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日本文化学科のブログ

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【韓国への多文化体験実習のレポートが届きました! 第三弾は「図書館」編!】

多文化間コミュニケーションコースの取り組み
日本文文化学科では、専門科目で学ぶ多文化理解力やコミュニケーション能力をさらに高めるために、3・4年生向け科目として「多文化体験実習」という科目が設置されており、集中講義形式で、国内外の様々な場所を訪れて、多文化へのまなざしをより豊かなものにするためのプログラムを準備しています。

今年度は、11月下旬の大学祭休みを利用して、多文化間コミュニケーションコース担当の奥山貴之先生、安志那先生の引率、指導の下で、事前学習として韓国の歴史・文化・社会課題について学んだ上で、安先生の母国でもある韓国に3泊4日で実習に行ってきました。

この実習では、学生たちがグループごとに訪問したい場所をそれぞれ計画して、3泊4日の日程をサバイブすることになっています。
図書館情報学研究室の学生たちのグループは、韓国の名所だけでなく、韓国の図書館や博物館の見学にも行ってきました。
見学先の一つとして選んだ「ビョルマダン図書館」は世界的にも知られている図書館で、観光地の一つにもなっているようです。
学生たちからのレポートが届きましたので、一部ご紹介します。

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●ピョルマダン図書館は2017年、Starfield coex(韓国のショッピングモール、以下「coex」と表記)内に開館した私立図書館です。約7万冊の多様な資料を所蔵しており、特に海外雑誌を含め計600種以上の雑誌を揃えた雑誌特化コーナーが目を引きます。また「休息と出会い、そして本をテーマに交わる文化感性空間」をモットーとしており、蔵書だけでなく写真映えする館内のデザイン性から観光客の姿も多く見られました。
この図書館の利点は「居場所としての図書館」に特化している点にあると感じました。
例えば、住民が日頃利用するモール内に設置されているために利便性が高くなっています。日本にも施設との複合型図書館はいくつか存在いますが、ピョルマダン図書館の特徴は、coex地下のフロア中央にあり、ショッピングモール部分と仕切られていない「開かれた空間」だということです。また貸出・レファレンスといった通常の図書館サービスはなく館内での閲覧に限定されているが、その分日本のような大きなカウンターがなく、スタッフもフロアに一名程度と少数でした。このことから日本の図書館に比べて敷居が低く、入りやすいという印象を受けました。さらに、飲食持ち込み可であること、館内にスターバックスなどのカフェが併設されていること、閲覧席にコンセントがついていることなど、長時間の滞在も想定されていることが分かりました。





●日本の図書館は一般的に静かなイメージがありますが、ビョルマダン図書館は静かながらも話し声や雑音が程よくあり、緊張感のないリラックスした空間が形成されていました。ビョルマダン図書館は私立図書館なので、この一つの例だけで韓国の公共図書館全体について同様に考えることはできませんが、開かれた図書館の存在は、住民が図書館を身近な場として捉え、図書館利用のハードルを下げる働きも果たしていると考えられます。そして、このことは、誰もが平等に情報を得ることができる場所という公共図書館全体の役割にも繋がっていくのではないでしょうか。図書館にも地域の実情や利用者のニーズに応じて様々な形があってよいと思います。沖縄、日本の図書館にもこうした施設がもっと増えてほしいなと思いました。



●今回、海外で実習を行う機会を頂き、海外への憧れと、新型コロナウイルスの影響でその機会がなかなか得られなかったことから今回の実習への参加を決意しました。準備期間から胸が高鳴り、ドキドキとワクワクが止まらず、私にとって非常に貴重で忘れられない体験となりました。
特に、ビョルマダン図書館訪問では、韓国の図書館と日本や沖縄の図書館の特徴を比較することで、私にとって新たな視野を広げる機会となりました。また、大好きな博物館を見学することができたことも感慨深い体験となりました。韓国は日本や沖縄とかかわりが深い国の1つであり、博物館ではその歴史や文化について学ぶことで、多くの新たな発見や気づきを得ることができたように思います。
このような学びは、異文化理解を深める上でとても有意義であり、私の知識を広げる貴重な機会となりました。今回の実習を通じて、歴史や文化に五感で触れることで、多文化への理解を深めることができ、もっと知りたい、学びたいという意欲が湧いてきました。この経験を活かし、これからも、探求心を持ち続け、積極的に学んでいきたいです。