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日本文化学科のブログ

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【南島文化研究所の第32回セミナーが開催され、下地先生がコメンテーターを務めました】

琉球文化コースの取り組み
沖縄国際大学に設置されている南島文化研究所では、琉球・沖縄文化に関する様々な研究活動が行われています。
日本文化学科で琉球文化コースの授業や日本語学の授業を担当する下地賀代子先生も所員の一人で、9月に開催された「第32回南島研セミナー」(オンライン)でコメンテーターを務めました。
県内、県外からオンラインにて多くの方々にご参加いただきました。

この日のセミナーのテーマは「オランダ商船ヴァン・ボッセ号の物語とその口承」。
報告者は考古学がご専門のオランダ文化遺産庁文化資産アドバイザーであるJosé Schreurs(ヨゼ・スヒューリュアス)先生。





報告概要は次の通りです。

1857年、シンガポールと上海の間を航海していたオランダの商船ヴァン・ボッセ号が、当時の琉球王国の一部である多良間島の近くで難破した。27人の乗組員は、島の人々によって全員救助され、バタビア(ジャカルタ、オランダ領時代の旧称)に戻るまでの数ヶ月の間に、琉球各地の人々と交流したという。オランダ文化遺産庁は、九州国立博物館と、この難破船を発見するための共同プロジェクトを立ち上げた。そしてその後、沖縄国際大学下地教授の協力の元、ヴァン・ボッセ号の背後にある物語の調査も開始している。調査は、多良間島に今も残る船と乗組員についての物語を捉えること(人々の間でどのように語り継がれているか)を目標としている。

この日のセミナーは、司会者として日本文化学科で文学の授業を担当する村上陽子先生(研究所副所長)も参加されました。
難破船の調査となっている多良間島は下地先生が言語研究されているフィールドでもあり、報告後のディスカッションでは、同時通訳も交えながら、言語学、文学など、さまざまな観点から質問が寄せられていました。



参加者からは、「難破船の物語が何世紀にもわたって記憶されている点が興味深かったです」「歴史的事実が数年でその多くが忘れられた点、タブーとなり現在に残った点などが面白かったです」といった声も寄せられました。

当日の様子は大学サイトからご覧ください。
「【南島研】第32回 南島研セミナー(オンライン)を開催しました」
https://www.okiu.ac.jp/news/58886