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日本文化学科のブログ

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【図書館司書課程通信⑦ アドバンスド科目で少年院での図書室・読書活動について学びました】

図書館司書課程通信
図書館司書を目指す学生がたくさん在籍している日本文化学科。3年生後期からスタートするアドバンスド科目「図書館情報学特別演習Ⅰ」では、司書課程で学んできたことが世の中にどのように役立つのか、という視点で、大学の外との機関と連携してさまざまな実習を取り入れています。

12月末には、公共図書館の「アウトリーチサービス(図書・読書を届けるサービス)の体験」をテーマとして、糸満市にある沖縄少年院の図書室見学と、ビブリオバトルのデモンストレーションを予定していて、そのための事前学習として、2018年11月30日に、沖縄少年院の法務教官の竹下先生をお招きし、矯正教育のプログラムや院内での読書活動についてのレクチャーを受けました。


ご講話の中では、少年院法が改正され、読書の機会を院の子どもたちに与えていくことが法的な義務になっていること、沖縄少年院では図書室を設置して、読書科という授業を設けていること、図書室では子どもたちの矯正教育に役立つ本を幅広く集めてていること、図書室以外の本を読みたいときは「自弁図書」という制度で外から購入することもできること、などのお話しがあり、これまで遠い存在と思っていた「少年院」が、普段専門で学んでいる「図書館」ととても近いところにあることを実感するとともに、様々な事情から少年院に入り、社会復帰を目指して頑張っている子ども達へ図書館から積極的に「手を伸ばす」(アウトリーチ)ことの重要性にも気づかされました。

ご講話の後には、学生たちから「神戸連続児童殺傷事件の加害者の元少年が書いたとされる『絶歌』が自弁図書で請求されたらどうしますか?」「自弁図書の貸し借りは院内では可能ですか?」「図書室にはマンガやライトノベルなどはありますか?」といった質問が寄せられ、竹下先生から1つ1つ丁寧にご回答をいただきました。

12月末のビブリオバトルの実施に向けて、少年院の機能と図書館との接点について深く考えさせられる一日になりました。貴重な学びの機会をつくっていただき、ありがとうございました。

※沖縄少年院での図書室の取り組みは、『沖縄県図書館協会誌』第21号(2017年12月刊行)にも掲載されています。