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日本文化学科のブログ

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【春のオープンキャンパスを開催しました! 日文ブースも大盛況でした!】

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2025年3月15日、沖縄国際大学3号館503教室にて、新高校3年生・2年生向けの春のオープンキャンパスを開催し、日本文化学科の説明会場には、第一部で約40名、第二部も25名の参加がありました。

先日のブログでもご紹介したように、日本文化学科は2026年4月からカリキュラムを一部リニューアルすることになっています。
前半の学科紹介パートでは、図書館情報学担当の山口先生の進行の下で、コース名が変わる「言語情報文化コース」「琉球沖縄文化コース」と、コース名はそのままですが選択できる科目が増える「多文化間コミュニケーションコース」について、それぞれの専門の先生(桃原先生、我部先生、奥山先生)にプレゼンをしていただきました。



桃原千英子先生による言語文化情報コースでは、「ことばの不思議」に注目する「言語学(日本語学)」について、「やかんが沸いた」「扇風機が回っている」「ごはん、食べに行こうよ」という文例をもとに、
「やかんが沸くのではなく、本当はやかんのなかの水が沸騰している?」
「扇風機が回っているのではなく、扇風機の羽が回っている?」
「ごはん=お米を食べに行くのではなく、食事に行こう?」
という疑問を示し、私たちが日々どのような能力を使って言葉の意味を理解しているか、それは目に見みえる文字・概念だけでなく、心理や能といった認知能力に頼るところが意外に大きい、という説明がありました。こうした学問領域のことを「認知言語学」と呼んでいます。



我部大和先生による「琉球沖縄文化コース」の説明では、伝統的な琉球の文化、例えば、神話伝説、組踊、琉歌、舞踊といったものだけでなく、それらをベースにつくられた現代の沖縄の文化、例えば、沖縄音楽、沖縄文学、創作エイサーなども学問の対象となるというお話がありました。また、これらの文化を深く理解する上で、パスポートとなるものが「沖縄のことば」の理解力です。琉球沖縄文化コースでは、伝統的な「琉球語」はもちろん、若い世代がつかっている「ウチナーヤマトゥグチ」も含めて、沖縄の言語にもこだわって学ぶことができる、という説明もありました。
説明の後には、我部先生による「ウチナーヤマトゥグチ」のクイズ大会も開かれ、ふだん私たちが何気なく使っている言葉の中には実は共通語とは少し用法が異なる新しい言語が生まれつつあり、そうした言語は、琉球語と日本語、または英語などと接触することで新しく生み出されている可能性がある、ということを楽しく学びました。

ちなみに、みなさんは以下のような表現(ウチナーヤマトゥグチ)をつかっていますか? 

①(※上着を着るように言うとき) 「上着を【  つけ  】なさいよ」
②(※待ち合わせをしている友人に今から向かうことを伝えるとき) 「もしもし、今から【  くる  】よ」
③(※試着した靴が小さく感じた時) 「この靴、すこし【  せまい  】ね」

本土出身の先生に聞くとこれらの用語はかなり違和感があるそうですが、こうした言語も単なる誤用と切り捨てずに、大切な沖縄の文化としてその成り立ちや用法を解明していくことも、琉球沖縄文化コースの大きな目的です。



「多文化間コミュニケーションコース」については、2026年度以降もコースの名前は変わりませんが、新設科目が増えたり、先生が増員されたりして、カリキュラムがますますパワーアップすることになっています。
コース主任を務める奥山貴之先生からは、他の大学では「異文化コミュニケーション」「国際コミュニケーション」といった言葉がよく使われますが、なぜ日本文化学科は「多文化間」というキーワードを使っているのでしょうか? という問いかけがあり、「異」ではない理由としては、「異なり」だけを強調せずに、共通するところにもまなざしを向けること、1対1ではない様々な文化の関わりを捉えることの大切さ、そして、「国際」ではない理由としては、「多文化」は必ずしも外国との間にあるだけではなく世代、ジェンダー、地域などの間にも存在するという認識を持ち、異なる背景を持っている人たちと豊かな関係をつくる力を育てることが本コースの目標である、とう説明がありました。



先生たちによるプレゼン生が終わった後は、国語科教員、日本語学、文学・創作、日本語教師、留学、図書館司書、琉球語・琉球芸能、といったテーマごとにブースを作り、卒論集を展示したり、学生たちが使っている教科書やノートなどをみてもらう時間をとりました。
帰りがけにたくさんの方が足を止めてくださり、楽しい交流の時間となりました。









今回のオープンキャンパスは2026年度入試に向けての「Part1」でした。7月以降も何度かオープンキャンパスが開催されます。
今回は日文の3つのコースの説明を中心としましたが、将来の進路のこと、資格取得のこと、総合型選抜入試の攻略法ことなど、まだまだたくさん知りたいことがあるのではないかと思います。
日本文化学科に興味をもってくれたひとは、夏のオープンキャンパスにもぜひまた遊びに来てくださいね。
本日はたくさんのご来場、ありがとうございました!