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日本文化学科のブログ

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【司書課程受講生が宜野湾市公民館図書室の企画展のお手伝いをスタート。テーマは「下水道とまちづくり」】

図書館司書課程通信
沖縄国際大学司書課程ではこれまで、宜野湾市立中央公民館図書室との連携の下で、大学で学ぶ専門知識を社会に役立てるために様々な実習を行ってきました。具体的には、

●子ども向け手作り民話絵本の寄贈
●子ども向け参加型展示+覆面展示企画の実施
●利用促進のための図書室のネーミング提案+看板設置ほか来室者を増やすための取り組み、
●ピクトグラムを用いた書架サインのリニューアル、
●図書室キャラクターの作成「ぴよむさん」、
●カフェ風・参加型YAコーナーの設置、

などなど、様々な実習を行わせていただきましたが、その成果を中央公民館近く宜野湾市上下水道局の職員の皆様に知っていただく機会があり、大学生のみなさんに、国土交通省が定める「下水道の日」を市民に広く周知するための図書室を使った展示企画を活性化する方法を考えてほしい、というご要望を頂きました。

2020年1月9日には、宜野湾市立中央公民館図書室を訪問し、上下水道局の職員の皆様から、下水道の役割や「下水道の日」の目的、また、図書室での企画展示を通してどのような知識を市民に広げていきたいか、といったことをレクチャーしていただきました。
レクチャーの中で、知っているようで知らない「!」な発見をたくさん得ることができました。
例えば、「下水道の日」は台風がいちばん多い時期(9月10日)に設定されていて、台風による水害を防ぐための水はけ機能としての下水道の役割を知ってほしいという目的で「本土」は展開されているけど、宜野湾市は琉球石灰岩の上にあるので、台風は多いけど意外にに水はけはよい、というお話を聞いてびっくりしたり。
市の下水道の普及率は100%近くになっているけど、家の近くに下水道のパイプが通っていても、そこにつなぐためにはコストがかかるため、浄化槽をもっている住宅やアパートではなかなかつないでもらえないという現状があることを知って、「そういえば、1年に1回、浄化槽の清掃のお知らせが私のアパートにも来ていたかも…」と発見したり。



その後のディスカッションでは、図書室をお借りして、企画展示のためのアイディアを検討しました。
「下水道の日」以外にもこうした記念日は他にもありますので、「下水道の日」だけを取り上げて、図書館・図書室で企画展を行うとする場合には、法令に基づいた役割・意味をしっかりと考え、設定する必要があります。
図書館法2条7に定められた、「時事に関する情報及び参考資料を紹介し、及び提供すること」にからめて今回の展示を考えるならば、下水道の役割を広く知ってもらうという目的に加えて、沖縄・宜野湾市が抱える課題とからめて市民が楽しく学べるような機会を展示企画を通して実現できるとよいのではないか、という意見の下で、

●米軍基地と関連施設を抱える宜野湾市だからこ、公共サービスにもさまざまな制約が生じていることを周知することで、宜野湾市が定める基本構想の「まちづくりの方向性」の1つである、「○基地の早期返還を求め、安全で快適な日常生活ができる環境づくりを進めます」という目標を考えてもらうきかっけとする、という視点

を設定して、実習に取り組んでいこうということになりました。例えば、普天間基地の下には下水道管は通せませんので、その分、下水をくみ上げるポンプ施設を設置する必要がある、とのことで、下水道事業を通して、私たちが生活しているまちづくりの特徴や課題がよりリアルに、身近に発見できる、といった意見も出ていました。



この企画展示のための提案書づくりワークは、司書課程の4年生が最後に取り組む課題として2月上旬まで行われます。4年生のみなさん、しっかり頑張ってください!