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日本文化学科のブログ

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【日本語教育・多文化間コミュニケーションを学ぼう!ーー奥山貴之先生による「ゼミナール入門」より】

研究室・ゼミナール紹介
日本文化学科では、3年生になると各先生の研究室に所属し、卒業研究を進めていきます。2年生の後期は、3年生からのゼミナールを選択する時期に当たります。

日本文化学科には、2年生の必修科目として「ゼミナール入門」という科目があります。毎回、各先生が研究室での研究内容をさまざまな趣向を凝らしてプレゼンし、2年生のゼミ選択の参考にしてもらっています。



10月14日の「ゼミナール入門」第4回目は、多文化間コミュニケーションコースを担当している奥山貴之先生が登場。当日の授業内容を簡単にご紹介しますので、受験生の皆さんには、この連載を通して日本文化学科で学べるカリキュラムのイメージを広げてもらえるとうれしいです。

◎研究室ではどんな研究をしているの?
奥山先生は日本語教育を研究しており、日本文化学科に設置されている日本語教員資格課程の科目を中心に、多文化間コミュニケーションコースの科目も担当しておられます。そのことから、奥山先生の研究室では、多文化間コミュニケーションを中心に、日本語教育学の研究もご指導なさっています。

研究室紹介は、「日本語教育」とは何かという事から紹介なさっています。そのために、まずは「外国語」と「第二言語」の違いについて、ゼミ生の言葉も交えながら解説なさっていました。「外国語」とは、文字通りの意味と共に、自らの生活には関係のない言語、という意味が含まれているそうです。しかし「第二言語」は、第一言語(母語)と呼ばれる言語と共に、その人の生活に密接に関わる言語であることを示す言葉だそうです。次に母語話者を対象とした「国語教育」と、第二言語の習得を目指す「日本語教育」の違いにも触れ、「日本語教育を行う際には、教育を受ける側のニーズに合致した教育が必要」とおっしゃっていました。奥山先生の体験談として、留学生には大学生活を送る上で欠かせないアカデミックワードなどを中心に、スポーツ選手には少々語気の強い言葉や、チーム内の「ノリ」についていけるような言葉を教えたこともあるそうです。



講義内では、日本語による会話文が提示され、この話しているAさんとBさんはどのような人か答えてください、という問題が出され、受講生の皆さんは苦も無く、「Aさんは関西出身の人、Bさんは関東出身の人」と答えていました。実はこのように方言による語尾やイントネーションの違いといった話し方の違いで、その人物の出身地や職業などをイメージできるのは、母語話者などの長くその言葉に触れてきた人々だけで、そうでない人々にとっては、ちょっと形が違うだけに見えるということを説明して下さいました。このようなことをはじめとして、多文化間コミュニケーションの中では、「自分にとって当たり前である全てを説明する必要があり、そのために自らの文化に自覚的である必要がある」と、まとめておられました。

ゼミ生の研究テーマ発表では、三年次から新垣さん、島袋さん、四年次から運天さん、仲本さん、松原さんの5名が、それぞれの研究テーマとゼミを選ぶ際のアドバイスを2年生へ贈っていました。「先行研究の手法がどこまで自分のテーマに応用できるのかを判断するのが難しい」といったお話や、「しまくとぅばの研究をしているが、調査の中で地域差や世代差が分かってきて面白い」というお話、「奥山先生の面倒見がよく、適切なアドバイスをくれる」といった貴重なお話が出ていました。また、2年生からは質問があり、「どこに就職できますか?」という問いには、「皆様々だが、ゼミで行うディベートが集団面接の練習になってとても役に立つ」という答えが、「日本語教師になった先輩はいますか?」という問いには、「去年は3名、今年は1名おり、資格を取っている先輩も多い」といった就職にも強いという魅力が伝わってくる答えが返ってきていました。



◎ゼミ生たちはどんな研究をしているの?
奥山先生の専門は日本語教育ですが、奥山ゼミでは社会との関係の中で言語を見る社会言語学を中心に、周辺分野である対象言語学、コミュニケーション、ジェンダー、ステレオタイプ、比較文化などの分野でも研究できるそうです。
ゼミ生たちは次のようなテーマで卒論を書いています。
・「韓国語における日本語表記法の一考察 ―固有名詞の表記に注目して―」
・「ディズニープリンセス映画にみる言葉遣いの変化」
・「若者による第三者敬語の使用とその対象の調査」
・「スポーツにおけるパワーハラスメントの要因」
・「ネットスラングはどれくらいの期間使われるのか」



◎奥山先生からの一言
日頃から大事にしてほしいことは、日常の言語行動、コミュニケーション、外国語学、将来の目標、趣味と言ったことから感じた、「あれ?」「どうして?」「ほんとう?」という疑問や興味、関心です。ここから、卒論やゼミ論の研究テーマにつながってきます。ただ、何を対象するか、基準にするかをしっかり定める必要があります。専門的研究の枠組みとどのようにマッチングさせるかが大切です。社会言語学は言語が絡めばなんでもできる、という面白い分野です。興味がある人はぜひ奥山ゼミへ来てください。