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日本文化学科のブログ

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【学校図書館での「レファレンスサービス」を学ぶロールプレイ実習を行いました!】

図書館司書課程通信
図書館には様々な種類がありますが、その1つが「学校図書館」です。そして、学校の図書館で働く司書のことを「学校司書」と呼びます。
学校司書の配置状況には地域差がありますが、沖縄県は、小中学校も含めて、古くから学校司書の配置率が全国トップレベルの「学校図書館先進地域」とも呼ばれており、専門科目の中でも学校司書の養成を意識した取り組みが行われています。

「学校司書のモデルカリキュラム」の授業の一つである「学校図書館情報サービス論」という授業では、学校司書の専門性を実践的に学ぶために、学校図書館でのレファレンスサービスを学ぶために、ロールプレイ形式を取り入れた演習も行っています。



この日の授業では、図書を中心とした文献調査のレファレンス対応を学ぶために、大学の図書館内に設置されているロールプレイ用の教室を、高校図書館のレファレンスカウンターに見立てて、カウンターにやってきた教員や生徒からの、「コウタンのテキストを探している」「21世紀の中国という本は図書館にあるか?」「祖父が昔本を出したと言っているが本当か?」といった質問や相談に対して、グループから選ばれた代表1名(学校司書役)が、他の班員の助けも得ながら、図書館がもつ資料提供・情報提供機能をいかして、どう対応するのかを学びました。



今回の実習では、利用者が求める資料を制限時間内に探し出すことはもちろんですが、資料・情報のプロという立場から、利用者がまだ気が付いていない潜在的なニーズにこたえる情報提供ができるかどうか、が問われていました。また、図書館の憲法とも言われる「図書館の自由に関する宣言」をもとに、利用者のプライバシーをきちんと守ることができるか、といった課題も含まていました。

例えば、「コウタン(正しくは「工事担任者試験」)のテキスト」を探しに来た教員は、高校生でも受けられるのか?、問題集をみて確認したい」という隠れたニーズを持っていました。「高校生でも受けられるくらいのレベルなのか?」という疑問により直接的に応えるための資料提供・情報提供も、多様な情報源を集めた図書館では不可能ではありません。せっかくカウンターに来てくれた利用者に対して、より付加価値の高い情報提供を行うことも、専門職である学校司書の大切なはたらきです。

「中国の21世紀、という(ようなタイトルの)本を探してほしい」という質問の背景には、「授業時間中に先生から紹介された本だが、授業をきちんと聞いていなかったで、タイトルがはっきりわからないので、図書館にこっそり調べに来た。学校図書館のカウンターで質問したことは先生たちに伝わらないかちょっと心配…」という不安が隠されています。利用者に「知る自由を守る」という図書館の役割をきちんと伝える努力が求められます。



これまで学んできた知識を総動員しなければならない総合的な実習ということで、学生のみなさんも改めて学校司書の仕事の難しさと大切さを学んだようです。授業の後半では、探求学習の支援を目的とした、図書館活用法を教える模擬授業にもチャレンジします。残りの実習もがんばってください!