文字サイズ

日本文化学科のブログ

ブログ

【研究室へようこそ① 日本古典文学研究室・田場裕規先生編】

研究室・ゼミナール紹介
日文の学生は3年生になると11人の専任教員の研究室で卒業論文を執筆します。各研究室ではどんな先生の下でどんな研究がおこなわれているのでしょうか 今回は田場裕規先生の研究室にいってお話を聞いてきました。



■先生はどんな授業を担当しているの?   
ーーー日本の古典文学の授業です。「古典に親しむ」「古典に学ぶ」「日本文学を読む」「漢文学」といった授業を担当していいます。
1年生が入学してすぐに受講する「古典に親しむ」という授業では、万葉集を題材にして絵を描いたり、物語仕立てにした映像作品を創ったり、ニュース原稿風にアレンジしたり、学生一人一人の得意な創作活動と結びつけて、古典文学の楽しさを伝えられたらいいなぁと思っています。2年生以降の授業ではもうちょっと専門的に、当時の時代背景をふまえて作品を読解することが中心となります。

■研究室の学生たちはどんな研究をしているの?   
ーーー古典文学の研究というと、万葉集や源氏物語を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、古典文学作品は皆さんが知らないいろいろなジャンルの作品があります。例えば「落語」もその1つで、最近の卒論では「らくだ」という古典落語を取り上げた研究が面白かったです。関西と関東の2人の落語家のテープを聴き比べて、同じ古典落語でも話し手が変わると内容がどう変わるか、を手がかりに、上方落語と江戸落語の特長を分析しようという研究でした。原稿用紙で二百枚くらいの大作でした。

■進路が気になります! 就職状況を教えてください!  
ーーー受験生のみなさんは古典文学を学ぶということが仕事にどうつながるか、というのはなかなかイメージしづらいかもしれませんが、私は国語科教職課程の授業も担当しているので、研究室には国語の先生を目指している学生が多いです。民間企業に就職する学生も最近は増えてきていて、昨年の実績では、公務員(北谷町)1名、国語教員1名、IT関係(SE)1名、観光業2名、芸能関係に進んだ学生も1名います。 

■古典文学のおもしろさって何ですか?  
ーーー一言でいうのは難しいですが、はるか昔から今にいたる大きな川の流れを間近に見ることができるということでしょうか。例えば、「こんな晩」という怪談(調べてね)があるのですが、これの類話は今でもあちこちにあります。人間の心の中にある恐怖心の種のようなものが、今も私たちの心の中にあり、それが「こんな晩」の伝承世界を作り上げているのです。恐怖心の種は、遠い昔から「文学の大河」を流れていて、知らないうちに私たちの日常に「こんな晩」伝承として組み込まれていたのです。(笑)

■先生はどんな大学生活を送っていたのですか?  
ーーー私は沖縄出身なのですが、小さい頃から学校の先生になるという目標があって、特に「僻地教育」に関心があったので、その勉強ができる北海道の大学に進学しました。
大学では勉強漬けの毎日でしたが、夢に一歩一歩近づいているという実感があって、とても充実していました。受験生のみなさんの中には大学選び・学科選びで悩んでいる人もいるかもしれませんが、その大学・学科でしか学べないことがあるかどうか、という視点で進学先を選んでほしいなと思います。そして、日本文化学科にも「ここでしか学べないこと」がたくさんあります。みなさんの学びたいことと一致しているかどうか、オープンキャンパスにぜひ参加して考えてみてください。

■受験生へのメッセージをお願いします! 
ーーー高校までの古典文学の授業では文法や読解が中心だったと思いますが、大学での学びはそれとはちょっと違っていて、多様な解釈を楽しむことが中心です。もちろん1つの正解はあるのですが、古典文学の面白さは「光の当て方で浮かび上がり方が変わってくる」ということです。そして、そうしたものの見方・考え方を身につけることは将来社会に出ていく上でも必ず役立つスキルになると思います。
みなさんも日本文化学科でいっしょに古典文学に親しみ、古典文学からいろいろなことを学びましょう!