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日本文化学科のブログ

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【山口先生が鳥取県立図書館が主催する「令和2年度第1回図書館業務専門講座」の講師を務めました!】

先生も頑張ってます
2020年10月23日、鳥取県立図書館が主催する「令和2年度第1回図書館業務専門講座」に、日本文化学科で図書館情報学の授業を担当している山口真也先生が講師として招かれ、「図書館で本を選ぶということ~「図書館の自由」を手がかりに~」と題する講演を行いました。

この講演会は当初は5月に予定されていましたが、コロナ禍ということもあっていったん延期され、10月23日に鳥取県立図書館の会場と、山口先生が滞在するホテルとをオンラインでつないで開催することになりました。

講演のテーマは「選書」と「図書館の自由」。知る権利を保障する役割を持つ図書館ですが、利用者の要求は様々です。その中には、公的な機関としてはこたえづらい、集めづらい資料もあります。そうした場合、図書館はどこまで利用者の要求にこたえればよいのか、山口先生が専門とする「図書館の自由」という考え方をもとにレクチャーしました。



講演会では事前に参加者(公共図書館・学校図書館司書のみなさん)からアンケートをとり、選書の悩みを伺いました。
例えば、
「高校では漫画も入れていますが、どこまでの範囲でいれてもよいものか悩みます」
「学校図書館での選書について、性や自死等に関するものは内容によって購入しない選択をすることがあるが、問題はないのか?」
「重犯罪を犯した人の手記(『絶歌』など)、新興宗教関連出版物はどう扱うべきか?」
「政治的なことが書かれている本(政権への批判等)で話題となっているものなどがあると思いますが、資料としていれるべきか毎回悩みます」
などなど、選書の悩みはたくさんあるようです。
講演会では、図書館の自由の基本である「知る権利」を憲法を手掛かりに読み解くことで、知る権利が何を知ることを対象としているのか、どこまでが保障範囲なのか、保障する方法は1つではない、といったことをお話しさせていただきました。

コロナ禍でしたが、会場には鳥取県内の各図書館から多くの職員の皆さんにお集まりいただきました。オンラインではありましたが、山口先生からの質問に会場の皆さんが積極的に答えてくださり、とても有意義な研修となりました。