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日本文化学科のブログ

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【文化や言語を比較・対照する楽しさを知る! 兼本敏先生研究室をご紹介】

研究室・ゼミナール紹介
日本文化学科では、3年生になると各先生の研究室に所属し、卒業研究を進めていきます。2年生の後期は、3年生からのゼミナールを選択する時期に当たります。

日本文化学科には、2年生の必修科目として「ゼミナール入門」という科目があります。毎回、各先生が研究室での研究内容をさまざまな趣向を凝らしてプレゼンし、2年生のゼミ選択の参考にしてもらっています。



11月11日の「ゼミナール入門」は、中国語と比較文化論がご専門で、多文化コミュニケーションコースの研究室を担当している兼本敏先生が担当されました。当日の授業内容を簡単にご紹介しますので、在学生の皆さんはもちろん、受験生の皆さんにも、日本文化学科で学べるカリキュラムのイメージを広げてもらえるとうれしいです。

◎兼本先生の研究室ではどんな研究ができるの?
兼本先生の専門は中国語と中国文化研究で、ゼミでは比較文化、英語・中国語を中心とした対照言語学の研究を行っています。研究室紹介ではまず「文化を比較し、対照する」とはどういうことか、という説明からスタートしました。

比較する・対照するという視点は文化研究ではよく用いられあますが、学生たちが陥りやすいのは何でも比較すればよいという誤解です。例えば、人間と魚を比較するなんてことは文化研究ではあまり意味がありません。同じカテゴリに入るものを、同時代性、または通時的に比較するという原則が比較文化論・対照言語学では大事なのです。

兼本先生の研究室の特徴は、1年に1回学生たちが企画して実施する海外への調査旅行です。この旅行もただの娯楽目的ではなく、ゼミ活動の一環として、比較し、対照するという視点を取り入れた活動になっています。
例えば、旅行の計画を立てる時に、インターネットにはたくさんの情報があふれているはずなのに、実際に現地に行く、雨が土砂降りで目印が見えなくなって目的地を探せなかったり、気温が低くて、夜食事に行くのが難しかったり、と失敗をすることがあります。この失敗の原因は、ただ対象を調べているだけで、自分自身の生活やすでにもっている知識と比較する・対象するという視点が抜けているから、と兼本先生は語ります。

兼本先生の研究室の方針は「失敗から学ぶこと」。兼本先生はあえて口出しをせずに、いっしょに失敗したりして、学生たちを温かく見守ります。海外に出ることで自分自身を振り返りつつ、比較・対照する視点を実感することで、卒業研究で必要な視点も自然と身につくプログラムになっています。



◎ゼミ生たちはどんな研究をしているの?
兼本先生の研究室に所属する学生たちは、比較文化論や対照言語学を中心に研究しています。多文化間コミュニケーションコースに所属する学生が多いため、海外の文化や言語との比較・対照をテーマとして、現在の4年生は次のようなテーマで卒論に取り組んでいるそうです。
・少女マンガと言語表現
・沖縄県観光地におけるキャッチコピーの考察
・日米によるあいづち表現の違い
・日本人の死生観
・日韓、アイドル比較
・韓国ドラマにおける親が子を呼ぶときの呼称
・歌詞に見る日本語の「美しさ」
・オネェ言葉と女言葉の比較

◎兼本先生からのメッセージ
日本文化学科を卒業するということは、言葉・文化について確実にわかっている人間になる、説明ができなければいけないということです。こうした力は卒業した後、仕事をするようになって、どんな職業でも必ず必要になりますし、みなさんを支えてくれる大切なものです。
私の研究室では、卒業論文の執筆にあたって、「これだけは書かないといけない」というしっかりとした基準を設けています。合格できずに卒業が延びる学生もいます。しかし、自分が書くものに対して責任を持って、しっかりと取り組んでいくことは卒業までに必ず大学生が身につけないといけない能力です。言語・文化について興味のある学生、自分を高めたい方はぜひ私の研究室で一緒に学びましょう。