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日本文化学科のブログ

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【学校司書・司書教諭を目指す学生たちが宜野湾市の中学校でブックトークを行いました!】

図書館司書課程通信
2025年7月15日(火)、松川まゆみ先生のご指導の下、宜野湾市にある普天間中学校の先生方のご協力を得て、司書教諭と学校司書の資格取得を目指してがんばっている4年生6名が「ブックトーク」の実習を行いました。

「ブックトーク」とは1つのテーマの下で5~10冊ほどの本を数珠つなぎに紹介していき、読書への関心を引き出すことを目的とする読書指導の1つです。

実習の舞台は中学校1年生の国語の授業。もうすぐ始まる、中学校初めての夏休みに向けて、受講生2名ずつがペアになって、「美しいもの」「もやもや」「秘密」といったテーマで、1時間の授業を担当しました。

1時間目に行われた「美しいもの」をテーマにしたブックトークでは、『沖縄の四季』『世界はこんなに美しい』『夜空と星の物語』『天動説の本ーてんがうごいていたころのはなし』『グスコーブドリの伝記』『ワンス・アホな・タイム』の6冊を紹介しました。

『グスコーブドリの伝記』は自己犠牲をテーマにした宮沢賢治作の物語ですが、みんなの命を救うために自分を犠牲にすることは素晴らしいことかもしれないけれど、美化するだけでよいのか、もっといろいろな読み方ができると思うので、「美しさ」とは何か、ぜひいろいろなことを考えながら読んでください、というメッセージが心に響きました。





2時間目の「モヤモヤ」をテーマにしたブックトークでは、『とんでもない』『みんなのなやみ2』『きみの行く道』『こころキャラ図鑑』『きみの話を聞かせてくれよ』『モモ』の6冊を紹介しました。

『こころキャラ図鑑』では、「プライドポテト」や「ゼツボウズ」といった、心を動物化したキャラクターを紹介して、どんな感情をもつ動物かを生徒たちに考えてもらいました。「自慢」「えらそう」「誇り高い」「悲しい」「つらい」といった意見が次々に上がってとても盛り上がり、「中学生になって、いろいろな人と出会い、人間関係で悩んでいる人も多いかもしれません。そんな時はまず自分の心にしっかりと向き合って、自分の心の状態を知ることが大切です。心がすっきりするヒントがたくさんつまっている本なのでぜひ手に取ってください」というアドバイスを真剣に聞いている様子もとても印象的でした。







3時間目の「秘密」をテーマにしたグループは、『空想科学読本1』『ふたり』『獣医さんだけがしっている動物園のヒミツ 人気者のホンネ』『警察・スパイ組織解剖図鑑』『ぼくらの七日間戦争』『ヒットラーのむすめ』を紹介しました。

こちらのグループは電子黒板を上手に使って、本を使ったクイズをいくつか出題するなどのワークを行いました。『空想科学読本1』では「アンパンマン」のパンチの威力はどのくらいは、パンチの速度はどのくらいか、といったことを生徒たちに考えてもらったり、『獣医さんだけがしっている動物園のヒミツ』では、「草食動物のキリンが食べている意外なものは?」「ライオンの雄はある部分が黒いと雌ライオンにもてるらしい。それはどこ?」といったクイズを出して、4択で選んでもらったりして、大いに盛り上がりました。

授業後に書いてもらった「読みたくなった本は?」というアンケートでは、クイズなどで盛り上がった本を選ぶ生徒が多いかな?、と思ったのですが、ゆっくりと語り掛けるように読んだ『ふたり』『ヒットラーのむすめ』『ぼくらの七日間戦争』を選んでくれている生徒もたくさんいて、本の魅力がしっかり届いている様子が伝わってきました。





実際の子どもたちを前に、1時間の授業をたっぷり使ってのブックトークということで、学生たちはたいへん緊張した様子でしたが、本を紹介した時の生徒たちの素直な反応がはげみにもなり、ブックトークの難しさ・面白さはもちろん、教壇に立つことの意味についても深く学んだ一日になりました。

また、担当の先生の計らいで子どもたちから感想を伝えてくれる時間も作ってくださり、チャイムが鳴った後に、本のところにわっと集まってきてくれて、感想を伝えてくれたり、本を通して子どもたちとの楽しい交流もできました。

実施に向けてご協力いただきました、普天間中学校の先生方、本当にありがとうございました。また、ブックトークを熱心に聞いてくれた子どもたちにも、受講生一同、感謝の気持ちでいっぱいです。



明日16日には受講生の残りのメンバーが、同じく宜野湾市の小学校でのブックトークにチャレンジします。
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