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日本文化学科のブログ

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【卒業論文の最終提出が各研究室で行われました!】

研究室・ゼミナール紹介
2020年1月10日は、日本文化学科の4年生が3年生の研究室所属決定から2年間かけて取り組んできた調査研究をまとめた「卒業論文」の最終提出日でした。

日本文化学科では卒業論文の執筆が全研究室で必修となっており、日本語学、国語教育学、日本文学、琉球語学、琉球文学、伝統芸能、日本語教育学、サブカルチャー論(アニメ・マンガ・映画等)、多文化間コミュニケーション論、図書館情報学、出版流通問題などなど、専門科目で学ぶ知識を土台として、各自が様々な興味関心に応じて自由にテーマ・題材を設定し、仮説を立て、インタビューやアンケート、観察・実験等を通してそれを検証し、分析していくスタイルで行われています。卒論の分量は人それぞれですが、多い人は原稿用紙で100~200枚以上になることもあります。



今年も日本文化学科の学生らしい、多彩なテーマの下、オリジナリティにあふれるたくさんの卒業論文が提出されました。

文化情報学研究室で卒論に取り組んだ4年生の2名に、卒業研究に取り組んでみての感想を聞きましたのでご紹介します。

●喜舎場さん「戦隊ヒーローシリーズにみるジェンダー表現」
文化情報学研究室は指導の先生が厳しいので(?)、卒論も大変、といううわさを聞いていのですが、苦しい卒論でも自分が好きなことならなんとか乗り越えらえるかも、と思って、「戦隊ヒーローシリーズ」を題材に、研究室のテーマになっている「表現の自由」と、学科専門科目で学んでいた「ジェンダー」をからめて、このテーマを選びました。
最近、女児向けのアニメーションではジェンダーフリー的な表現が増えていて、女の子のキャラクターだからといって、必ずしもピンクの洋服を着たり、女言葉を使うことは減っている印象がありますが、男児向けの作品ではどうなのか、という問題意識を設定して、戦隊ヒーローシリーズの第1作から最新作まで、各キャラクターの分析を行いました。
キャラクターの分析の際に、名前や性格、服装、名乗りの順番などなど観察項目を多く設定しすぎたため、調査中に何度もくじけそうになりましたが、先行研究がとても少ない分野だったので、自分の研究がその基礎になることを目指して最後まで頑張りました。小学校から16年間の学校での学びの集大成として、卒業論文にしっかり取り組めたことは私の大きな自信につながりました。

●知念さん「公共図書館における予約・リクエストサービスの現状と課題」
司書課程の授業の中で習ったことと、実際に経験したことに違いをいくつか感じていました。もちろん、理論と実践では異なる部分もあると思うのですが、だとしたらどんな事情があるのかを知りたいと思い、予約・リクエストサービスについて各図書館がどのような対応を行っているのか、を実験的に調査しました。
利用者からの未所蔵資料への要求については、本当は買ってほしいのに、相互貸借にまわされたり、または「ない」と断られたりすることが実際に多いのではないか、という仮説の下で、各図書館を回って、未所蔵資料の要求にどのような対応がなされているかを確認しました。
図書館によって差が大きいこと、理想的な対応ができている図書館とそうではない図書館とがはっきりと分かれる結果となり、仮説は証明されませんでしたが、その原因が資料費や職員体制にあることも見えてきました。
難しい問題もありますが、図書館は利用者と共に育っていくものだと思うので、これからは図書館の一利用者・市民としてしっかり要望を伝え、よりよいサービスが展開されるように、卒論で頑張ったことを生かしていきたいと思っています。

4年生のみなさん、卒業論文の執筆を通して得た様々な知識を生かして、社会人生活でもしっかり頑張ってください!