域はどこ?、という問題を学生たちとディスカッションを通して解明していきました。





共通語で間違いになる文は、琉球語でも「間違い」だと評価したくなりますが、必ずしも間違いではない、ということを、先生の講義や対話を通して学び、言語の多様性について理解を深めることができました。
荻野先生、暑い中、沖縄までお越しいただき、ご講義くださり、ありがとうございました。