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日本文化学科のブログ

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【日本語を研究するってどんなことなの? 下地賀代子先生「ゼミナール入門」より】

研究室・ゼミナール紹介
日本文化学科では、3年生になると各先生の研究室に所属し、卒業研究を進めていきます。2年生の後期は、3年生からのゼミナールを選択する時期に当たります。

日本文化学科には、2年生の必修科目として「ゼミナール入門」という科目があります。毎回、各先生が研究室での研究内容をさまざまな趣向を凝らしてプレゼンし、2年生のゼミ選択の参考にしてもらっています。

9月30日の「ゼミナール入門」第2回目は、言語学を担当している下地加代子先生が登場。当日の授業内容を簡単にご紹介しますので、受験生の皆さんには、この連載を通して日本文化学科で学べるカリキュラムのイメージを広げてもらえるとうれしいです。



◎研究室ではどんな研究をしているの?
下地先生は言語学の研究をしており、琉球語、特に多良間言語・方言について研究しています。大学生時代に多良間の言葉に出会い、なんと10年以上も研究なさっているそうです。今回のプレゼンテーションでは、ゼミの紹介、下地先生のご専門である多良間の言語についての紹介、下地ゼミに所属している3年次による、昨年の卒論を分析した結果の発表がありました。

多良間とは、多良間島+水納島をまとめて多良間と呼ぶのだそうです。下地先生は、ここ数年は水納島の方言についても研究なさっているそうです。多良間の言語は琉球の言語の中でも特徴的な言語で、例えば「猫」は琉球語のほとんどが「マヤー」系なのに対し、多良間では「ニカ」となるそうで、語源も不明なのだそうです。他にも母音の「イ゜」の音や、子音の「リ゜」など、語彙だけでなく音にも多良間独特の特徴が多いそうです。また、琉球語の研究は積み重ねがまだまだ少なく、研究のためには、琉球語と兄弟言語である日本語の研究も必要不可欠だそうです。

3年次の卒論分析結果発表では、昨年卒業した先輩が残した卒論である『日本語の「音」の響き―商品名からみる音象徴の効果―』『「大丈夫」の使われ方と意味の変化』『死語となる若者ことばの傾向について』という3つのタイトルを紹介するとともに、用いられた検証方法を用いて新しく対象を設定して調査した結果を報告してくれたり、卒論で報告されている結果ついて鋭い指摘をしていました。学生たちも「卒論にはこのようなレベルの検証が求められるんだ」と興味津々な様子で聞いていました。

◎ゼミ生たちはどんな研究をしているの?
下地ゼミでは、「言葉に関すること」をテーマに、現代日本語・琉球語・文学作品・漫画作品・若者言葉などを研究対象として共時的な分析・通時的な編纂などを研究することができるそうです。
ゼミ生たちは次のようなテーマで卒論を書いています。
・物語の登場人物からみる音象徴について(特に、悪役のキャラクター名に注目)
・童謡からみるオノマトペ(日本と外国との比較)
・語用論(会話研究)
・「挨拶」の表現や特徴
・店内アナウンスにおけるアクセント、イントネーション



◎下地先生からの一言
卒論のテーマは「ドヤ顔で相手にしゃべりたいもの」をテーマにしてください。3年次から4年次1月まで向き合わなければいけないのが卒論です。好きなものなら頑張れます。一度、自分の興味を掘り下げてみてください。
言葉は身近なもので、その当たり前に不思議を感じることから言葉の研究は始まります。言葉に関して研究したい人大歓迎です。ぜひ下地ゼミに来てください。

◎お知らせ
来週のゼミは日本近代文学を担当なさっている、村上陽子先生のゼミ紹介です。お楽しみに!