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日本文化学科のブログ

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【県立博物館美術館で開催されたしまくとぅばシンポジウムに西岡敏先生が登場しました!】

先生も頑張ってます
全国でも珍しい沖縄の文化・芸能・言語について専門的に学ぶことができる「琉球文化コース」がある日本文化学科。コース主任の西岡敏先生は県内外で琉球語の普及継承のために様々な社会活動を行っています。

2018年9月22日(土)沖縄県立博物館美術館講座室で、「しまくとぅば復興への取り組みと出版物―沖縄県・市町村の教材を中心に―」と題したシンポジウムが行われました。このシンポジウムは、しまくとぅばプロジェクト2018の「しまくとぅばの日」企画として開催されました。

コーディネーターとして仲原穣先生(沖縄国際大学他非常勤講師)、パネリストとして、宮城一春先生(フリー編集者・ライター)、中本謙先生(琉球大学教授、本学非常勤講師)、當山奈那先生(琉球大学准教授、昨年度まで本学非常勤講師)、そして、西岡敏先生もその1人として登壇しました。


パネリスト4名が、まず各々の基調報告を行いました。

宮城一春先生は、「『使って 遊ぼう しまくとぅば―ちかてぃ あしばな しまくとぅば』制作について」という題で、那覇市の「はいさい・はいたい運動」をきっかけとして制作に至った経緯や、編集するにあたり、企画趣旨、編集方針、狩俣繁久琉大教授の監修、スキットに出てくる登場人物のキャラクター設定、活用事例集(教師用)の作成など、一つの小冊子が出来上がるまでの過程を編集者の立場から話されました。

中本謙先生は、沖縄県が発行した副読本・読本に焦点を当て、高校生用副読本・小中学校用読本の作成経緯とそれら本の特徴について報告されました。また、普天間中学校で取り組まれている「しまくとぅば授業」の実践例も紹介し、学校現場において「しまくとぅば」継承に取り組む意義についても述べられました。

當山奈那先生は、豊見城市で作成した『わったー たからむん てぃみぐすく くとぅば~伝えよう 私たちの宝物 豊見城言葉~』を紹介されました。豊見城市内の5地点を調べた結果、トカゲやカマキリなど動物の名称や、動詞の活用で命令形をどう言うかなど、5地点でも多様な言い方があることが判明した、との報告がありました。

西岡敏先生は、昨年度発刊された3冊の小冊子、通称「しまくとぅばハンドブック」について紹介しました。
今回、那覇(沖縄)、平良(宮古)、四箇字(石垣)の3つの地点における日常会話の表現集が作成され、それぞれの地点における表現の違いが浮き彫りになりました。この小冊子は、それぞれの地点におけるしまくとぅばの諸々の表現を集めた約50ページのブックレットです。こうしたハンドブックの作成は、上記の3地点から、他の地点へも拡大していきたいとのことです。

これら基調報告のあと、休憩をはさんで総合討論が行われました。
年齢層を含めて話し手を確保することの難しさや、若者に気付いていない「しまくとぅば」をどうやって意識させるのか、あるいは、これからどのような「しまくとぅば教材」を作っていけばよいのか、理想の「しまくとぅば教材」とはどのようなものか、などなど、活発な議論が行われました。

日本文化学科琉球文化コースではこれからも琉球語の継承に力を入れてまいります。