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日本文化学科のブログ

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【西岡敏先生のハワイ通信② ハワイでの伝統芸能の継承状況も 調査しました】

先生も頑張ってます
しまくとぅば研究をリードする日本文化学科の西岡先生。しまくとぅばと同じように、消滅の危機に瀕しながらも、その復興に取り組んでいるハワイの言語教育(ハワイ語の復興)からヒントを得るために、西岡先生らがハワイに滞在して現在調査を行っています。
西岡先生から2日目午前のレポートが届きましたのでご紹介します。

ハワイ滞在2日目・3日目。



 午前中は、再びハワイ大学ヒロ校のハレ・オーレロ(言語の家)を訪れ、ハワイの舞踊であるフラの先生に話をうかがいました。フラは、ハワイ語の歌にのせて踊りますが、歌の意味をしっかり理解することの重要性を指摘されました。フラを学ぶ大学生たちにも、ハワイ語の歌詞が理解できているかどうか、毎回のように筆記試験を行うそうです。言霊(ことだま)に近いのかもしれませんが(筆者意見)、ハワイ語でも言語自体にマナ(mana、聖なる力)があると考えられており、それを理解することの重要性をおっしゃいました。それも、頭ではなく、腹(ナアウ、na’au)で理解せよ、とのこと。ハワイ語では、真に考えることを「腹」で考えると表現するそうです。ハワイ語の歌詞のフレーズは、スピーチなどでの表現にも応用できるとのこと。歌詞の意味を深く読み取ることで、学生も伝統的なものを演じる、すなわち、フラを踊ることができるとおっしゃっていました。

 フラの先生へのインタビューが終わった後、場所をハレ・クアモオ(ハワイ語の教材センター)に移動して、担当の方からハワイ語のテキストについて話を伺いました。まず、初級用の教科書として使っているナーカイエワル(Nakai‘Ewalu、1と2の2冊出ている)について、学生のハワイ語のレベルに応じて、進むペースを使い分けていることを聞きました。他にも、ケアオナニ(KeAo Nani)という絵の付いた千語の語彙集(初級)、短い話の絵本(初級)、長編の読み物(小学校4年生用)などを紹介していただきました。子どもたちのハワイ語の習得については、最初、ヒヤリング(聴解)がもっとも難しいが、文字化することによって理解が進むとのこと。ハワイ語の初期の学習で共通によく利用されているのが、ハカラマ(hakalama)と呼ばれる音節表(日本語の50音図に相当)で、この活用によって子どもたちのハワイ語の基礎的な理解が進むとのことです。

 さらに聞きたいことが多くありましたが、飛行機の便があるので、ヒロ校からホテルへ向かって、荷物を取り、ヒロ空港から、オアフ島、ホノルルへ出発。午後からは、ホノルルのハワイ大学マノア校では、ハワイにおける沖縄の伝統芸能の活動や、ハワイ大学におけるしまくとぅば教育について伺いました。
 
 ハワイ滞在の2日目午後は、ハワイ大学マノア校で、ハワイにおける沖縄芸能の継承に携わる方に沖縄での修業時代などについて話を伺いました。

 3日目は、ハワイ大学マノア校沖縄研究センターを訪れ、沖縄文化に関する科目について紹介していただきました。沖縄語を教える科目もあり、具体的に形容詞の活用について学生に覚えてもらう例を挙げてくださいました(覚えたことを確認する宿題も毎回しっかりと出ていました)。英語によってウチナーグチが詳しく教えられていることに深い感動を覚えました。残念ながら、時間がありませんので、滞在中の報告はこれまでにしたいと思います。マハロ・ヌイ・ロア!(にふぇーでーびる!)

※写真はハワイ大学マノア校ハミルトン図書館前でのものです。