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日本文化学科のブログ

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【沖縄少年院へビブリオバトルのデモンストレーションに行ってきました】

研究室・ゼミナール紹介
日本文化学科には3年生後期から4年生にかけて「アドバンスド科目」という体験型授業がいくつかあり、3年生前期までに学んできた知識やスキルを社会に役立てて行こうという取り組みを進めています。
司書課程で学ぶ学生たちが受講する「図書館情報学特別演習Ⅰ」もそうしたアドバンスド科目の1つで、2018年12月25日のクリスマスに、糸満市にある沖縄少年院を訪問し、「特別授業」という形で、約1時間30分のビブリオバトルのデモンストレーションを行いました。



まずは、図書館情報学担当の山口真也先生より、ビブリオバトルのルールやポイントなどの簡単な説明があり、その後、学生7名による、1人3分間+質疑応答2分間のミニビブリオバトルを開催しました。

今回、学生たちが紹介した7冊は次のとおりです。

有川浩著『フリーター、家を買う。』(幻冬舎 )
川村元気著『世界から猫が消えたらな』(小学館) 
チャールズ・ディケンズ著『クリスマス・キャロル』(新潮社)  
サイモン・シン著『フェルマーの最終定理』(新潮社)
青木和雄著『ハッピーバースデー 命かがやく瞬間』(金の星社)  
水野敬也著『雨の日も、晴れ男』(文芸春秋社)
上橋菜穂子著『明日は、いずこの空の下』(講談社)

今回のビブリオバトルは少年院で開催するということもふまえて、自分が読んで面白いと思った本であると共に、学生たちが自分が中学校・高校の頃に読んで心が動かされた本、自分の進路や夢について考えるきっかけになった本、または、辛いことがあった時に気分転換になるような本、というテーマを決めて行いました。
現代の小説から海外の名作文学、数学書、紀行エッセイ、児童書まで、多様な本が紹介されました。

どの本にも生徒のみなさんからもたくさん質問が上がり、激戦の結果、『雨の日も、晴れ男』がチャンプ本に選ばれ、この本を含む7冊と、山口先生が最初の説明のところで、”真面目な本だけじゃなくてどんな本でもいいので自分が好きな本を選びしましょう”、という例として紹介した、『ドラ・カルト ドラえもん通の本』(小学館)を合わせた合計8冊の本を図書室の蔵書としてプレゼントさせていただきました。

デモンストレーション終了後は、少年院内の図書室などの施設を見学させていただき、冊数は多くはありませんが、何度も何度も読まれた跡のある本をみて、心が動かされました。
デモンストレーション前に法務教官の先生から教えていただいた「教育の可能性はいろんなところにある」という先生の言葉どおり、「ビブリオバトル」と読書がもつ力を実感する一日になりました。

教室では体験できない素晴らしい学びの機会を与えていただきました、沖縄少年院の先生方に心から感謝いたします。